ペーパーレス化におけるツール導入時のポイントと注意点は?

ペーパーレス化を成功するためには、適切なツールを導入することが非常に重要です。もしもツールの選定に失敗してしまった場合、ペーパーレス化が進みにくくなってしまうほか、無駄なコストが発生するなどのリスクが高まってしまいます。
今回はペーパーレス化の導入とその後の運用を成功させるうえで、知っておくべきポイントと注意点のほか代表的なツールとその製品名と特徴を解説します。

ペーパーレス化に伴いツール導入を行う際のポイント

ペーパーレス化を実現するためのツールは多種多様です。まずはそれらを導入する際、重視すべき四つの共通ポイントについて紹介します。

目的に合ったツールを選定する

ペーパーレス化を達成するには、必要なツールを選定することが大前提です。ただ、業務効率化、多様な働き方の実現、コスト削減、制度や法律への対応など目的によって導入すべきツールは大きく異なる可能性があります。
そのため、まずはペーパーレス化を図る目的を明らかにしてから、効果の高いツールの候補をピックアップしなければなりません。

導入済みのツールと連携できるか確認する

社内で使用しているツールが既にある場合、ペーパーレス化のために新規導入するものと連携できるかが重要になります。既存のツールとデータ連携が可能な場合、作業の効率化や教育、マニュアル作成の負担軽減などが図れるほか、導入コストの低減も期待できます。
また、ワークフローの簡略化につながるので、誤入力や誤送信といったヒューマンエラーも防ぎやすくなるでしょう。

使いやすいツールを選ぶ

ペーパーレス化のためのツールを円滑に運用するためには、「使いやすさ」にもこだわりましょう。多機能なツールであっても使用方法が複雑だと、現場の負担が増加して新しいワークフローに慣れるまでにかかる時間が長くなる可能性が高まります。
その結果、ペーパーレス化のメリットを得られにくい環境になってしまい、プロジェクトそのものを見直さなければならない事態も陥るケースも考えられるので、しっかりと備える必要があります。

ツールを提供する事業者のサポート体制を確認する

ツールを提供する事業者から受けられるサポートの内容も、導入後の運用を円滑に行うためには大切なポイントです。
サポート体制は事業者によって千差万別です。例えば、電話での対応が24時間可能であったり、導入マニュアルを提供してくれたりする業者もありますが、サポートデスクが海外に設置されているため、満足な支援を受けられなかったという事例も少なくありません。
どのようなツールであっても現場に定着するまでは、担当者だけでは対処しきれないトラブルや質問・疑問などが発生するリスクがあります。そのため、障害などのエラーが発生した際にすぐに連絡が取れて、早期の業務を再開につなげられる事業者が望ましいでしょう。

ペーパーレス化のためにツールを導入する際の注意点

ペーパーレス化を実現するためには「円滑な運用」と「リスク対策」を徹底しなければなりません。そのために注意すべき二つのポイントを紹介します。

一度に多くのツールを導入すると混乱を招く恐れがある

ペーパーレス化には複数のツールを運用する必要があります。ただ、実際に導入するツールは段階的とし、ペーパーレス化の効果やツールの定着の程度を確認しながら進めることが大切です。
仮に情報共有ツール、Web会議ツール、ストレージサービス、電子署名、勤怠管理ツールといった多くのツールを同時に導入してしまうと、複数のワークフローを一度に変更せざるを得ないため、現場が混乱してしまう可能性が高まります。
その結果、ツールの導入前よりも業務が遅くなってしまうほか、作業者の負担が増えてペーパーレス化の推進が難しくなるケースも考えられます。

リスクに対する意識が低いとデータの流出が起こる可能性がある

ペーパーレス化によって紙書類がデジタル化されると、社内ネットワーク外でも業務に関わる情報にアクセスできるようになります。テレワークでの作業や移動中の資料の確認など効率化や利便性が向上する一方、機密情報などのデータ流出のリスクも高まるので注意しなければなりません。
例えば、カフェやコワーキングスペースなどでの作業中に情報を盗聴されてしまった、社用端末を紛失して顧客情報が流出してしまったという事例は多く報告されています。そのため情報の管理と監視体制をしっかりと構築するとともに、従業員の情報リテラシー向上を図るために勉強会などの啓発活動を行う必要があるでしょう。

ペーパーレス化に必要なツールの例

前述のとおり、ペーパーレス化は業務や目的によって導入すべきツールの種類が異なります。その代表的な六つのカテゴリーに対応するツールとサービスをピックアップしたので確認してください。

ワークフローシステム

ワークフローシステムは、データ化した書類を使って申請作業などの作業工程全体をペーパーレス化するためのツールです。稟議、発注、経費精算、契約など幅広い事務作業のペーパーレス化が可能。例えば、稟議であれば申請から決済まで全て同一のシステム上で行えます。

eValue ワークフロー

eValue ワークフローは、稟議などの申請・承認のワークフローをペーパーレス化する「電子申請・承認システム」です。申請書を電子化することで承認プロセスの「見える化」が可能。進捗が一目で把握できるほか、ボトルネックになっている承認者に催促メッセージを送ることもできます。さらに複雑な承認ルートも直感的に構築でき、「代理承認」など日本特有の承認文化にも対応しています。

eValue ワークフロー

ドキュメント管理システム

ドキュメント管理システムはデータ化した書類をデジタルで管理するためのツールです。紙を管理する際、キャビネットやファイルが必要になるとと同様に、デジタルで管理する際は、ドキュメント管理システムがあると便利です。文書を検索出来たり、関係者以外が見られないよう、鍵をかけるのと同様に閲覧権限を設定できます。

eValue ドキュメント管理

eValue ワークフローは、稟議などの申請・承認のワークフローをペーパーレス化する「電子申請・承認システム」です。申請書を電子化することで承認プロセスの「見える化」が可能。進捗が一目で把握できるほか、ボトルネックになっている承認者に催促メッセージを送ることもできます。さらに複雑な承認ルートも直感的に構築でき、「代理承認」など日本特有の承認文化にも対応しています。

eValue ドキュメント管理

楽2ライブラリ クライアントサーバ

幅広い種類の文書を電子化できて使いやすい機能性で、手軽にペーパーレス化に取り組めることが「楽2ライブラリ クライアントサーバ」の特長です。「キャビネットをまるごと電子化」がコンセプトで、画面上には実物と同じデザインのバインダーが表示され、複合機やPCで取り込んだ文書は、グループ内で管理・閲覧、共有が可能。マーカーや付箋をつけることもできます。

楽2ライブラリ クライアントサーバ

電子契約システム

電子契約システムとは、契約に必要な書類を取り交わすプロセス全てをクラウド上で行うためのシステムです。書類の押印、署名まで電子化でき、契約書類をはじめとするさまざまな書面のペーパーレス化につながります。

Adobe Acrobat Sign(アドビ アクロバット サイン)

世界的なソフトウェア開発企業「Adobe」が提供する電子サインシステムです。もちろん、日本の法的要件も満たしており 、社内外の承認・契約のほか工事請負契約、派遣スタッフへの通知書、ローンの申し込み手続きなど幅広いシーンのペーパーレス化が図れます。契約書は法人税法によって「7年間の保管」が義務付けられており、長期に渡り保管が必要です。サービス提供元の企業であるAdobe社の安定性、PDFファイルにおける信頼性等も、ツール選定の重要なポイントとなります。

Adobe Acrobat Sign

クラウドサイン

クラウド型の電子契約サービスで、国税関係の書類のペーパーレス化には欠かせない「電子帳簿保存法」に準拠。法律の専門家の監修のもと、電子署名・タイムスタンプを採用するなど改ざん防止も徹底しています。2020年時点で導入社数が10万社を突破するなど、電子契約市場はトップクラス。取引先がクラウドサインを導入している可能性が高いため、やりとりがスムーズに運びやすいというメリットもあります。

クラウドサイン

情報共有ツール

情報共有ツールは社内コミュニケーションをインターネット上で行うツールです。業務進捗や顧客管理などに伴う文書のペーパーレス化が図れるほか、場所を選ばずにリアルタイムでやりとりできることが大きなメリットです。

LINEWORKS

日常生活で広く使用されている「LINE」の操作性のまま、セキュリティ強化や監査・モニタリング機能などを追加されています。さらに大塚商会では無料の電話サポートや有償の導入サポートメニューを用意。メール設定や他のツールとの連携を支援しています。

LINEWORKS

Teams(Microsoft社)

Microsoft Teamsは、チャットを中心に音声通話、ビデオ通話、ファイルの共有などができるコミュニケーションツールです。特にビデオ通話の品質は高く、背景をぼかすなどプライバシーを保護する機能も搭載しています。また、Word、Excel、PowerPointなどを同時編集できるなど、Microsoft社が開発・提供しているファイルと好相性なのも大きなメリットといえるでしょう。

Microsoft Teams

サイボウズ Office(オフィス)

中小・中堅企業への導入実績が豊富なのが「サイボウズ Office(オフィス)」です。目標や企業理念などの共有に役立つ全ユーザー向けのメッセージが掲載可能なほか、スケジュールや電話メモ、プロフェクトやファイル管理などグループウェア機能を幅広く網羅しています。大塚商会はサイボウズのコンサルティングパートナーであり、ご提案から導入、保守・運用までワンストップで支援しています。

サイボウズ Office

eValue コミュニケーション

掲示板とワークフローを見える化し、業務手順全体の把握と改善が図れる情報共有ツールです。また回覧板機能を使うことで議事録の配信が簡単に行えます。さらにフォルダごとにアクセス権を設定できるので、情報漏洩などのセキュリティ対策も向上できます。

eValue コミュニケーション

Web会議ツール

働き方改革や新型コロナウイルス感染症の流行の影響で、注目を集めているのがWeb会議ツールです。導入することでいつでもどこでも打ち合わせできるだけでなく、使用する資料などのペーパーレス化につながります。

Teams(Microsoft社)

Teamsは、音声・ビデオ・画面共有を使ったWeb会議を場所や所属先を選ばず開催することが可能です。対面での打ち合わせに必要だった交通費や移動時間、印刷代などのコスト削減につながります。

Microsoft Teams

Zoomミーティング

Zoomは世界75万社以上の企業や組織で利用されているWeb会議サービスの大手です。高画質、高品質な画像と音声と、実現した会議をワンクリックで参加できるシンプルな操作性の両立が特長です。

Zoomミーティング

ストレージサービス

インターネット上にあるサーバーにデータを保管し、他の社内外の関係者に共有できるサービスです。アカウントごとに閲覧・編集などのアクセス権を付与できるため、データを一元管理できることが特長です。電子化した書類の保存先になることも多く、ペーパーレス化には欠かせないツールといえるでしょう。

たよれーる どこでもキャビネット

ドラッグ&ドロップで「サーバーフォルダ」にファイルを置くだけで、自動アップロードが完了。さらにサーバー側でファイルを編集・更新すれば自動ダウンロードされ、PCとサーバーをシームレスに使用できるストレージサービスです。第三者とのファイル送受信も可能。ペーパーレス化した文書をそのまま利用できるシーンが多いのも特長です。

たよれーる どこでもキャビネット

Box

ビジネスに特化したCCM(クラウドコンテンツマネジメントプラットフォーム)で、130種類以上の拡張子に対応するプレビュー機能のほか、容量無制限でデータを保存できるのがメリットです。3種類のプランのほか、より厳しい法的要件に対応した「Governance」やワークフローの改善が図れる「Relay」などの追加機能も用意されています。

Box

たよれーる Dropbox

全世界で20万社が導入しているクラウドストレージサービス「Dropbox」に、電話サポートを加えた大塚商会オリジナルサービスです。オリジナルのマニュアルの提供やコールセンターによるサポートが受けられるので、初めてクラウドストレージを導入する企業でもペーパーレス化を進めやすい環境を構築できます。

たよれーる Dropbox

ペーパーレスに必要なツール選定は慎重に

ペーパーレス化のためのツールを選ぶ際の注意点とポイント、具体的なおすすめツールを紹介しました。ペーパーレス化する理由や得たいメリット、改善したいワークフローによって導入すべきツールとその順序は異なります。初めてペーパーレス化を図る際は、社内の人材だけでなく専門の業者に相談するなどして、しっかりと計画を練ってからツールを導入しましょう。

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