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第7回 人事評価制度の目的
会社の制度は、次の四つに分かれます。
● 経営トップの方針を示す制度
● 経営トップの方針を意識に刷り込む制度
● 会社の成長を支える制度
● 会社を守る制度
人事評価制度の構築・運用の目的は、経営トップの方針を、組織内に示すことです。経営トップの方針は、イコール組織構成員の行動指針だからです。人事評価制度で方針を示し、賃金制度や昇進・昇格制度、賞与制度で、意識への刷り込みを行ないます。
ですから、評価項目の策定にあたっては、まず経営理念、経営方針を、明確にしておく必要があります。それらを明確にした上で、項目に反映させれば、共通の目的の下に一体化した、強い組織づくりにつながる制度ができます。
例えば、S倉庫社は、行動指針の一つに「〈知識〉より多くの知識を手掛かりに、より高付加価値な仕事を実践しよう」という言葉を掲げています。
その指針に基づき、同社の営業所長の評価項目の中には、次のようなものがあります。
● お客様への訪問・接触頻度を高め、現状把握および課題抽出に努めているか?
● 仕事に役立つ知識習得・自己啓発のために、積極的に読書を行なっているか?
● 業務上必要な情報・ノウハウを部下へきちんと伝え、スムーズな業務遂行を実現しているか?
こういった項目が、所長、所長代理、主任の階層別に定められています。
これらの項目の実行度合いを、定期的に評価することにより、経営トップの理念・ビジョンの実現につなげていくという意向です。
人事評価制度を構築する際には、経営トップの方針とつなげることが、最も重要です。
次回は1月24日更新予定です。
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