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第14回 物流品質アップで売り上げをアップさせる
物流戦略・戦術をしっかり練って実行する目的は、コストダウンだけではありません。むしろ、商品力で差をつけるのが難しい今日では、マーケティング効果を狙うという側面が大きいと言えます。
例えば、ネットショップにとっても、物流の品質は、いまや業績を左右する重要な要素となっています。楽天市場で、購入客のクチコミコーナーである「みんなのレビュー」では、配送スピードや梱包の質に関するコメントが多いことからも、その傾向はうかがえます。
そもそも、みんなのレビューの評価項目は、品揃え、情報量、決済方法、スタッフの応対、梱包、配送の六つで、うち二つ(梱包、配送)は、物流に関することなのです。
ですから、楽天市場においては、物流の品質を上げることが、商品の購買率を上げることにつながります。
繁盛ネットショップを運営するMDS(本社:群馬県太田市)は、この物流品質の向上が業績アップにつながるというルールに基づいて、「24時までの注文分は、関東県内翌日到着」というサービスを実施し、売り上げ20%アップ(特に、夕方以降の売り上げがアップ)、および返品率30%ダウンなどの成果を上げました。もちろん、みんなのレビューでの評価も上がっています。
物流戦略・戦術をマーケティングに活かす、好例だと思います。
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