メディアの回廊

国内有力メディアが大塚商会向けに書き起こしたオリジナル寄稿記事をまとめてご覧いただけます。

ITの進化によって業務改善の進め方はどう変わっていくのか

企業の成長を望むなら、本格的な業務改善を

業務改善は永遠の経営課題だ。仮に1日15分無駄をなくすと、人件費が1時間2,000円として、1年間12万円分ものコストが削減される。それはそのまま、企業としての収益力の純増を意味する。極めて分かりやすい理屈だ。ITの進化と共に、業務改善の手法も変化している。それをどう受け止めて経営に生かしていけばよいのだろうか。 (東洋経済オンライン/JBpress特約)

[2017年11月 2日公開]

即効性の高いITの活用による業務改善

一口に業務改善といってもその方向性や具体的な方法はさまざまだ。ここでは大きく二つの考え方に分けて業務改善にアプローチしたい。「即効性のある業務改善」と「本質的な業務改善」だ。

即効性のある業務改善として真っ先に考えたいのがITの活用である。効果が出やすいITの活用のポイントは三つ挙げられる。

一つ目は、グループウェアなどを活用してスムーズな情報共有を実現すること。PCは文書を作ったり、企画書をきれいにまとめたりするだけの道具ではない。むしろコミュニケーションツールとして使いこなせれば、メリットが大きい。メールに使うだけでなく、スケジュールや名刺情報なども共有することで、業務効率は大幅に改善する。

例えば、グループウェアを活用すれば、出席メンバーの空き時間を探し出してクリックするだけで会議の日時が設定でき、同時に会議室も押さえられる。出席メンバー全員に予定を聞いて回るよりも、確実に時間が短縮できるはずだ。

二つ目は、テレビ会議などを導入すること。会議に出席するための交通費を削減できるし、移動のための時間を業務に使うことができる。コスト削減と生産性向上の両面で効果が見込め、交通事故や移動交通機関の遅延などに巻き込まれるといったリスクも低減される。

「テレビ会議システムは高い」といったイメージがあるかもしれないが、ITの進化によって安価なものが増えている。画面のきれいさや音声の遅延などもずいぶん改善されたうえ、以前よりも安価に構築できるようになった。インターネットのテレビ電話の画面で済むのであれば、必要なのはウェブカメラとマイクくらいだ。ノートPCではカメラ/マイクが標準装備されている機種が多いので、初期費用は必要ない。

三つ目は、クラウドサービスを活用すること。メリットは初期投資を抑えながら、いつでも、どこからでも利用できる点にある。既に述べたグループウェアやウェブ会議などの情報系アプリケーションだけでなく、あらゆる業務アプリケーションがクラウドサービスとして提供されている。

財務会計システム、人事給与システム、在庫管理システム、CRM、SFAといった基幹業務システムといわれるものも、クラウドサービスとして提供されている。これらのサービスはインターネットが利用できる環境があれば、いつでも、どこからでも利用できる。例えば電車の中でも請求書を作成してメールで送ることだって可能だ。大幅に業務の効率化が図れるだろう。

本質的な業務改善で継続的な成長を

もう一つの本質的な業務改善はBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)に近いものだ。これを実現するには幾つかのステップを踏む必要がある。時間と費用がかかる取り組みだが、企業体質を強化し、継続的な成長につながるという大きな成果が期待できる。

この本質的な業務改善でまず行いたいのが、業務の「見える化」だ。誰がいつどんな業務を行っていて、それがどんな売り上げや利益につながっているのかを明らかにする。「見える化」することで「ムリ」「ムラ」「ムダ」をあぶり出すことができる。

課題を明らかにするには、“比較”することが効果的だ。同じ仕事をしている社員同士や、自社と同業他社、業界標準などと比較することで、取り組むべき課題が明らかになる。社員のスキルが問題なのか、原価率が問題なのか、業務プロセスが問題なのかが見えてくる。さらに、お手本となる社員や企業を探し出して成功要因を分析することで、業務改善の方向性が決まってくる。

この比較と同時に行いたいのが、業務の棚卸しだ。必要のない仕事をしていないか、仕事が重複していないか、時期や人ごとの偏りはないのか、全体の効率を落としているボトルネックはどこなのか、などを洗い出す。

基幹業務がシステム化されていると、こうした取り組みを極めて効率的に行うことができる。数値をリアルタイムに把握することができるし、業務プロセスの問題点の原因を掘り下げていくこともできる。

実際の業務改善策としては、幾つか考えられる。組織の改編、人員の増強や削減などをはじめ、システム化されていない部分のシステム化、アウトソーシングも解決方法の一つとなるだろう。

こうした本質的な業務改善は自社だけでは手に余ることも多い。しかるべき専門家やプロジェクトチームに参加してもらうことも考えておきたい。

ITが人間の仕事ぶりを観察して支援する

業務改善のためのシステム化として、さらに見逃せないITの動向がある。それは、RPA(Robotic Process Automation)である。人がこれまでやってきたコンピューターに対する処理をコンピューターに代行させるものだ。決まった手順の処理を実行するエクセルのマクロ機能に似ているが、異なるアプリケーションにまたがった処理にも対応できるという点で、大きな違いがある。

人の代わりにITが処理を行うので「ロボット」という言葉が使われているが、工場のように物理的なロボットが動くのではなく、プログラムで処理されるので、ソフトウェアロボットといわれることもある。

RPAの狙いはホワイトカラーが行っている仕事の効率化だ。これまで企業でIT化が進んできたが、ITを使う操作自体は増える一方である。そこには、実は同じような処理を繰り返して行う部分が多い。それを自動化してしまえば事務作業が大幅に効率化されるというわけだ。当然、業務改善効果は大きい。

RPAへの取り組みは、もともと銀行のバックオフィスから始まった。アウトソーシングしていた帳票の処理やERP(Enterprise Resources Planning)システムのオペレーションをITによって自動化することで、人手を介すことなく短時間で処理が完了できるようになった。

ルール化された業務を横展開でこなしてきたアウトソーシングの現場にRPAが導入され、何百人もの人員削減に成功し、運用コストが大幅に削減されたという事例も出てきている。

RPAは人間の仕事の自動化に使われるだけではない。パソコンに組み込まれたRPAが、一人ひとりがどんな操作をしているのかを基に頻度の高い操作を自動化することで、個々人の業務を支援するというものもある。

ここにきてRPAは急速に普及し始めている。IT投資の分野としても注目度は高く、RPAベンダーも急増中だ。AI技術によってさらに進化していくともいわれ、オフィスの業務改善の切り札になるかもしれない。

業務改善は経営にとって継続的な課題であり、今やITと切り離して考えることはできない。それを理解したうえで、ITの動向に注目し、他社に先駆けてメリットを享受することが、今の経営者に求められている。

協力メディア

東洋経済オンライン/JBpress

「働く場改革」が創るビジネスの未来をもっと読む

記事と関連する製品・ソリューション

  • 身近なITで「働き方改革」

    「働き方改革」のカギは、いつでもどこでも、安心・安全に、誰もが自分らしい働き方を実現できる職場づくり。実践のポイントは小さな一歩から。身近なITで始める働き方改革をご紹介します。

  • ERP・基幹業務・業務管理の資料集

    ERP・基幹業務・業務管理に関するダウンロード資料・動画などの一覧です。IT活用に関するヒントが満載ですので、ぜひご覧ください。

いまどきのIT活用のおすすめ記事