ムーアの法則を具現化するインテルのマイクロプロセッサー(前編)

インテルの歴史と「ムーアの法則」は切っても切れぬ関係にあります。法則の通り、コンピューターの処理能力は年々向上してきました。ムーアの法則から最初のマイクロプロセッサーが生まれた時代を振り返ります。

[2017年 2月15日公開]

最初のマイクロプロセッサーは計算機から始まり、黎明期のパソコンへ

IT産業に携わる人なら「ムーアの法則」を知らない人はいないでしょう。実質的にはコンピューターの歴史とも言えるかもしれません。インテルはマイクロプロセッサーでこの法則を具現化し、発展を続けています。

始まりは約50年前の1965年。当時Fairchild Semiconductor International社に在籍していたGordon Moore氏が半導体技術の進歩について「(トランジスターなど)集積回路の集積度は約2年で倍増してきた。少なくともこの先10年はこの増加率が続く」と発表しました。この予測が後に「ムーアの法則」として知られるようになります。実際にメモリーやプロセッサーなどの集積回路は、現在に至るまでムーアの法則が予測した通りに進化し続けてきました。

論文発表後の1968年、Robert Noyce氏とGordon Moore氏が米国カリフォルニア州にIntel Corporationを設立します。当初は半導体メモリー製品を中心に開発していました。まだ「マイクロプロセッサー」がこの世に存在しない時代でした。

そして1971年11月、Intelから「4004」(写真1)が生まれました。世界初のマイクロプロセッサーです。搭載したトランジスターは2,300個。それまで複数の基板や部品で構成されていたものを一つの集積回路とした点が画期的でした。一つに集約することで、マイクロプロセッサーを搭載する機器のコストもサイズも下げることができ、機器の設計も容易になりました。ここからマイクロプロセッサーの歴史が始まります。

(写真1)世界初のマイクロプロセッサー「4004」

なお4004が登場する前月(1971年10月)にはIntelに企業として記念となる動きがありました。NASDAQ市場で株式を公開し多額の資金を調達したのです。加えて東京にインテル・ジャパン・コーポレーション日本支社(現在のインテル株式会社の前身)を設立しました。

インテル 広報室 コーポレートPR担当 青木哲一氏(写真2)は「ムーアの法則が示す『集積度が倍増する』とは『回路の数が倍増する』と言い換えることができます。回路が増えると、より多くの処理が可能になります。その結果として性能を高める、あるいは機能を増やすことにつながります」と解説します。

(写真2)インテル 広報室 コーポレートPR担当の青木哲一氏 *内容は取材当時のもの

最初のマイクロプロセッサー「4004」が搭載されたのは日本のビジコン社の計算機でした。コンピューターではなく、計算機。今で言う電卓です。後にパソコン初搭載となる「8080」を経て、1978年からパソコンで本格的な普及が始まります。NECのPC-9801シリーズの初代モデルに「8086」、IBM初のパソコン「IBM Personal Computer 5150(IBM PC)」に「8088」が採用されました。

なおパソコンにおいてマイクロプロセッサーは「CPU(中央演算装置)」とも呼ばれています。マイクロプロセッサーが変われば、パソコンの処理能力も変わります。このことから、マイクロプロセッサーの名前自体がパソコンの処理性能を示す指標として広く認知されていますね。(中編に続く)

執筆:加山恵美(フリーランスライター)
編集・文責:株式会社インプレス

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