第9回 【補助金提案実践編】ボイラーの補助金提案で他社の提案をひっくり返す!?

「エネルギー使用合理化事業者支援事業」と呼ばれる、国から出される補助金の中で一番使い勝手がよく、獲得しやすい補助金の一次募集※が間もなく終わろうとしていますが、皆様はうまく活用できていますか?
うまく活用できなかった…という方はこれからご紹介する事例を参考に、二次公募以降はしっかりと活用いただければと思います。

私は年間200件近く、私のご支援先(クライアント)である設備工事業のお客様と全国の工場や病院、ホテルなどの事業所を回り、省エネ提案活動を行っています。
先日も関東地方のとある工場の省エネ診断を実施したのですが、その時に補助金提案をうまく活用し、1,500万円近くのボイラーの更新工事を他社からひっくり返し、案件化させることができました。
それでは具体的に私がどのように提案を行ったのか解説します。

こちらの工場では貫流ボイラーが4台あり、内2台の更新工事を検討されていると事前情報を得ていました。
私のご支援先は設備工事業ですから、ボイラーの更新は本業です。この工事も確実に受注したいと考えていました。
しかし、到着して先方の担当者から開口一番「ボイラーの更新、業者決まりました」と…。
せっかくの受注機会だっただけに、隣に座っていらっしゃったご支援先の担当者からはそのショックの大きさを感じ取ることができるほどでした。

しかしそんな時だからこそ冷静に一言、「その業者は補助金提案されましたか?」と尋ねたのです。
お客様の答えは「No」。
聞くと、受注の内定が出ていたのは近所の設備工事業者で、日ごろからお世話になっているものの、全くそのような提案はないとのことでした。
そこで私たちは「エネルギー使用合理化事業者支援事業」をご紹介しました。
そして、以下の補助金活用案を2案提案したのです。

(案1)補助金を活用して浮く費用(イニシャルの1/3)を利用し、2台ではなく、3台分のボイラーを入れ替え。
(案2)補助金を活用して浮く費用(イニシャルの1/3)を利用し、ボイラーの更新だけでなく、付帯設備として取り付けることで蒸気の質を変え、燃焼効率を向上させる装置の導入。

お客様からすれば両方の提案が非常に魅力的だったらしく、「こんなによい提案を聞いたら、もう前の業者には頼めないよね」と言っていただけたのです。
そしていま、最終の判断をいただいているところです。

設備工事業は補助金をうまく活用するだけで完全に差別化できます。
むしろ今回の事例のように、補助金情報くらい押さえ、提案できないようであればじわりじわりとお客様は離れていくでしょう。

※一次公募期間:2013年5月22日~6月21日

次回は7月18日(木)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社船井総合研究所

林 信吾

熊本県出身。国立熊本電波工業高等専門学校(現:熊本高専)卒業。早稲田大学大学院 環境エネルギー研究科修了。船井総研入社後はIT企業、環境系産業財・生産財企業(製造業・商社)のマーケティング・営業戦略構築に携わる。その後、環境エネルギー分野のコンサルティング業務に着手し、排出権取引、異業種からの環境エネルギー分野参入のためのビジネスプロデュース活動などを手がける。現在は電気工事業(設備工事業)の省エネ・節電ビジネス参入支援に注力している。

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