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ルーチン業務や手作業のIT化で“働き方が変わる”

残業は本当に減らせないのか? 今こそ考えよう「自分流の働き方改革」

「残業の削減」は、日本の労働者にとって極めて身近で、大きな課題です。残業が減ればプライベートは充実する、しかし同僚や取引先に迷惑をかけられない、いやそもそも仕事が多すぎるんだ、でも正社員だから頑張らないと──そんな想いが交錯し、八方ふさがりの感すら漂います。ですが人手不足はもはや現実。「働き方改革」への切迫感はさらに高まっています。 (クラウドWatch特約)

[2017年 8月25日公開]

リーマンショック後も「残業時間」は減らず

企業で働いていれば、おそらく誰もが「残業は減らすべき」とお考えのことでしょう。しかし、それを実践しようとしても、なかなかうまくいっていないというのが、共通認識ではないでしょうか?

労働経済白書(2016年版)によれば、日本国内の常用労働者かつ事業所規模5人以上の企業における「月間総実労働時間」は、2015年は144.5時間でした。リーマンショックの翌年となる2009年が144.4時間ですから、この数値だけをみればほぼ横ばいです。

この「月間総実労働時間」は、「所定内労働時間」「所定外労働時間」の合計値です。2015年の場合は「所定内労働時間」が133.5時間、「所定外労働時間」が11.0時間でした。これを2009年と比較すると、所定内労働時間が1.7時間減り、逆に所定外労働時間が1.8時間増加。つまり、総計はほぼ同じでも内訳が変わった格好です。

また、「一般労働者」「パートタイム労働者」というくくりでの数値も出ています。このうち「一般労働者」の月間所定外労働時間は、リーマンショック前の2007年に13.8時間でしたが、2015年は14.5時間。所定内労働時間が減少する一方、所定外労働時間の割合はむしろ増えたのです。

もちろん、これらは統計に過ぎず、国民全員の働き方の実態を100%正確に示したものではありません。自営業者はもちろん、いわゆる「フリーランス」も含めればまるで状況が変わってくるかもしれません。しかし、国が長年にわたって継続調査している結果であるだけに、「従来型産業において残業が増えている」傾向が伺えるのもまた事実です。

残業の中身をよくよく調べてみたら……?

残業──、つまり長時間労働は、従業員の健康を考えれば決して容認できるものではありません。しかし「会社の成長」「事業の継続性」を考えたとき、果たしてゼロにできるかといえば、なかなか結論を出しづらいところです。

とはいえ、残業の中身を一つ一つ精査していけば、おそらく「ムダな残業」「意味のない残業」は確実にあるはず。特に、毎日のように発生するルーチンワークについては、営業収支に直結せず、社内手続きをいたずらに複雑化させているだけのケースがあるかもしれません。

例えば営業日報はどうでしょう。外回り型営業の担当者であれば、訪問先ごとに報告事項をまとめ、上司へ提出するのが一般的です。とはいえ、良いときがあれば、悪いときもあるのが世の定め。文言に悩んで小一時間が経過してしまったり、その他の用が済んでいるのに日報を書くためだけに帰社したり……。そして上司側にとっても、営業日報を1通1通確認するのは骨の折れる作業です。

部下の行動を把握し、上司がしかるべきアドバイスを行うための材料であることが日報の本質のはず。「日報を書く」「日報を読む」だけが目的化していないでしょうか? あるいは日報処理が過重となり、残業の要因になっていないでしょうか?

これはあくまで考え方の一つです。手書きか、あるいはPCからもスマホからも自在に入力できる日報システムがあるかによっても意味合いは変わります。一見古いシステムでも、ITをほんのちょっと取り込むだけで劇的な効果を上げるケースも当然あります。

時代が変わり、ITが進化するとき、「働き方」も変わる

例えばグループウェアは、社内での情報共有を効率化するための基本中の基本ツール。その一機能であるスケジューラーによって、離席状況の把握法はだいぶ変わりました。オフィスの入り口のホワイトボードに「営業 17時帰社」「15時まで社内会議」などと記載していたのが懐かしい……そんな声も聞こえてきそうです。

グループウェアの普及は、インターネットの進化と切っても切り離せません。インターネット接続用機器の普及・低廉化がイントラネットの構築を容易にし、さらにそのうえで動作するグループウェアが求められたわけです。

そしていまやインターネットは普及期・成熟期を超え、まさに社会インフラ化しました。光ファイバーに代表される高速回線は、もはやどんな会社にとっても「あって当たり前」の存在です。

ですから当然、インターネット対応型のビジネスアプリケーションはリッチ化しています。その代表格は、テレビ会議システムでしょう。コマ落ちや音声の遅延が少ないテレビ会議システムの登場により、出張に伴う交通費が大幅に削減できるようになりました。特に国際ビジネスを展開する企業の場合、半年に1回程度のペースでも海外出張はなかなか大変なはず。それならば週に1回、テレビ会議システムでミーティングをした方がはるかに効率的です。

移動時間を節約できるのもテレビ会議のメリットです。東京-新大阪間を移動する新幹線の車内で、ノートPCを広げて報告書やプレゼン資料作りにいそしむ方は多くいらっしゃいます。しかし、年6回の大阪日帰り出張のうち、半分だけでもテレビ会議にしたらどうなるでしょう? 往復約5時間分が3回、つまり15時間分の勤務時間が空きますから、その分また別の活動に時間を割けます。

スマホ時代ならではの「ビジネスチャット」も登場

同様に、スマホの普及も我々の仕事に少しずつ影響を与えています。出先で通話するのは当然として、仕事上の待ち合わせの連絡などをLINEやFacebookメッセンジャーで済ませる機会が既に増えていませんか?

これらのメッセージアプリは、スマホでの利用が大前提。フィーチャーフォン時代はそれこそ携帯電話各社のキャリアメールが主流でしたが、その勢力図はすっかり塗り変わりました。加えて、緊急で必要になった資料をスマホのカメラで撮影して送ってもらうなど、これまでにはない使われ方もしています。

とはいえ、プライベートで使っているLINEをそのまま仕事に転用すると、セキュリティ面で問題もあります。そこで近年は「ビジネスチャット」と呼ばれるサービスが増えてきました。LINEそっくりの利用感を確保しつつも、ログの暗号化や管理者がログを確認できる機能、あるいは端末紛失に備えたリモートワイプ機能など、セキュリティ面を充実させることで、ビジネス利用に対応。そしてPC、スマホ、さらにはタブレットも含めたマルチデバイス運用に対応する製品がほとんどです。

そしてビジネスチャットには、社内メールの処理効率化にも効果があるという声も。例えばメール冒頭の「○○課長」「営業課の皆様へ」「お疲れ様です」といった書き出しは省略するのがチャットの作法ですし、スマホからなら電車移動中のちょっとした空き時間にスタンプ一つで返信することもできます。2000年代には到底想定できなかった仕事スタイルですが、デバイスやアプリの進化がこれを現実のものにしました。

「紙」への意識に変化も

文書の電子化もそうでしょう。やはり1990~2000年代ですと「ペーパーレスオフィス」はなかなか想像できるものではありませんでした。しかし時は2010年代へと進みました。性能向上でデバイス内に大量のデータを保存できるようになり、自動原稿送り機構付きのスキャナーもかなり身近になりました。

何より、電子書籍が現実のものとなり、紙への認識も変わりました。紙製書籍の良さを認めつつも、業務上発生する定型的な書類……例えば請求書・領収書などはPDFの形で処理し、そもそも印刷しない方が資源節約に効果があると、多くの人が実感しているのではないでしょうか。それこそ門外不出の営業成績を、会議のために印刷し、たった数時間でシュレッダーにかけてしまう。そういった仕事スタイルは、コスト抑止の観点からも今後減っていくと予想されます。

文書の電子化は、情報共有の観点からも有益です。特にクラウドの台頭により、文書の収納スペースや保存期間に関する制約が大幅緩和されました。当然、ビッグデータの活用も視野に入ってくるでしょう。

失敗を恐れず、できることから始めよう

テレビ会議、ビジネスチャット、文書の電子化のいずれも、どれか一つを導入したからといってすぐに残業が半減するわけではありません。むしろ導入当初は、操作や運用に不慣れなため、時間を余計に浪費してしまうかもしれません。

ただそれでも、業務の効率化は、人口減社会を迎える日本が絶対に向き合っていかなければならない課題です。現在、政府を中心に「働き方改革」に関する議論が進んでいます。一部の大企業に限らず、中小含むほとんどの企業も一緒になって考えていかなければ、「人手が足りなくて廃業」といった事態が常態化する恐れもあります。

とはいえ、業務の効率化をいきなり考えるのも難しいところ。まずは現場レベルで「残業の減らし方」を模索してはどうでしょうか。今まで手書きだった書類をPC・スマホに置き換えたり、会議資料はPDFにして印刷するかどうかは各人の判断に任せたり……。こういった地道な取り組みでも、継続することによって、まず部署内の雰囲気は変わってくるかもしれません。一人一人、できることから始めていきましょう。

協力メディア

クラウド Watch ( http://cloud.watch.impress.co.jp/ )

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