RPA導入成功の秘けつに迫る

RPAの最新動向:中堅企業での導入が今後本格化

近年急速に普及が進むRPA(Robotic Process Automation)。RPAロボットであるデジタルレイバー(仮想知的労働者)が定型業務を請け負い、自動化することで業務の効率化を図ります。本インタビューでは池邉 竜一氏(キューアンドエーワークス株式会社 代表取締役社長)を迎え、今後RPAの導入が本格化すると見られる中堅企業での導入を想定し、RPAの最新動向、成功事例、導入時の注意点、今後の展望にわたってお話を伺いました。

プロフィール

キューアンドエーワークス株式会社 代表取締役社長

池邉 竜一 氏

慶應義塾大学経済学部卒業。1999年7月に人材派遣業の株式会社アークパワーを設立。2001年4月、同社代表取締役就任。2013年4月、キューアンドエーグループ傘下(NECネッツエスアイ連結対象会社)となり、2015年7月、キューアンドエーワークス株式会社に社名変更。2016年7月、一般社団法人日本RPA協会の理事に就任。RPAに関する幅広い経験に基づき、『デジタルレイバーが部下になる日』(日経BP社)を執筆。デジタルレイバーがもたらす未来の働き方について、余すところなく紹介した一冊として注目を集めています。

『デジタルレイバーが部下になる日』(RoboRoidサイト)

RPAの最新動向

近年普及が進んでいるRPAの最新動向についてお伺いしました。

RPAに対する熱が最も高まっている国、日本

グローバルの視点から日本におけるRPAの普及状況についてお聞かせください。

RPAという言葉は2016年から一般化し、米国、ヨーロッパ、日本などの地域で同時多発的にブームが到来しましたが、2018年現在で最も熱が高まっているのは日本です。

米国は合理主義で無駄な仕事を避ける傾向にあり、もともと自動化が進んでいます。ヨーロッパもペストの流行による人口減を経験していることから、やはり自動化が進みました。

一方日本人は「コツコツ」と働くことを美徳としていることから、定型業務を真面目にこなす文化があります。しかし、近年は安倍内閣が推進する「働き方改革」の影響と人材不足の状況が相まって、定型業務については人以外の力に任せることができるということに気が付くようになり、RPA市場が活性化してきました。

中堅企業では売り上げ向上につながるアイデアが重要

業種や企業規模によって導入状況は異なるのでしょうか。

業種について

ビジネス界全体で人手不足という課題を抱えており、人に頼らない業務設計にシフトしたいという要望が高まっています。よって、さまざまな業種でRPAの普及が進んでいます。特にグローバル企業、BPO関連企業、金融関連業界においては顕著です。

グローバル企業は国や地域によって業務手順やルールが異なると管理が難しくなるため、グローバルコンサルティングファームのサポートを受けながら、グローバルで共通の業務手順を整えています。

BPO関連企業は、顧客企業の業務を切り出す際に業務手順を定型化する必要があります。金融企業は、不正防止の観点から業務の定型化が進んでいます。いずれの場合も業務の平準化が進んでいたことから、業務をRPAに置き換えやすかったのです。

企業規模について

規模に関しては、大手企業ほどRPAの導入が進んでいます。規模の大きい大手企業ほど定型業務のボリュームが大きく、コストメリットにつながりやすい傾向にあるからです。

一方中堅企業でのRPA導入はこれからだと思っています。中堅企業の場合はスケールメリットが小さく、RPAによるコスト削減よりも、RPAのライセンスフィーの方が上回ってしまう可能性があります。そこで中堅企業では、コスト削減だけを目的にするのではなく、これまで人手ではカバーしきれなかった業務への適用を検討することが求められるでしょう。

例えば、とある中古車販売企業では、通常の店頭での展示販売以外に、国内の中古車の仕入れ情報をWebサイトから見つけ出して、海外に輸出するという事業でRPAを有効に活用しました。

仕入れ情報は3名の担当者が朝9:00~10:30までの間にWebサイトを調べていましたが、限られた時間では3種類のWebサイトしかチェックできませんでした。しかし、RPAを導入したことで、20種類のWebサイトを確認することができるようになり、売り上げが3倍ほどに増加しました。

3名の担当者は展示販売の業務にも携わっていたため、Webサイトの確認作業は開店前の時間にしか行うことができませんでしたが、デジタルレイバーであれば24時間いつでもチェックすることができます。つまり人が行うことを前提とした業務設計で発生する「ムリ、ムダ、ムラ」をRPA化することで排除することができるのです。

人が行う業務を単純にRPAに置き換えるのではなく、デジタルレイバーだからこそできる業務設計にアイデアを絞り、売り上げ向上につなげるという考え方が中堅企業には求められるでしょう。一般的にRPAではデジタルレイバーを何体作ってもライセンスフィーは変わりませんので、そのメリットを生かしきることが大きな効果につながるのです。

RPAの得意領域とは

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そうしたアイデアを考えるうえでの参考になるような事例はほかにもございますか。

例えば、ECサイトに出店した場合、メールに添付されているファイルの見積り金額と写真を管理画面で登録するという作業が必要になるケースがありますが、この作業は人手を要します。また管理画面にログインする際にIDとパスワードが求められますが、その入力も人が行う必要があります。

RPAを活用すれば、このような一連の作業を自動化することができます。つまり、RPAにECサイトの店長の役割を与えることによって、24時間対応することができるようになるのです。

また競合サイトの金額をクローリングして、その結果に応じて自社サイトの金額を変更するといったことも自動化することができます。さらに従来電話での対応を基本としていたところ、RPAによるメール対応に切り替えることで、24時間対応を可能にしたという例もあります。

つまり、週休2日8時間労働である人間には限界があった作業を24時間365日働けるRPAに置き換えることで、売り上げの向上を見込むことができるのです。大企業のマンパワーでしか実現しなかった業務形態を、人数の限られる中堅企業が実現することも夢ではありません。

クラウド基盤の普及に伴いRPAが活躍する場面が増加

RPAの技術的な側面からの動向についてお聞かせください。

近年クラウド基盤が普及し、ERPをはじめとしたシステムをフルスクラッチで開発するケースが減少し、既存のパッケージソフトウェアやサービスを活用する傾向にあります。

このような背景から、世の中で業務やシステムの平準化が進み、そうした環境へのRPA導入がしやすくなっています。このこともRPAの普及を後押ししていると思います。

基本的にRPAは、情報をデータベースに「インプット」すること、データベースから「アウトプット」すること、さらに別のシステムと「連携」すること、この三つの作業を行っています。

近年では、異なるシステム間であっても、APIを使用してスムーズな連携ができる環境が整ってきました。しかし、そうしたデータの入出力こそRPAの活躍できる場です。このような遮断された部分の連携をRPAが担っていくといえるでしょう。

例えば、本部の基幹業務システムと店舗で使用するExcelデータやクラウド上で稼働する業務システムを連動させたいという場合、通常は連携部分を手動で補うか、大掛かりなシステム改修を行う必要があります。こういったケースでRPAを活用すると、自動連携の仕組みを手軽に開発することができ、業務効率を改善することが可能になるのです。

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