Excel・PowerPoint使いこなし術

ExcelとPowerPointに関連する使いこなしヒント集

伝わるプレゼンの作り方「ストーリー構成」「図解」

プレゼンを成功に導くには、限られた時間の中で効果的に情報を提供し、聞き手を説得する必要がある。PowerPointの機能をフル活用して、訴求力のある分かりやすい資料を作成しよう。

[2017年 8月31日公開]

プレゼンの目的を意識して構成を練る

プレゼン資料の作成では、はじめに全体の構成をきちんと検討しておくことが大切だ。その際、「プレゼンの目的」を意識しながら構成を練ると、分かりやすい資料になる。プレゼンの目的とは、

  • 誰に伝えたいのか
  • 何を伝えたいのか
  • 何のために伝えるのか
  • その結果、聞き手にどのような行動を期待するのか

といった、プレゼンの対象やテーマ、目標のことだ。あらかじめプレゼンの目的を明確にしておくことで、ブレのないプレゼン資料を作成できる。

プレゼンのストーリーの組み立て方にはさまざまな手法があるが、基本は「序論」→「本論」→「結論」という流れだ。「序論」では、問題提起やこれからの話の流れなど、伝える内容のポイントを簡潔に示す。続く「本論」では、具体的な事例や主張を裏付けるデータ、予想されるメリットなど、結論に至る展開を詳細に示す。最後の「結論」では、要点を簡潔にまとめ、聞き手に期待する行動を促す。

「アウトライン表示」を活用して資料の構成を考える

PowerPointを使ってこうしたストーリー構成を練るときは、スライド上の文字だけを表示する「アウトライン表示」モードの利用がおススメだ。スライドの見栄えや細かい設定などに気を取られずに、文字だけに集中しながらプレゼンの骨格をじっくり検討できる。

実際にやってみよう。通常の「標準表示」モードでは、スライド上のプレースホルダー(入力枠)に直接文字を入力する。画面左には、スライドのサムネイルが表示される(図1)。「アウトライン表示」モードに切り替えるには、「表示」タブの「アウトライン表示」ボタンをクリックする(図2)。

図1 表示モードは「表示」タブで切り替える。通常は「標準表示」モードが適用されている。

図2 「表示」タブの「アウトライン表示」ボタンをクリックすると、「アウトライン表示」モードになり、画面左にスライド上の文字が表示される。

アウトライン表示では、Wordで文書を入力するのと同様の感覚でスライドの作成を行える。新しいスライドを追加するには、直前のスライドの行末をクリックしてカーソルを表示し、「Enter」キーを押す(図3)。すると、カーソルが次行に移動し、同時に新しいスライドが追加される。アウトライン領域でそのまま文字を入力すると、入力した文字はスライドのタイトル欄にも入力される(図4)。これを繰り返してプレゼンに必要な項目を書き出していくと、同時にスライドの骨格が作成されるというわけだ。

図3 スライドのタイトルの末尾(ここでは「海外同窓会ツアー」の行末)をクリックしてカーソルを表示し、「Enter」キーを押すと、新しいスライドが追加される。「1□」は1枚目のスライド、「2□」は2枚目のスライドという意味だ。「□」は「スライドアイコン」と呼ばれる。

図4 アウトラインで文字を入力すると、画面右側のスライドにも同時に入力される。同様に、スライドを追加してタイトルを書き出していく。

項目を書き出し、入れ替えながらストーリー構成を練る

プレゼンの構成を決めるときに、スライドの中身の文字も書き留めておきたいことがある。しかし、スライドタイトルの下に行を追加して文字を入力すると、入力した項目は別のスライドのタイトルと見なされてしまう(図5)。そんなときは、入力した項目を選択して「Tab」キーを押す。すると、選択した項目が直前のスライド内の箇条書きへと格下げされる(図6)。ちなみに、箇条書きの項目を選択して「Shift」+「Tab」キーを押すと、選択した項目は別のスライドのタイトルに格上げされる。

図5 「企画概要」の下に「ツアー名称」「ターゲット」と入力すると、入力した項目はそれぞれスライドタイトルになる。入力した項目をドラッグして選択し、「Tab」キーを押すと…(図6へ)。

図6 「ツアー名称」と「ターゲット」が「企画概要」の下位要素となり、1枚のスライドにまとめられる。

プレゼンに必要な項目を書き出したら、あらためて構成を検討しよう。デザインなど細かい設定に気を取られることなく全体の構成を見渡せるのが、アウトライン表示のメリットだ。項目の順序を変えたいときは、スライドアイコンをドラッグして移動すればよい(図7)。

図7 スライドアイコンをクリックすると、スライド全体が選択される。その状態でスライドアイコンをドラッグすると、スライドを移動できる。

資料の冒頭に目次スライドを入れておくと、プレゼン全体の見通しがよくなり、聞き手の理解度が高まる。スライドのタイトルから目次を作成するには、あらかじめアウトラインの下位レベルの文字を折り畳んでおき、タイトルの文字をコピーする(図8)。それを目次スライドのプレースホルダーに貼り付けると、簡単に目次を作成できる(図9)。

図8 あらかじめ、アウトラインの文字上を右クリックして、「折りたたみ」→「すべて折りたたみ」を選択し、下位の項目を折り畳んでおく。目次に使う項目をドラッグして選択し、「ホーム」タブの「コピー」ボタンをクリックする。

図9 目次スライドに切り替え、プレースホルダー内をクリックして、「ホーム」タブの「貼り付け」ボタンをクリックすると、目次を作成できる。最終行に不要な空白行が入る場合は、「Backspace」キーで削除しよう。

スライドの構成が完成したら、「表示」タブの「標準」をクリックして「標準表示」モードに戻し、細部を作り込んでいく。その過程で構成の再検討が必要になったときは、再度「アウトライン表示」モードに切り替えて検討するといいだろう。

全体のデザインを司る「テーマ」を決める

プレゼン資料の作成を始めたら、なるべく早い段階で「テーマ」を設定しよう。テーマとは、ファイル全体に適用されるデザインのことだ。PowerPointには複数のテーマが用意されているが、テーマによってプレースホルダーの位置やフォントのサイズが異なる。そのため、スライドの細部を作り込んでからテーマを変えると、バランスが崩れることがある。再調整の手間を省くためにも、細部を作り込む前にテーマを決めたほうがよいだろう。

テーマの設定は至って簡単。「デザイン」タブの「テーマ」の一覧からデザインを選択するだけだ(図10)。一つのテーマにつき複数のバリエーションが用意されており、同じテーマでもバリエーションを変えることでスライドの背景色や模様を変更できる(図11)。

図10 テーマを設定するには、まず「デザイン」の「テーマ」グループで「その他」ボタン(横棒の下に「▼」が付いた小さなボタン)をクリックする。すると、テーマの選択肢が一覧表示されるので、好みのものを選ぼう。

図11 全てのスライドに、選択したテーマのデザインが適用された。選択したテーマに応じて「バリエーション」欄に複数のバリエーションが表示されるので、その中から好みのものを選ぼう(ここでは青系のバリエーションを選ぶ)。

テーマやバリエーションを変更すると、「フォントの色」や「図形の塗りつぶし」などのカラーパレットの「テーマの色」が、変更したデザインに合わせて変化する。例えば青系のデザインに変更した場合、「テーマの色」は青系のデザインに合う色に変わる(図12)。図形などを作成して色を設定するときに、「テーマの色」から選べば自動的にスライドのデザインになじむので、センスに自信がない人でも色選びに悩まなくて済むというわけだ。

図12 設定したテーマやバリエーションのデザインに応じて、カラーパレットの「テーマの色」がデザインになじむ色に変わる。

「スライドマスター」を利用して統一感のある資料を効率よく作成する

テーマを変更するとプレースホルダーの位置や文字のサイズが変わるので、各スライドのバランスを確認し、必要に応じて調整しよう。その際、全てのスライドで共通する修正、例えば「全スライドの箇条書きの文字を大きくしたい」というような修正を、1枚1枚スライドを切り替えながら行うのは手間がかかる。うっかり修正漏れが生じれば、資料の統一感も損なわれてしまう。

そんなときは、「スライドマスター」の出番だ。スライドマスターは、言わばスライドデザインの設計図。スライドマスターに対して設定を行うと、既存のスライドはもちろん、今後作成するスライドにももれなくその設定を反映できる。

操作を見ていこう。まず、「表示」タブの「スライドマスター」ボタンをクリックする(図13)。

図13 スライド上の文字が小さくバランスが悪いので修正したい。まず、「表示」タブの「スライドマスター」ボタンをクリックする。

スライドマスターの設計画面に切り替わったら、画面左側の一覧から、1番上にひとまわり大きめのサイズで表示される「スライドマスター」スライドを選択しよう(図14)。すると、画面中央に「スライドマスター」スライドの設計図が表示されるので、文字のサイズや箇条書きの記号など、目的の設定を行う。設定方法は、通常のスライドと同様だ。設定が済んだら、「スライドマスター」タブの「マスター表示を閉じる」ボタンをクリックする。

図14 画面左から「スライドマスター」スライドを選び、中央の大きなスライドで書式の修正を行う。ここでは文字のサイズを拡大し、箇条書きの記号を変更した。最後に、「スライドマスター」タブの「マスター表示を閉じる」ボタンをクリックする。

スライドマスターで行った設定が、スライドに反映される(図15)。図13のスライドと比べると、文字のサイズと箇条書きの記号の変化が分かるだろう。ほかのスライドにも同様に設定が反映される。1回の設定で各スライドの書式をまとめて変更できるので効率的だ。

図15 スライドマスターで行った修正が、スライドに反映された。

スライドマスターは、各スライドに会社のロゴマークを入れたいときなどにも重宝する。図14の画面でスライドの設計図にロゴマークを貼り付ければ、各スライドに一気に挿入できるのだ。ただし、タイトルスライドなど一部のスライドには反映されないこともあるので、その場合は個別に挿入しよう。

こうしてさまざまな設定を施したデザインをテーマとして保存しておくと、ほかのファイルにも使い回せる。図10を参考に「デザイン」タブの「テーマ」ボタンをクリックし、「現在のテーマを保存」を選択して保存しよう。その際、保存画面にデフォルトで表示される保存先フォルダーに必ず保存すること。そうすれば、保存したテーマが「デザイン」タブの「テーマ」の一覧に加えられ、ほかのファイルにも簡単に適用できるようになる。

「SmartArt(スマートアート)」を利用して資料をビジュアルに表現する

プレゼンで聞き手の興味や理解を促すには、ビジュアル表現を使うのが効果的だ。文字だけのスライドよりも目を引くし、文字では伝えきれない情報も図解化することでイメージしやすくなる。

手作業でチャートを作成するのは手間がかかるが、「SmartArt」というチャート作成ツールを使えば、簡単にスタイリッシュなチャートを作成できる(図16)。SmartArtには数多くのチャートのひな型が用意されており、自分が作成したい表現にうまくマッチするものがあれば利用しない手はない。

図16 SmartArtを利用すると、スタイリッシュなチャートを手早く作成できる。

SmartArtでチャートを作成するには、スライドの中央にある「SmartArtグラフィックの挿入」をクリックし(図17)、「SmartArtグラフィックの選択」ダイアログボックスで目的のチャートを選ぶ(図18)。すると、スライドにチャートのひな型が挿入されるので、文字を入力していく(図19)。チャート内の図形に直接入力してもよいし、左側に表示される「テキストウィンドウ」に入れてもよい。SmartArtでは入力した文字数に応じてフォントサイズが自動調整されるので、手間をかけることなくバランスのよいチャートに仕上げることができる。

なお、チャートの種類によっては、「デザイン」タブの「図形の追加」ボタンから図形を追加することも可能だ。反対に、チャート内に不要な図形がある場合は、「Delete」キーで削除すればよい。

図17 スライドの中央にある「SmartArtグラフィックの挿入」をクリックする。

図18 目的のチャートを選び、「OK」ボタンをクリックする。ここでは「リスト」の分類の中から「縦方向箇条書きリスト」というチャートを選んだ。

図19 スライドにチャートのひな型が挿入されるので、文字を埋めていく。

チャートのデザインは、「デザイン」タブにあるボタンから変更する。「色の変更」ボタンを使うと、配色をガラリと変えられる(図20)。配色の選択肢はいずれもテーマに連動しているので、自動的にスライドのデザインになじむ色合いに仕上がる。「色の変更」ボタンの隣にある「SmartArtのスタイル」の一覧からは、チャートを3D化することも可能だ(図21)。

図20 「デザイン」タブにある「色の変更」ボタンから、チャートの配色を設定する。

図21 「SmartArtのスタイル」の一覧から、チャートの見栄えを変更する。

プレゼンのストーリー構成を練ったり、たくさんあるスライドの書式を統一したり、分かりやすいチャートを作成したりするのは、プレゼン資料を作るうえで大切な作業だ。しかし、ちょっとやり方を間違えると、無駄に時間と労力がかかってしまう。今回紹介したPowerPointの便利機能を活用して、目的や意図が「伝わる」プレゼン資料を効率よく作成してほしい。

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