第4回 太陽光発電システム市場における機会<3> ~海外事例~

前回は、太陽光発電システム市場における機会として、「販売会社」領域における海外での特徴的な事業スキーム事例をご紹介しましたが、引き続き、太陽光業界における「周辺サービス」領域での面白い事例をご紹介したいと思います。

●「1BOG(One Block Off the Grid)」
2008年にサンフランシスコでサービスを開始した企業で、ユーザは「より安く」太陽光発電システムを設置できるように、販売会社は「より多く」のユーザに太陽光発電システムを販売できるように設計されたサービススキームで、あっという間に米国全土に拡大し、1,400台以上の太陽光発電システムを導入してきました。

具体的には、太陽光発電システムの設置を検討しているユーザを組織化(コミュニティ化)し、ボリュームディスカウントによる購買力を高め、一般的な市場価格よりも15%程度安く設置できる、というサービスです。

同社が捉えている太陽光発電システム検討時の課題と、それらに対するアプローチは下記のとおりです。

 1.太陽光発電システムの導入費用は高い
  ⇒1BOGの組織化によるボリュームディスカウントを用いて安価で導入可能。

 2.値段の高い色んな機器類があり分かりづらい
  ⇒1BOGが、分かりやすく伝えることでシンプルなプロセスへ。

 3.信頼できる販売会社を見つけるのが難しい
  ⇒1BOGは、高品質&低価格な販売会社を見つけて交渉まで実施。

最低購入者数を約束するかわりに大幅なディスカウントが約束されるグル―ポン的モデルに近いものではありますが、違いとしては、あくまで契約が必須ではなく、組織化された後、同社が交渉した結果として販売会社が提示する見積りを見て、導入の最終意思決定をすることができます。

また、このサービスではもともと「購入」のみを対象にしていたのですが、どれだけ安くなっても初期投資が必要である点を解消するために、前回のコラムでもご紹介した「(初期投資が不要な)リースモデル」を昨年から導入しています。

2回にわたって記載させていただいたとおり、米国では、太陽光発電システムの普及拡大を後押しするような「サービス」が広がっています。一方、日本市場においても、持ち家戸建て住宅世帯への太陽光発電システム普及率は3%を超え、いわゆる「イノベーター理論」にあてはめた場合、「イノベーター(新しいモノを好んで採用する層)」と定義されるユーザ層から、「アーリーアダプタ(流行に敏感で、情報収集を自ら行い、判断する層)」と定義されるユーザ層へ広がっていくフェーズを迎えています。

そうした今後の国内における普及フェーズでは、今までと違ったサービススキームが圧倒的なシェアをとる可能性もあり、ユーザへの信頼度が揺るがないようなサービス、導入への後押しにつながるようなサービス、導入した後に必要となるようなサービス等、参入機会はいろいろと考えられるのではないかと思います。

次回は1月17日更新予定です。

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