第3回 坂本龍馬に見る「理念の明確化」

坂本龍馬が好きだ。
一昨年の大河ドラマからの流れでにわかファンが増えているが、そういう人たちと一緒にしてもらっては困る。
司馬遼太郎氏の「竜馬がゆく」と出会ったのは中学2年生の時。
それ以来 “りょうま” という言葉の響きが聞こえるだけで異常にテンションが上がるくらい好きだ。

仕事柄、悩みを聞くことが多い。
経営者から営業マンまで色々な人の悩みを聞く。
よく言われることだが、「考える」ことと「悩む」ことは違う。

私なりに定義するとこうなる。
・考える=『目標から逸脱した現状をどうすれば目標に近づけることができるかを模索する行為』
・悩む=『目標も現状も見失い、「どうしよう、困った、何も考えられない」と右往左往する行為』

考えている人に対する時、私は一緒に考える。
原因や真因を突き止め、それを除去する方法を考える。

一方、悩んでいる人には、悩みとは全く関係ない話をすることにしている。
できればその人が好きなスポーツの話とか、芸能人のことだとか、そういった方がいい。
そうすると気づいてくれる。
自分の悩みなんて、しょせん、「宇宙の中の、銀河系の中の、太陽系の中の、地球の中の、日本の中の、○○県の、○○社の自分」のちっぽけなものなのだ、ということに。
そして、思い出す。
自分が「何を目指しているのか」を。

坂本龍馬にとって明治維新は、おそらく片手間だったのだと思う。
片手間だったから、大政奉還を発想したし、新政府構想(船中八策)を立てることができたのだろう。
尊王とか攘夷(じょうい)とか倒幕に凝り固まった志士たちには手品に見えただろう。
でもおそらく龍馬にとってはその発想は、当たり前だった。
なぜなら、彼が目指していたのは、上士、郷士の差別なく、だれでも好きな職業に就ける世の中を創(つく)ること、そして世界の海を駆け巡ることだったのだから。

私が提唱している可視化経営フレームワークでは、その第一ステップで、自社の経営理念を明確にする。
経営理念は、天空に輝く北極星(究極の夢)だ。
そして北極星を段階的に現実的な目標(ビジョンマップ、戦略マップ、戦術マップ)へと引き寄せる。

このステップ、実は企業だけではなく個人にも当てはめることができる。

今、悩んでいる方は、いったんその悩みから離れて、ご自身の人生理念を考えてみてください。
すると、おぼろげに目標が見てくるはずです。
そして、目標と現実とのギャップを埋めるために考え始めている自分に気づくはずです。

次回は8月16日(金)の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社NIコンサルティング

清永 健一

神戸大学経営学部卒業後、放送通信会社に勤務。法人向け、個人向けなど様々な営業でトップ成績を維持し、課長職として20名のマネジメントを経験。その後、大手金融機関系コンサルティング会社を経て、NIコンサルティングに入社。約80社の企業の業績向上を支援している。
中小企業診断士、生涯学習開発財団認定コーチ
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