第45回 定例会の意義

アウトソーシングの受託企業が、顧客にメリットを享受させ、関係を強化していくためには、定例会の開催が、必須です。
受託業務の内容によりますが、月次や隔月の頻度で、顧客とひざを突き合わせて、現状のシェアとディスカッションをすることには、大きな意義があります。
例えば、物流アウトソーシングの顧客から見た定例会の意義は、以下のとおりです。

  1. 物流品質の向上・維持
    破損率、誤出荷率、在庫差異などの予実データをまとめ、課題を挙げて、一緒に改善を図っていきます。
    物流品質の向上は、納品先(顧客の顧客)の満足度向上に寄与し、コストダウンにもつながります。
  2. コストダウン原資の創出
    優秀な物流アウトソーシング企業は、往々にして、業務を請け負ってから一定の期間後、値下げの提案をするものです。
    その原資は、お互いの協力による改善活動から得られます。
  3. マーケティングデータの取得
    商品別の在庫量と出荷頻度、在庫回転率といった指標のレポートは、顧客の営業部門の戦略策定の有効な基礎データになります。
    どのようなデータが必要か、あらかじめ当該部門と打ち合わせをしておくべきです。
  4. 仕入交渉のネタの取得
    入荷(検品)時の不具合を記録することにより、顧客が仕入先と仕入れ条件の交渉をする際に、有利に働くデータとなることがあります。
    例えば、入荷破損などの場合は、件数、数量、金額だけではなく、写真も残しておくとよいでしょう。
  5. コミュニケーション濃度の向上
    定期的にミーティングを持つことにより、普段のやりとりもスムーズに行くようになります。
    何かあったときに、声をかけやすく、問題があっても小さいうちにつぶすことができ、円滑に業務が回ります。

これらが得られる限り、関係が切れる確率は低いと言えるでしょう。

次回は10月23日(火)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント

橋本 直行

物流企業の業績アップ専門コンサルタント。ホームページやDMを使った案件発掘マーケティングや、同行営業などの実践的サポートを得意とする。物流企業経営研究会「FUNAIロジスティクスソサエティ」主宰。
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