第3回 太陽光発電システム市場における機会<2> ~海外事例~

前回は、太陽光発電システム市場における機会として、「パネルメーカー」領域に関する内容を記載させていただきましたが、今回は、「販売会社」領域における機会として、海外(米国)での特徴的な事業スキーム事例をご紹介したいと思います。ちなみに、2011年の米国における太陽光発電の年間導入量は、対前年比2倍の2GW(ギガワット)に迫る勢いを見せています。

1.「SunRun」
 2007年に創業、カリフォルニア州サンフランシスコに拠点をおく太陽光発電システム販売会社です。
 ベンチャー投資家から総額4億8,500万ドル(約388億円)の出資を受けており、大きく期待されている企業です。

 何が特徴的かと言うと、 住宅の屋根に太陽光発電システムを設置し、2年契約の月額払いで
 『リース・メンテナンス』を行う点。太陽光パネルの購入・設置、太陽光発電による発電量をモニターするシステム、
 修理や管理費を含め、月額支払いベースで提供するサービスで、既に全米8州で1万世帯以上にサービスを
 提供しています。

 自費でパネルを購入すると、システム代と施工費用を含めて1.5~5万ドル(約120~400万円)の負担が
 発生しますが、頭金ゼロも可能で、月々の電気代が15%ほど割安にできるという仕組み(※州ごとの
 税金優遇策により異なる)で、設置する住宅とは20年間契約する形にし、家主が代わっても次の家主が
 契約を引き継ぐというビジネスモデル。(SunRunが太陽光発電システムの所有者で、家主がパネルを
 リースしているスキーム)
 また、太陽エネルギーが十分でないときは、従来の電力会社の電力を借り、逆に過剰なエネルギーが
 発電された場合は、電力会社が買い取り、顧客がクレジットをもらえるシステムとして構築しています。

2.SolarCity
 今年、Googleがこれまでの再生可能エネルギーへの出資額としては、最大となる2億8,000万ドル(約224億円)を
 投資したSolarCity(カリフォルニア州)。同社も、SunRunと同じく、家庭に太陽光発電システムを「リース」する会社です。 

 SolarCityの太陽光発電システムリースプログラムを利用すると、(米国における)典型的な戸建て住宅で、 
 月の電気料金が200ドルの家庭で4KWの太陽光発電システムを導入した場合、電気代は約60ドル、
 太陽光発電システムのリース料が約110ドルで、結果として毎月の支払いが約30ドル節約になるプランが可能です。
 一般的なリース契約期間は15年で、これまでに約1万5,000世帯以上にシステムを設置していますが、
 そのうちの1万2,000世帯程度はリースでの利用とのことです。

 今回ご紹介した2社共に、販売ではなくリースという手法を用いたものですが、
米国においては、リースが住宅用太陽光発電システム販売総数の40%以上を占めるまでに成長しています。
一般消費者が、太陽光発電システムを「ハードウェア」としてではなく、あくまで「サービス」として捉えているところが
非常に興味深い点です。

 今後日本においても、太陽光発電システムを「サービス」として捉えなおした場合に、
リーススキーム以外の新しいスキームが生まれる可能性は大きいのではないかと思います。

次回は1月17日更新予定です。

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