第3回 社長!ITに目覚める!

ERPの導入を検討されるお客様の目的は、決算早期化、データベースの一元化(もしくは、社内にあふれている様々なサブシステムの統合)で、2重データの廃止、上場準備の為等々、多種多様です。

ある中堅大手食品製造のお客様は、成長著しく、既に自社のブランドを確立されていましたが、その社長からの依頼は「これから事業拡大をしていく上で、ドンドンM&Aをして規模を大きくしたい。その為には、買収した企業の管理にITを駆使しない手はない。そういった会社を買収しても、パソコンを持ち込めば、一定の管理ができるシステムを頼めないだろうか?」との内容でした。

「どんな企業を買収するのですか?」の質問には、「川上から川下までだから、原材料の輸入商社、同業の食品製造会社であったり、外食チェーンのフランチャイズまでだな・・・まあ、いろいろだよ!でも、ウチ、お金ないからね。大塚商会さん!食品製造業が儲からないことは、知ってるでしょ!だから頼むよ」と、いつもの調子の社長。

社長の口癖は「ウチみたいな会社は、現場が全て。僕が、コンピュータの画面を見るようになったらおしまいだよ。だから、パソコンは僕の机には要らないよ!」という、現場至上主義です。そんな社長から「M&A」や「IT」というセリフが出てきたのには驚きましたが、どうも本気のようです。

前提条件が、定まらないのに、システムを導入するのは如何なものか?SEと一緒に考えた解決策は、企業における管理のしやすさの法則「お金→モノ→人」に則って、簡単な、会計を中心としたシステムにして、そこに日報管理のシステムを付加して入れよう・・・との話にしました。

アイデアとしては良いものでした。製造会社であれ、外食であれ、会計伝票の起票はしますし、受発注業務は間違いなく毎日の仕事のはずです。外食産業で日報のない形態は想像できません。それが食品製造卸売であれば、そのまま、現行導入のERPシステムのWeb端末を使って頂ければ良いだけです。さらに、複雑な処理があれば、その買収された企業にも、既存システムがあるのだから、そのデータをインポートできる機能を複数用意しようということになりました。

さて、お客様に満を持してトッププレゼン!社長には喜んで頂けました。しかし、一言。「操作が難しい感じがする。だいたい、僕なんかもそうだけど、食品会社のトップや、そこで働いてる人は、おいしいものをつくることには、気合いが入るんだけど、会計伝票なんか、どう仕訳入力するのか?って言われると、力抜けてしまうからね?だから、もっと簡単にしてよ・・・」との話。

「どうしようか?」とSEと相談。「今後M&Aされる企業は、多様ですが、そういった様々な業態で発生するであろう会計の仕訳パターンの中で、日時処理に必要なものを、仕分けを意識しないでもエントリーできる何種類かのパターンプログラムにしてみようよ。」ということになりました。そして、事前準備万端で、再度プレゼン。

もちろん、お客様の評価は高く、即導入が決定しました。社長も満足したのか、「これからバンバン行くぞ。」と強気です。ですが、そういった拡大傾向が、景況感と共に厳しい展開になりました。思ってもいない逆風です。でも、社長はへこたれません。「おいしいものをつくってたらお客様は評価してくれる。」でした。

そんなある日、社長室にお伺いすると、そこには、パソコンのディスプレイとにらめっこしている社長が・・・。「何も言うな!」と機先を制して社長が、「これだけ会社が大きくなったら、やっぱり細かなデータ見ないと、経営は難しい。原材料があれだけ乱高下したら、しっかりデータを見るしかないなあと・・・でも大塚商会さん!便利な箱ですね!コンピュータは・・・」と、すっかり笑顔でした。さすが、逞しい社長!「これからもよろしくお願いします。」とこちらも笑顔で答えると。「まあな!」と照れ臭そうに返事を返されました。

次回は4月16日の更新予定です。

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