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第13回 岡目八目の法則
「岡目八目(おかめはちもく)」という言葉があります。
囲碁から出た語で、意味は「事の当事者よりも、第三者の方が情勢や利害得失などを正しく判断できること」です。「碁をわきから見ていると、実際に打っている人よりも、八目も先まで手を見越す」という意味から、来ています。「傍目八目」とも書きます。古くからある四字熟語ですが、真理を突いていると思います。
岡目八目が、真理だからこそ、我々コンサルタントのような職業の存在意義があります。その企業の中にいると、自社の実力や置かれている環境を正しくとらえるのは、なかなか難しいと言えます。そして、もちろん我々も、自分自身のことを正しく判断するのは難しいのです。だから、船井総研社内では、それぞれの企画や計画を持ち寄って、相互に意見を交換し合う会議が、活発に行なわれています。
例えば、セミナーについても、主催者がプレゼンした企画に対して、上司・部下、先輩・後輩に関係なく、忌憚のない意見をぶつけていく機会を設けています。「岡目八目の法則」の活用です。こういった会議では、アドバイスを受ける側は、盲点に気づけて、とても得をします。しかし、実は、アドバイスする側にもメリットがあります。他人のことはよく視えるので、自分自身の戦略思考を鍛えるのにも、とても有効なのです。
ですから、主催のセミナーや勉強会でも、よく参加者の方同士がアドバイスをし合うワークショップを行ないます。各自が戦略・戦術についてプレゼンした内容に、他の方がコンサルタント役になって意見を言うのです。
「岡目八目の法則」の活用は、相手にとっても、自身にとっても、多大なメリットがあります。
次回は3月6日(火)に更新予定です。
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