ITとビジネスの専門家によるコラム。経営、業種・業界、さまざまな切り口で、現場に生きる情報をお届けします。
第1回 最高のモチベーションアップ策
給与、賞与、褒賞などのお金で釣るモチベーションアップ策の効果は、ほとんどの場合、長続きしません。
もらったその瞬間は意気が上がるでしょう。しかし、しばらくすると、それがベースになって、通常になるからです。
たとえ経営トップが、社員のモチベーションアップを狙って、多めに賞与を支払ったとしても、思惑通りにはいかないでしょう。それどころか、次の機会に落とさざるを得なくなったときのモチベーションダウンのリスクを負うことになります。
ですから、社員のモチベーションを上げたいなら、永続的な効果が得られる別の方法を採らなければなりません。
その一番の方法は、会社の目的(経営理念、ビジョン)と個人の目的(信念、夢、ビジョン)を一体化させることです。さらには、顧客の目的、社会の目的、地球の目的とも一致していれば、最高です。
例えば、物流企業、S倉庫社の経営理念(目的)は、『価値の発現』です。意味は、「お取り扱いする物品や情報に内在する価値を発現・発展させることにより、豊かな社会作りに貢献する」です。
つまり、倉庫会社として預かる製品・商品が本来持っている価値(作り手や受け手が期待する社会的効果)を最大限発揮できるように荷扱いし、社会に貢献するという意図です。
この経営理念は、当然、同社の独自のものですが、同社社員の方々が強く共感し、「そのためにがんばろう!」と思えたら、ハッピーです。そして、そのがんばる行為が、顧客や社会、地球の発展につながっていると感じれば、よりハッピーになります。「よいことをしている」、「正しいことをしている」、「目的へ向かっている」という気持ちは、最高のモチベーションアップ効果を上げます。
まずはぜひ、貴社の目的と社員の皆様の目的を一体化させるべく、画策してみてください。
次回は「ハローワーク活用のポイント」をお届けします。(12月13日更新予定)
次の記事を読む