白ナンバー事業者のアルコール検知器義務化

2021年11月に道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令が公布され、白ナンバー事業者のアルコール検知器による検査が義務化されることになりました。当初2022年10月より実施される予定だったところ、同年9月に警視庁より検知器の供給量が追いついていないことから当分の間規定の適用は行わないこととすると発表されていましたが、2023年12月1日からの適用が発表されました。
このページでは、制度改正の概要や対応のポイントのからおすすめのアルコールチェッカーまで詳しくご紹介します。

概要

警察庁では、2021年6月におきた千葉県八街市での白ナンバートラックによる飲酒運転事故を受け、「白ナンバー」のトラック・車両等を一定の基準を満たし保有する事業者(安全運転管理者選定事業所)に、アルコール検知器の使用を義務づける「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令」を公布。(2021年11月10日公布)

安全運転管理者の業務として、下記を新たに定めることなどを内容とする道路交通法施行規則の一部を改訂しました。

  • 運転前後の運転者に対し、酒気帯びの有無について、当該運転者の状態を目視などで確認するほか、アルコール検知器を用いて確認を行うこと
  • 上記の確認の内容を記録し、当該記録を1年間保存すること
  • アルコール検知器を常時有効に保持すること

対象となる事業者

  • 自動車を5台以上(自動二輪車1台は0.5台で計算)使用している場合(自動車は白ナンバー、黄色ナンバーを問いません)
  • 定員11人以上の自動車を1台以上使用している場合

安全運転管理者の業務

2022年4月より、段階的に業務が増えます。

~2022年3月31日2022年4月1日~2023年12月1日~
(1)運転者の適正などの把握(1)運転者の適正などの把握(1)運転者の適正などの把握
(2)運行計画の作成(2)運行計画の作成(2)運行計画の作成
(3)交替運転者の配置(3)交替運転者の配置(3)交替運転者の配置
(4)異常気象時などの措置(4)異常気象時などの措置(4)異常気象時などの措置
(5)点呼と日常点検(5)点呼と日常点検(5)点呼と日常点検
  (6)アルコール検知器を用いた運転前後の酒気帯び確認
 (6)運転前後の酒気帯びを目視で確認。チェックの記録(1年)(7)アルコールチェックの記録(1年)と常時有効性確認
(6)運転日誌の備え付け(7)運転日誌の備え付け(8)運転日誌の備え付け
(7)安全運転指導(8)安全運転指導(9)安全運転指導

よくあるお問い合わせ

対象の5台以上は、会社全体?

事業所単位になります。(安全運転管理者認定事務所)

メディアなど多くで、「白ナンバーのアルコールチェック義務化」と報道されています。当社の場合、ほとんどが軽自動車の黄色ナンバーです。その場合もアルコールチェックは必要なのでしょうか?

「白ナンバー」というのは、いわば俗称です。正確にいえば、「安全運転管理者選任事業所における、安全運転管理者による運転者へのアルコールチェック義務化」となります。従いまして、軽自動車でも安全運転管理者選任事業所であれば義務となります。

今回の法改正でアルコール測定をする対象は、トラック、トレーラーなどの車両のみでしょうか? それとも、社用車全てが対象となるのでしょうか?

安全運転管理者選任事業所であれば、社用車を使用した運転が対象となります。車種や車格、用途を問わず、アルコール検知器を使用しなければなりません。

当社の車両は、自社所有ではなくリース車両になりますが、対象になりますか?

安全運転管理者選任の基準となる自動車は、使用する全ての自動車(リース車両を含む)をいいます。

同一人物が1日に複数回出発・帰社する場合、その都度アルコールチェックを実施するのでしょうか?

必ずしも個々の運転の直前または直後にその都度行わなければならないものではなく、運転を含む業務の開始前や出勤時、および終了後や退勤時に行うことで足ります。

通勤は関係ないのでしょうか? 勤務中だけの規則でしょうか?

今回の改正は、「業務の運転前後」がアルコール検査の対象となります。しかしながら、「酒気帯びマイカー通勤」というリスクは残ります。

アルコール検知器の種類

アルコール検知器は、大きく分けて業務用と民生用とがあり、民生用と定義される検知器が数多く、市場に普及しつつあります。しかしながら、使用される検知器の性能や運用面において幾つかの問題が顕在化しています。

民生用検知器(安価なハンディータイプ)の多くは、センサーの精度や寿命についてユーザー側がよく理解したうえで、定期的に校正や買い替えを行う必要がありますが、現状は利用者側にこうした認識は不足しているのが現状であります。さらに、吹きかけ方や風圧によって測定値にバラつきが生じてしまうことや、不特定多数の乗務員の方が息を吹きかけることでインフルエンザや風邪など、感冒症がまん延する可能性があります。

 業務用検知器民生用検知器(ハンディータイプ)
吹きかけ方専用マウスピースで吹きかけます。
呼気のみが機器内に入るので、正確な値が取れます。
チェッカーに向かって吹きかけるので、吹きかける距離や勢いで機器に入る呼気の量が変わってしまう場合があります。
記録印字やPC出力で結果を残せます。
第三者の確認が簡単です。
チェッカーに数値が表示されますが、一定時間で消えてしまうものが多いため、測定者の自己申告になってしまうケースもあります。
ごまかし一定量の呼気が入らないと測定できません。吹きかけなくても一定時間でアルコールを検知しなければ、ゼロと表示されてしまうものもあります。
保守定期的な点検により精度を保ちます
費用は発生しますが、長く安心してご使用いただけます。
(1年経過もしくは7万回測定した場合のどちらか早い方)
売り切りのものが多く、そういった商品には点検がありません。また、使用回数が定められている場合も多いです。
(例)使用期限5,000回の場合、50人が1日2回測定したら50日で寿命となってしまいます。
センサー燃料電池式センサー」という原理を用いています。

燃料電池式センサー

【原理】
アルコールガスの量により、生じる電量が異なり、その電量からアルコール濃度を算定する
【利点】
低濃度~高濃度まで感知可能、検出精度が高い、長寿命である
【欠点】
高価格
半導体式」というセンサーのものが大半です。

半導体式センサー

【原理】
アルコールガスの吸着により半導体の導電率の変化として検出する
【利点】
低濃度での感度が大きい、長寿命である、耐久性に優れる
【欠点】
数値にバラつきが多い、メーター表示が困難、アルコール以外のガスにも反応する
  • * ここでは比較のため、業務用検知器をサンコーテクノ株式会社製のST-3000とさせていただきます。

大塚商会が推奨するアルコール検知器

マルチベンダーの大塚商会だから、さまざまなメーカーからお客様に合った検知器をご提案します。事業規模(発展)に合わせてステップアップも可能です。

主に事業所のみでチェックする場合

まずはこの1台から(アルコール検知器単体)

主に事業所のみでチェックされる企業様向け。
乗務前後(勤務前後)にチェックし、点呼簿などに結果を記入していただく方法に対応します。また、ST-3000、ST-2000は記録紙での保存も可能です。

測定結果もらくらく管理(PC管理)

主に事業所のみでチェックされる企業様向け。
乗務前後(勤務前後)にチェックし、PCに検知記録が残せます(全ての記録要件を満たすわけではありません)。また、外出時にはFC-1200で測定。帰社後、データをアップロードします。

外出先での測定が必要な場合

主に外出先でチェックされる企業様向け。
乗務前後(勤務前後)にチェックし、Web上でデータ管理ができます。

離れた事業所の測定データを、本社にて一括管理したい場合

主に事業所のみでチェックされる企業様で、複数拠点をお持ちの企業様向け。
各拠点で、乗務前後(勤務前後)にチェックした検知記録を、本社で閲覧・確認できます。

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