ムーアの法則を具現化するインテルのマイクロプロセッサー(後編)

マイクロプロセッサーは多様化していきます。マルチメディア、モバイル、サーバーなど、用途別に機能や性能を強化していったのです。最初の4004と比較すると性能も電力効率も大幅に向上しました。どのくらい集積度が高まったか、イメージできますか?

[2017年 3月 1日公開]

プロセッサーの性能は3,500倍、電力効率は9万倍、多様な未来を形作る

マイクロプロセッサーはPentium以降もムーアの法則に従って集積度を高めてきました。マイクロプロセッサー登場初期はMIPS(100万命令毎秒:1秒あたりに実行できる命令数)といった性能指標が使われていましたが、コンピューターの用途が多様化するに従って単純な性能比較は難しくなっていきました。

プロセッサーの進化はデスクトップ(パソコン)への搭載を想定して始まりましたが、途中から分岐します。大きく分けるなら、従来の延長となるデスクトップ、モバイル向け、サーバー向けです。

まずはデスクトップ。「インテル Pentium」登場後には、ビデオ、オーディオ、グラフィックなどマルチメディア機能を強化するMMXテクノロジーを統合した「インテル Pentium II」、インターネット・ストリーミングSIMD拡張命令に対応した「インテル Pentium III」へと発展していきます。パソコンの用途がビデオ再生やストリーミングへと広がるにつれ、インテルは時流に対応した技術をいち早くマイクロプロセッサーに取り込んでいきました。

次にモバイルです。Windows 95登場以降はインターネットやWi-Fiが普及し、パソコンはモバイルでの利用も増えてきました。象徴的なものとして2003年に発表された「Centrino」があります。日本では鳥が踊るコマーシャルが評判になりました。

「Centrino」はマイクロプロセッサーではなくノートパソコン向けプラットフォームのブランドです。モバイル向けPentiumプロセッサー、チップセット「i855」、Wi-Fiチップ「Intel PRO/Wireless」の三つからなります(写真1)。現在では「Centrino」は無線製品のブランド名となっています。

(写真1)「Centrino」プラットフォームを構成するチップをまとめたもの

さらにサーバーです。サーバーやワークステーションを想定したマイクロプロセッサーは「インテル Pentium Pro」から始まり、1998年の「インテル Pentium II Xeon」プロセッサーからは「Xeon」というブランド名が生まれます。「Xeon」は各種ファミリーに分かれているものの、業務用で高性能や高信頼性を実現するものとなっています。

「4004」から50年が過ぎ、マイクロプロセッサーはどれほど進化したのでしょうか。先述したように多様化が進み単純な性能比較はできないものの、ムーアの法則通り集積度は高まっています。密度の高まりをイメージするためとして、青木氏(写真2)はこんな風に例えてくれました。「最初は駐車場の車1台分のスペースを必要としていたものが現在のプロセッサーのサイズにまで縮まりました」

(写真2)インテル 広報室 コーポレートPR担当の青木哲一氏 *内容は取材当時のもの

性能、電力効率、コストで比較するとこうなります。1971年の「4004」から2015年の「インテル Core i5」では性能は3,500倍向上、電力効率は9万倍向上、コストは6万分の1に縮小しました。

マイクロプロセッサーはパソコンやサーバーといったコンピューターだけではなく、今ではスマートフォンなどの個人用携帯通信機器に広がり、将来は自動車の運転制御や各種組み込み機器へも広がっていくでしょう。これもまたムーア氏が予測した世界なのです。

執筆:加山恵美(フリーランスライター)
編集・文責:株式会社インプレス

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