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第68回 ヒヤリハット日報
茨城県つくばみらい市に本社を置く総合物流企業の雄、十和運送では、「ヒヤリハット日報」という制度を導入しています。
ちなみに、ヒヤリハットとは、文字通り「突発的な事象やミスに、ヒヤリとしたり、ハッとしたりするもの」であり、重大な災害や事故には至らないが、直結してもおかしくない、一歩手前の事例の発見を言います。
同社では、ドライバー間で情報を共有して、相互啓発に役立てようとするために、毎日、この日報を書いているそうです。そして、その情報をもとに、ミーティングを行っています。
例えば、先日行われたミーティングで挙げられたヒヤリハットを一部紹介すると、以下のとおりです。(ブログ記事より抜粋)
- 村野主任
国道6号線を走行中、急に渋滞して車が完全に停止。
動かなくなった。
事故!?と思い、車を左に寄せて前方の様子を見ようとハンドルを切ったら・・・バイクがその左側を通過。ちょっと早くハンドルを切ったら・・・ドッキリしました(*_*) - 竹田宗司さん
交差点に黄色信号で進入してしまった。
横断歩道はまだ"赤"だったはずなのに、自転車に乗った高校生らしき女の子が、フライングして道路に出てきた。
「ドキッ」黄色できちんと停まっていればよかった(-_-) - 相澤勇樹さん
休日、県道を走行中に交差点にさしかかった。
自分は青信号だったので、通常に交差点に進入した。
しかし、交差道路の赤信号を無視した車が、左側から出てきた。60歳位の女性だった。もし、自分の乗用車の速度が上がっていたら・・・(@_@;)
このヒヤリハット日報&ミーティング、すばらしい取り組みです。
これを続ければ、確実に事故は減るでしょう。
情報が共有され、注意点が全員に蓄積されることはもちろんです。
しかし、それ以上に、ヒヤリハット日報という、毎日決められたアウトプットがあることで、常に周りを注意するようになり、また帰庫してから内省する機会ができるからです。
毎日続けて、量を重ねれば、それは必ず質に換わります。
次回は6月11日(火)更新予定です。
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