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第25回 コストと職場環境
職場によい風土を根付かせるためには、環境の整備が重要です。
以前開催した「先進物流企業視察セミナー」で、大手独立系物流企業の鴻池運輸が建設し、運営する、サントリー神奈川綾瀬配送センターを視察しました。2007年4月竣工の、41,952棚という日本最大級の自動倉庫を有するすごいセンターです。
しかし、このセンターのすばらしい点は、規模だけではありません。作業員の方の礼儀正しい態度や現場の4S(整理・整頓・清掃・清潔)徹底度にも、特筆すべき点があります。
本センター立ち上げの責任者を務めた吉田信吾氏は、そのような風土を醸成するため、一つには、徹底的に構内の照度を高くしたとおっしゃっていました。明るくすることにより、汚れや散らかりなどの不備があれば目立つようになって、4Sが徹底されるという意図です。
職場の清潔を保つことができれば、作業員の意識も向上します。また、人間は、明るいところでは悪事をやりにくいものです。そういう点でも、照明を重要視されたのでしょう。
今の時代、ともすれば器具の数を減らしてでも、照明の電気代を安く上げたいという企業が多いと思います。しかし、照度も職場環境の重要な一点であることを認識して、施策を検討する必要があります。
風土は、環境によって創られます。
次回は5月29日(火)の更新予定です。
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