自己流Excelから脱却! 今さら聞けないExcel基本操作まとめ

Excelはよくできたソフトだ。なんとなく直観的に、一通りのことはできてしまう。しかし、その自己流操作は本当に最適だろうか? 今回は、意外と知らないExcelの基本技をおさらいしよう。

[2017年 6月29日公開]

自己流ではいつまでも初心者! ステップアップのために基本を知ろう

Excelは使いやすいソフトで、初めての人でも、セルにデータを入れるだけで直ちに表を作成できる。勘を働かせれば、セルに色を付けたり、罫線を引いたりすることも可能だろう。しかし、勘頼みでは、たどり着けない機能もある。また、行った操作が予期した結果にならず、Excelの挙動に戸惑うこともある。自己流や勘頼みでは、いつまでたっても初心者止まりだ。今回は、初心者を抜け出すために必須となる機能や操作を紹介していくので、ステップアップの参考にしてほしい。

セルから文字がはみ出てしまう…セル内改行を実行するには?

まずは肩慣らしに、基本中の基本「セル内改行」の方法を見ていこう。「ホーム」タブの「配置」グループにある「折り返して全体を表示する」ボタンを使うと、セルに収まらない長い文字列データを、セルの右端で自動改行して表示することができる(図1)。

図1 長い文字列を入力したセルを選択して、「ホーム」タブの「配置」グループにある「折り返して全体を表示する」ボタンをオンにする。すると、行高が自動で広がり、文字列がセルの右端で自動改行される。ボタンをオフにすれば、自動改行を解除できる。

上記の自動改行は、「ホーム」タブの「配置」グループに当たりを付けてボタンを探せば、発見できる機能だろう。問題は、特定の区切りのいい位置で、強制的に改行を行いたいケースだ。これは、ボタンを探しても見つからない。Wordの感覚で「Enter」キーを押してみると、アクティブセル(入力対象のセルのこと)が下の行に移動してしまい、途方に暮れる羽目になる。

実は、セル内で強制改行するには、「Enter」キーに加えて「Alt」キーを使う。改行したい位置にカーソルを置き、「Alt」キーを押しながら「Enter」キーを押すと、その位置で強制改行できるのだ(図2、図3)。知っていれば簡単だが、知らないと想像すらつかない操作の代表格と言えるだろう。別のソフトで2行に分けて入力し、Excelのセル内にコピペしていた人は、これを機にぜひ覚えておこう。

図2 改行したい位置にカーソルが表示されている状態で、「Alt」キーを押しながら「Enter」キーを押す。

図3 カーソルが次行に移動するので、2行目のデータを入力する。

柔軟性がない「セル結合」の代わりに使える「選択範囲内で中央」

複数のセルをつなげて文字を入れたいときに、よく使われる機能は「セル結合」だろう。「セルを結合して中央揃え」ボタンのワンクリックで簡単にセルを結合できるので大変便利だ。しかし、その一方で、結合が足かせとなって表の操作がうまくいかないことがある。

図4を見てほしい。「小計」「合計」と書かれたセルが結合されている。この表でB列とC列を入れ替えようとすると、「この操作は結合したセルには行えません。」というエラーメッセージが出て入れ替えられない。

図4 「ホーム」タブにある「セルを結合して中央揃え」ボタンを使用すると、複数のセルをつないで、一つのセルとしてデータを入力できる。ただし、図のシートでB列とC列を入れ替えようとすると、エラーメッセージが出て入れ替えられない。

また、この表でセルC3からセルC11までをドラッグしても、セル結合した「小計」をまたいでいるがためにセルA3~D11が選択されてしまい、セルC3~C11を選択できない(図5)。表の中の特定の列を関数の引数にしたり、書式を設定したりすることはよくあるが、表の途中にセル結合があると、そのようなときに困るのだ。

図5 セルC3~C11を選択するためにセルC3からセルC11をドラッグしても、セルA3~D11が選択されてしまう。

このような不便を回避する手立てとして、「選択範囲内で中央」という機能がある。左右に隣接するセルを選択して「セルの書式設定」ダイアログボックスを表示し、「配置」タブの「横位置」欄から「選択範囲内で中央」を選ぶ(図6~図8)。すると、セルを結合しないまま、複数のセルの中央にデータを表示できる。実際にセルが結合されたわけではないので、列の入れ替えや選択を自由に行える。これなら、セル結合による面倒なトラブルに、あとあと悩まされる心配がないというわけだ。

図6 左右に隣接する複数のセル(ここではセルA7~D7)を選択して右クリックし、表示されるメニューから「セルの書式設定」を選ぶ。

図7 「配置」タブの「横位置」欄で「選択範囲内で中央」を選ぶ。

図8 セルを結合せずに、セルA7~D7の中央に「小計」の文字を配置できた。これなら、表内の列をドラッグしてスムーズに選択できる。なお、「選択範囲内で中央」では、上下に隣接するセル範囲の中央にデータを配置することはできない。

「オートフィル」を利用して連続データをすばやく入力

連続データを入力するときに、「オートフィル」を利用している人は多いだろう。「オートフィルなんて操作、聞いたことないよ」という人も、「セルの右下角をドラッグして、ドラッグした範囲にデータを自動入力する機能」と聞けば、ピンとくるに違いない。ちなみに、セルの右下角のドラッグする部分のことを「フィルハンドル」と呼ぶ。

オートフィルは、日程表の作成などに欠かせない便利機能だ。例えば、「6月1日」と入力したセルを選択し、フィルハンドルをドラッグすると、「6月2日」「6月3日」「6月4日」……、という連続データが入力される(図9、図10)。1カ月分でも、2カ月分でも、ドラッグだけで日付の連続データを自動入力できるのだ。

図9 「6月1日」のセルを選択し、右下角のフィルハンドルにマウスポインターを合わせると、十字の形になる。その状態で下方向にドラッグする。

図10 ドラッグした範囲に、「6月1日」から始まる日付の連続データが入力される。

ところが、日付の入力と同じ感覚で「1」「2」「3」…の連続データを入れようとすると失敗する。数値を起点としたオートフィルでは「セルのコピー」が実行され、ドラッグした範囲に「1」「1」「1」…と入力されてしまうのだ。

実は、オートフィルを実行したときに連続データが入力されるのか、セルがコピーされるのかは、起点となるセルのデータの種類や数による(図11)。

連続データが入力される場合

日付データ
「6月1日」を起点とすると、「6月2日」「6月3日」「6月4日」…が入力される。
文字+数値データ
「第1課」を起点とすると、「第2課」「第3課」「第4課」…が入力される。
数値データ2個
「1」「2」を起点とすると、「3」「4」「5」…が入力される。
「5」「10」を起点とすると、「15」「20」「25」…が入力される。

セルのコピーが行われる場合

数値データ
「1」を起点とすると、「1」「1」「1」…が入力される。

図11 日付、文字+数値、数値2個を起点とする場合は、オートフィルで連続データが入力される。数値一つの場合はセルのコピーとなる。なお、数値2個を起点とする場合は、起点となる二つのセルを選択してから、フィルハンドルをドラッグする。

こうしたオートフィルの挙動を完ぺきに頭に入れるのは、慣れないと難しい。しかし、心配は無用だ。オートフィルが思い通りの結果にならなかったときは、実行後に表示される「オートフィルオプション」ボタンをクリックしてみよう。表示されるメニューから、「セルのコピー」「連続データ」など目的の動作を選ぶことができる(図12)。

図12 「1」を起点にオートフィルを実行すると、「1」がコピーされる。「オートフィルオプション」ボタンをクリックして、「連続データ」を選ぶと、「1」「1」「1」…を「2」「3」「4」…に変えられる。

ちなみに、オートフィルで繰り返しの連続データが入力されるケースもある。

繰り返しの連続データが入力される場合

  • 「月」を起点とすると、「火」「水」「木」…「月」が繰り返し入力される。
  • 「1月」を起点とすると、「2月」「3月」「4月」…「12月」が繰り返し入力される。
  • 「第1四半期」を起点とすると、「第2四半期」「第3四半期」「第4四半期」が繰り返し入力される。

日程表の日付の横に曜日を入れることがあるが、既に日付が入力されているなら、わざわざフィルハンドルをドラッグしなくても、ダブルクリックするだけで日付と同じデータ数の曜日を入力できる(図13)。

図13 先頭の曜日を入力したセルを選択して、フィルハンドルをダブルクリックすると、オートフィルを実行できる。隣接する列と同じ数のデータが瞬時に入力されるので便利だ。

「表示形式」を自在に操りデータを思い通りに表示する

データを入力したときに、入力したのとは異なるデータが表示されて、戸惑ったことはないだろうか。例えば、「12-3」と入力すると、「12月3日」という日付データが表示される(図14、図15)。日付のつもりで入力したなら問題ないが、番号や番地のつもりだとすると困りものだ。

図14 「12-3」と入力して「Enter」キーを押すと……。

図15 「12月3日」と表示されてしまう。

Excelには、セルに入力されたデータの種類を自動で判断し、適切と思われる形に変換して表示する仕組みがある。Excelは「12-3」を日付と判断するため、番地のつもりで入力しても、「12月3日」と表示されてしまうのだ。入力したデータが意図通りに表示されないケースは、下表のように多々ある。

入力したデータが勝手に変換されないように対処するには、「表示形式」の機能を利用する。具体的な対処手順を説明する前に、そもそも表示形式とは何か、について説明しておこう。

表示形式とは、セルの値そのものは変えずに、データの表示を変更する機能のことだ。「表示形式」という用語を知らなくても、「ホーム」タブの「数値」グループにある「通貨表示形式」や「桁区切りスタイル」などのボタンを使ったことはあるだろう。これらのボタンを使えば、「1234」というデータを、値は「1234」のまま「¥1,234」や「1,234」などの表示に変更できる(図16)。この機能を「表示形式」と呼ぶのだ。

図16 数値のセルを選択して、「ホーム」タブの「桁区切りスタイル」ボタンをクリックすると、値自体は「1234」のまま、セルには「1,234」と表示される。

数値や日付は表現のバリエーションに富み、「セルの書式設定」ダイアログボックスを使えば、より多くの選択肢の中から表示形式を設定できる(図17、図18)。例えば日付の場合、「2017年7月1日」「2017/7/1」「7月1日」「1-July-17」「H29.7.1」「平成29年7月1日」など、好みに応じた表示にできる。

図17 ここでは日付を和暦表示にする。日付のセルを選択して右クリックし、「セルの書式設定」を選択して設定画面を開く。「表示形式」タブの「分類」欄で「日付」を選び、「カレンダーの種類」欄で「和暦」を選択すると、和暦の選択肢が「種類」欄に表示されるので好みのものを選ぶ。

図18 日付が和暦に変わった。

話を元に戻そう。

入力したデータが勝手に日付や数値に変換されないようにするには、入力する前にセルに「文字列」の表示形式を設定しておく(図19)。つまり、「これから入力するのは数値や日付ではなく文字列ですよ」と定義しておくわけだ。そうすれば、入力したデータが入力した通りに表示される(図20)。なお、「文字列」の設定は、入力前に行う必要がある。データの入力・変換後に「文字列」を設定しても、データは変換前の状態に戻らないので注意しよう。

図19 入力欄のセルを選択して、「ホーム」タブの「表示形式」の一覧から「文字列」を選ぶ。図17の設定画面を開いて「分類」欄から「文字列」を選ぶ方法でもOK。

図20 「文字列」を設定したセルにデータを入力すると、勝手に変換されずに、入力した通りに表示される。

効率大幅アップ! よく使うボタンをクイックアクセスツールバーに登録する

リボンのボタンは複数のタブに分かれているので、ボタンを使う前にタブの切り替えが必要なことがある。ワンクリックで切り替えられるとはいえ、このひと手間が面倒だ。よく使うボタンは、クイックアクセスツールバーに登録しておこう。クイックアクセスツールバーは画面上に常に表示されているので、使いたいときにすぐにボタンをクリックできる。作業効率がグンと上がること請け合いだ。

登録方法を見ていこう。ファイルや印刷関連のボタンは、クイックアクセスツールバーの右端にあるボタンから登録できる(図21)。例えば、「クイック印刷」ボタンを登録すれば、ボタン一発で即座に印刷を実行できるようになる。

図21 クイックアクセスツールバーの右端にあるボタンをクリックし、表示されるメニューから「クイック印刷」をクリックすると、クイックアクセスツールバーに「クイック印刷」ボタンを登録できる。

リボン上のボタンを登録するには、登録したいボタンを右クリックして、表示されるメニューから「クイックアクセスツールバーに追加」を選択する(図22、図23)。なお、登録したボタンを削除するには、クイックアクセスツールバーのボタンを右クリックして、「クイックアクセスツールバーから削除」を選べばよい。

図22 登録したいボタン(ここでは「数式」タブにある「オートSUM」)を右クリックして、「クイックアクセスツールバーに追加」を選択する。

図23 クイックアクセスツールバーに「オートSUM」ボタンが登録された。

以上、初心者からのステップアップの足掛かりとなるExcelの基本操作をいくつか紹介した。この解説を参考に、自己流のExcel操作から脱却し、より便利に効率よく使いこなしてほしい。

取材・文:ビジネス+IT編集部

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