第19回 人事考課エラー防止のためのワーク

人事考課を公平に行なうのは非常に難しく、技術を要するということは、部下を持つ人なら、お解かりいただけるでしょう。
対象者を全般的な印象で判断してしまって、考課を歪めてしまう「ハロー考課」や、当たり障りのない結果を求めてしまう「中心化傾向」、短絡的なとらえ方で起きる「論理誤差」、考課期間の終わりごろの成果に引っ張られてしまう「近接誤差」などは、よく知られている人事考課のエラーです。

このようなエラーによって、同じ対象者でも、考課者が変われば、結果が違ってしまうという現象が出ます。
つまり、就く上司によって、評価が全く変わってしまう危険性があるのです。

こういった事態を防ぐために、『考課者訓練』では、「普通にやれば、エラーが出やすい」ということを、考課者に、しっかり認識させることが、最終目的の一つとなります。

そのために、私が行なう考課者訓練では、ワークを行ないます。

まず、部門単位でチーム分けをし、そのチームのメンバー全員が、仕事上の言動・成果を知っている社員をピックアップして、実際に考課をしてみます。
すると、見事に、結果が分かれるケースがあります。このとき、各人のものさしを合わせるためのディスカッションをしっかり行ない、エラーについての認識を持たせることが重要です。

例えば、先日考課者訓練を実施したS倉庫社で、M主任を対象に全員で考課したところ、K部長は「○が二つで、×が四つ」でしたが、O部長は「◎が二つと○が四つ」と、大きく結果が違っていました。
◎○×の3段階評価です。座学で、しっかり人事考課のエラーについて習った後でも、このような事態に陥るのです。

ぜひワークを行なってみてください。百聞は一見に・・・一見は一験に如かず、です。

次回は4月17日(火)に更新予定です。

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この記事の著者

株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント

橋本 直行

物流企業の業績アップ専門コンサルタント。ホームページやDMを使った案件発掘マーケティングや、同行営業などの実践的サポートを得意とする。物流企業経営研究会「FUNAIロジスティクスソサエティ」主宰。
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