消費税改正と軽減税率対応

消費税は2014年4月に8%に引き上げられ、さらに2019年10月に10%へ引き上げられる予定です。軽減税率やそれに伴うインボイス方式への対応など、今から備えておくべきことについて解説します。

* 本ページは2016年6月時点の情報を掲載しています。

消費税改正の概要

2012年8月に「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」により、消費税法の一部が改正され、消費税率の引き上げが決まりました。2019年10月には10%へ引き上げられ、それと同時に軽減税率の導入も予定されています。

二段階の消費税率引き上げ

2014年4月1日に8%となった消費税は、2019年10月1日に10%に引き上げられます。

軽減税率とは

標準的な税率とは別に、低い税率を設けることです。生活必需品である食料品などを低い税率(軽減税率)にすることで、低所得者の負担を軽減します。軽減税率が導入されると、8%変更時よりも業務やシステムに与える影響は大きくなります。

インボイス方式

軽減税率が実現する場合、商品ごとに税率が異なるということになります。複数税率で正しい仕入れ税額計算をするため、請求書などに商品ごとに適用税率と税額とを記載する「インボイス方式」が採用されると見込まれています。

現行方式とインボイス方式との違い

インボイス方式とは、「インボイス」という適用税率や税額など法定されている事項が記載されている「書類」を用いて消費税額を計算・納付する方法です。商品ごとに何%の税率を適用したかを明確にするため、販売業者が税率や税額を記入した明細書(インボイス)を発行、仕入れ業者はそれに基づき、仕入れ税額控除を行います。

現行の「請求書等保存方式」では、大まかな品目と税込み価格などが記載された帳簿や請求書を販売業者が保存し、合計額から消費税を計算しています。税率が一律の場合はこちらの帳簿方式の方が税率計算は簡単ですが、商品ごとに税率が変化する複数税率の場合は、適用税率や税額が記載されているインボイスがないと適正な仕入れ税額の計算は困難です。本方式の採用で事業者の事務負担が増大することから、導入は2021年4月からとなる見込みです(インボイス導入までの準備期間は「軽減税率の導入決定から5年間」)。

インボイス導入までの「簡素な経理方法」

2019年10月の軽減税率導入までにインボイスを作成するための事業者側の準備が間に合わないという声を受け、政府はインボイスの導入に猶予期間を設け、その間のつなぎとして簡素な経理方法の検討を進めています。

「簡素な経理方法」とは、現行の請求書をベースに軽減対象品目に印を付けて商品ごとの税率が分かるようにし、納税額を計算できるようにするものです。インボイスより記載項目は少ないですが、従来の事務作業と比較すると商品を税率ごとに分けて扱う手間がかかります。

中小事業者への負担に配慮する「みなし課税」

中小事業者にはさらに税額計算を簡単にする「みなし課税」が導入される見込みです。売上高5,000万円以下の事業者には、現在仕入れ額に対しみなし課税を行う「簡易課税制度」がありますが、売上時に「みなし課税」を行うことが特徴です。

「みなし課税」では税額を正しく計算できないため、納めるべき消費税が事業者の手元に残る「益税」が増える恐れがあります。中小事業者の負担に配慮した「つなぎ」の経理方法となり、数年後にはインボイス方式に移行することが決められています。

<年間売上高と消費税の計算方法>

1,000万円以下:免税

今も消費税の納税を免除されており、軽減税率導入後も経理のやり方は変わりません。

1,000万円超~5,000万円以下:みなし課税

税率ごとに売り上げを分けることが難しい場合は、10日間の売上実績に占める軽減税率対象商品の割合を調べ、それを基に年間の税額を算出してもよいとされています。軽減税率対象品目を主に販売している事業者で、10日間の売り上げを調べることが難しい場合は、売り上げの半分を軽減対象商品とみなして計算してよいとされています。

5,000万円超:通常の方法

税率10%の商品と軽減税率対象の商品の売り上げを分けて、それぞれに税率をかけて税額を算出します。

経過措置

これまでも消費税増税時には、経過措置が採用されていました。消費税の税率は、全ての取引について施行日に一律に引き上げられるのではなく、取引の実態、契約の実態などを踏まえて一定の取引については、施行日以後についても従前の税率を適用する経過措置が設けられています。経過措置については、消費税率引き上げ予定日である「施行日」と、その半年前の「指定日」が重要なキーとなります。原則として指定日前に契約を締結したものが経過措置の対象となり、10%への税率引き上げに伴う経過措置の指定日は、2019年4月1日とされています。取引形態に応じてさまざまな経過措置があり、自社の業務に合わせた確認が必要です。また消費税が関わるシステムの対応も、指定日である2019年4月1日までに完了させる必要があります。

スケジュール

経過措置への対応を考えると、システムの準備は2019年4月までに済ませなければなりません。スクラッチ開発・レガシーシステム利用のケースでは、特に早急な検討が必要です。またパッケージシステムをご利用の場合も、消費税対応に向けた機能強化スケジュールの確認をされることをお勧めします。

システム対応のチェックポイント

消費税増税に伴い、今お使いのシステムの対応について確認が必要です。特にチェックすべきポイントは以下の5点です。

  • 税率二桁対応

    消費税が初めて二桁になります。

  • 経過措置対応

    税率が10%になった後も、一定の取引については増税前の税率を適用します。

  • 複数税率対応

    増税前の適用税率8%、軽減税率8%、増税後の10%が混在します。

  • 商品副税率対応

    同一商品でも「イートイン」か「テイクアウト」かにより税率が変わる可能性があります。

  • 請求書対応

    軽減税率対象品目とそれ以外を区別できるように記載します。

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