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第53回 驚異の客室稼働率
スーパーホテルの客室稼働率は、90%です。
ビジネスホテルの採算ラインと言われる65~70%と比較すると、なんと約20ポイントも上回ります。
この客室稼働率の高さの背景には、リピート率の高さ(71.5%)があります。
スーパーホテルの顧客満足度は、ビジネスホテルを対象とした調査の1泊9000円部門で、1位を獲得するほどで、それゆえ、リピート率が上がっているのです。
しかし、創業者の山本梁介氏は、「リピーターを増やす上で、大切なのは、お客様の『満足』を高めることではない」と言います。
むしろ「不満を徹底的になくすことに集中している」と言うのです。
なぜなら、そのときの満足を高めるために行った行為は、次回から当たり前になるからです。
それよりも、不満をなくし、次回から利用しなくなる理由をつぶす方が、効果的だということです。
船井流業績向上法には、「3回安定の法、10回固定の法」というものがあります。「顧客が同じ店で3回買い物をすると、次回からその店で買う確率が高くなる。10回買い物をすると、固定してその店で買い物をする」というルールです。
不満をつぶし、3回、10回と利用を重ねてもらうことができれば、他へ浮気することのない顧客を、多くつくることができるのです。
スーパーホテルでは、ビジネスホテルには珍しく、スタッフが顧客に名刺を渡して、積極的に話すことで、不満の原因集めに、丹念に取り組んでいるそうです。
不満を取り除くことで、顧客との関係が安定化、固定化できるというのは、どの業界でも使える、普遍のルールだと思います。
書籍:「図解-即時業績向上法―「つき」を呼ぶ船井流原則経営のすすめ-船井-幸雄」(amazon.co.jp Webサイト)
次回は2013年1月15日(火)更新予定です。
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