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社内にたまる一方の多種多様なデータ。収益アップにもっと活用できるはず

Excel管理はもう限界?! 眠れる社内データを活用してビジネスチャンス拡大を

日々の売り上げや来店客数など、いわゆる「データ」は企業経営にあたっての重要な指標。しかし、あまりにも身近すぎ、量も膨大なそれらの指標を、果たして有効活用できているでしょうか? 一方、こういったデータ管理でおなじみのExcelにも限界があるようで……。(クラウドWatch特約)

[2017年 6月23日公開]

「データの活用」は経営の基本にして王道

ビジネスにおける「データ」の重要性は、あらためて語るまでもありません。例えば小売店であれば、レジ通過客数、来店時間、購入した商品の種類・点数などが毎日どんどん蓄積されていきます。責任者はこのデータをもとに、仕入れの量や、従業員を何人配置すべきか決めます。売上額は最終的には税金の申告にも必要になりますし、まさに「データなくして経営なし」と断言できます。

データにはさまざまな応用性・発展性があります。誰もが考えつくのは「実績値をもとにした将来の経営の予測」でしょう。「先月の売り上げが100万円だったから今月も100万円売れるだろう」「1年前より売り上げが10%上がったから従業員数もちょっと増やそう」といった具合です。ただ、日々の業務で忙しい中、これらのデータ分析に力を割けるかというと、ちょっとアヤしいかも?

もちろん、データ活用には難しさもあります。ボーナスが出た月と、それ以外の月では客の消費性向も違いますし、季節商品であれば「冷夏」「暖冬」といった天候も絡み、需要に大きな影響を与えます。データはあくまでデータであり、うのみにするのは危険です。企業の現場担当者は「経験と知識」によってこうした変動要因に対処します。──こうやって言葉にすると大仰ですが、多かれ少なかれ、どんな方でも思い当たるフシがあるはずです。

いつまでも「数字の管理はExcel」でいいのか?

企業の経営、特に売り上げを管理するにあたって、長らく定番ツールであり続けているのが表計算ソフト、中でもMicrosoft Excelです。支店別・月別・日にち別といった具合にあらゆる数値を管理・集計でき、ユーザーインターフェイスは比較的シンプルで初心者にもとっつきやすい。グラフ作成も簡単ですし、その一方で、関数やマクロによる複雑な処理もサポート。どのオフィスを見渡しても、これほど圧倒的な存在感を放つビジネスソフトはないでしょう。

ただ、近年のITの高度化を背景に、そのExcelによる管理の限界論もささやかれるようになってきました。単純なところでは、管理データ数の増大。通販サイトが商品の個別管理を行うとして、その点数が数千~数万点となったとき、果たしてExcelで管理しきれるでしょうか? 検索機能があるとはいえ、そこまでいくとスクロールの手間もバカになりません。

もちろん商品ジャンル別にシートを分けたり、特定の行列を非表示にしたりすることで、閲覧性を確保する方法はあります。とはいえ、最新のExcel 2016においてもワークシートのサイズの上限は104万8576行、1万6384列までと決まっています。つまり1枚のワークシートで105万件のデータを行単位で管理することは不可能。極端な例ですが、ないとは言い切れません。

また、先ほど「Excelは初心者にもとっつきやすい」と書きましたが、それはあくまで初心者レベルでの話。単純な家計簿程度の表であれば誰でも簡単に作れますが、それこそ経営会議で使うような複雑なデータを処理するとなると、それなりのExcel技能が必要になってきます。

加えて、Excelで作った表はある意味で「作者のクセ」のようなものが反映されてしまい、第三者にとって使いづらいケースもあります。ある上級者が売上分析用に極めて高度なワークシートを作って、本人は大変便利に使えていたとします。しかし、そのワークシートが複雑になればなるほど、具体的にどのような流れで数値を処理しているか、第三者から分かりづらくなってしまいがちだからです。

これが極まると、結局ワークシートを修正できるのは本人だけ。別の新人がちょっとデータを変更しようにも、セルが一つずれただけで関数の指定がおかしくなり、途端に計算エラーが出てしまう……なんて話はよくあること。「作った人以外使いこなせない」、つまり属人的な業務はチーム分業の観点からもマイナスです。

データ分析の自由度を上げる「BI」とは

こういった状況を解消するための製品は各種ありますが、代表的なのが「BI」「BIツール」です。BIは「Business Intelligence」の略称。用語の印象からはやや異なりますが「データ分析用ソリューション」ととらえるのが、シンプルで分かりやすいかと思います。

一般的に、企業では日々の経営にあたって、複数のシステムを複数同時運用しています。例えばメーカーであれば、工場用の生産管理システム、出荷・納品用の在庫管理システム、営業現場用の販売管理システム、さらに財務管理システムなどがあるでしょう。これらはそれぞれ独立していて、自動的には連携していません。ですから、各部署の担当者は各システムに個別にアクセスして、集計値をCSVファイルとして手動でダウンロードしたり、複数のデータを集めてきて一つのExcelのシートにまとめたりしているわけです。

BIの本質は、これら複数のシステムを自動連携させ、「データを取り出しやすくしておく」ことにあると言えるでしょう。各システムから自動でデータを収集し、必要に応じて変換する過程は「ETL」(Extract / Transform / Load)と呼ばれ、最終的にデータウェアハウス(DWH)へと蓄積されます。

DWHにはデータだけが蓄積されており、あとは必要に応じて検索・抽出を行います。仮に時代が進んでITの常識が変わったとしても、データはDWHで整然と管理されているので、項目の追加などは比較的容易。処理方法の洗練に全力を注ぐことができます。

また、BIツールはオンラインかつリアルタイムでの運用も前提です。このため、ある特定のExcelワークシートを所有・共有している人だけしかデータ分析できない状況にはなりえません。そしてDWH上のデータは適宜最新のものに更新されるため、BIツールを使う度に出力データも連動して最新の状態になります。これは大きなメリットでしょう。

自作ホームページはブログ(CMS)へ移行した───じゃあExcelは?

BIの導入にあたっては、当然準備も必要です。DWHへどのように情報を蓄積するか、その方針を決めなければなりませんし、最終的にどのような分析値を得たいのかも考えておかねばなりません。仮に売り上げと天候の関係を調べたいとしても、自社の売り上げデータだけでは当然無理ですから、日報作成時に天候を入力するか、あるいは気象会社からデータを入手しなければなりません。

加えて、天候データと一口にいっても、単に「晴れ」「雨」程度のデータでいいのでしょうか? 朝の開店時と夜の閉店時で空模様が違う日はザラにあるわけですから、実際には3時間おきくらいにデータを調べる必要もあるかもしれません。さらに言えば、気温・室温も把握する必要もあるのではないでしょうか?

もしかすると、こういった手間がハードルとなり結局は「まぁとりあえずはExcelでやっておこうか」という結論に落ち着く会社もあることは容易に想像できます。

ただ、ここで一つ考えてみてほしいのが、Webサイト構築技術の歴史です。思えば1990年代後半、日本でもインターネットが利用できるようになった当初、多くの人はWebサイト(ホームページ)の制作・開設にあたってHTMLを手書きしていました。さらに、できあたったHTMLファイルはFTPで転送していました。

しかし、それがどうでしょう。後にHTML専用のエディターが登場し、さらに時代が進めばHTMLを知らない初心者でもブログが作れるようになりました。ブログに端を発するCMS(コンテンツ管理システム)の概念が極めて普及したおかげで、それこそHTML知識が一切ない方でも、ブラウザーさえ操作できれば、日々のWeb更新を仕事にできるわけです。

Excelによるデータ管理も、まさにこの道をたどっていくのではないでしょうか? ごく一部のExcel上級者に限ることなく、社長、社外取締役、課長、新人などあらゆる立場の関係者がデータ分析できる体制を構築しておくことは、情報共有の面から間違いなく有益です。

「ビッグデータ」時代はすぐそこ、データ分析も専門家の時代に

Web技術の関連でもう一つ。近年のWebは「コンテンツとデザインの分離が重要」とされています。新聞社のニュースサイトで考えますと、記事本文が「コンテンツ」であり、その本文をどのようにレイアウトして表示するかが「デザイン」です。分離しているからこそ、記事本文はそのままに、閲覧端末がPCかスマートフォンかを考慮して表示デザインを動的に切り替えられるのです。

Excelによるデータ分析も、実は似た傾向にあります。データと、それを処理・分析するための計算式が一つのワークシートに集約できる強みの一方、分離できていないため、さらなる活用を阻害している面があります。

ご存じのように、ITの世界では「ビッグデータ」の有用性が叫ばれています。当然そこには、複数のデータベースの連携・協調によって、飛躍的に大量のデータを処理し、埋もれていた新事実を見つけ出そうという発想が原点にあります。当然、データの処理方法はさらに複雑化していくことでしょう。

もちろん、この複雑化に現場が全力で対応していくという方法もあります。しかし、現状のソフトウェア開発がプログラマーの独壇場であるのと同様、データ分析でもやはり専門家の力を求めるのは当然でしょう。現場では販売や情報収集に全力を注ぎ、データサイエンティストに処理技法の開発をまかせる───そんな「新しい分業」が当たり前になっていくかもしれませんね。

協力メディア

クラウド Watch ( http://cloud.watch.impress.co.jp/ )

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