役立つ! 総務マガジン

Excelのセル範囲に名前を付けて作業効率アップ!

「何のデータか?」が分かる名前でデータを利用しやすく

Excelでは、データを入力したセル範囲に名前を付けられます。例えば取引先の企業名や連絡先のデータを入力したセル範囲に「取引先リスト」と名前を付けたら、データの内容がすぐに分かり、関数から参照するときも意味が分かりやすい式にできます。今回はこうした名前の活用法を解説します。

[2018年12月25日公開]

名前を付けることで式が見やすく、作業もラクに

Excelでは、セル範囲に対して「名前」を付けることができます。例えば、セルA1からA20に社内で使う消耗品の名前を入力していたら、この範囲に「消耗品リスト」という名前を付けることで、何のデータがあるのかを分かりやすくできます。

この名前は、関数や数式でセルを「参照」するときに真価を発揮します。セルに名前を付けてアドレスの代わりに名前を参照することで、式の意味が分かりやすくなり、ミスも起こりにくくなるのです。

次の例では、VLOOKUP関数で参照するセルのアドレスを、「消耗品名リスト」という名前に置き換えています。このようにすることで、何のデータを参照しているのかが、はっきりと分かります。

参照先が「リスト! $E$3:$G$64」では何のデータがあるのか分かりませんが、「消耗品リスト」という名前を使うことで何を参照しているかが分かり、何をする関数かも推測しやすくなります。

VLOOKUP関数を例に、実際に名前を使った参照の使い方と、効果を見ていきましょう。

関数が参照しているセル範囲を確認する

VLOOKUP関数の構文は、次のようになっています。

VOOLUP関数の構文
VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索の型)

あらかじめデータを入力しておいた「範囲」から「検索値」と同じデータがある行を探し出し、「列番号」で指定された列のデータを取り出すのが、VLOOKUP関数の機能です。「検索の型」では、検索値が見つからなかったときの処理を指定します。

以下は、第11回「Excelでの表記揺れをリストと関数で防ぐ!」でもVLOOKUP関数の例として使用したファイルです。「品番」の列でIF関数と組み合わせてVLOOKUP関数を使い、「持出消耗品名」の列に入力された品名に該当する品番が自動的に表示されるようにしています。VLOOKUP関数で参照しているセルの範囲を確認しましょう。

(1)「Sheet1」シートのセルB5をクリックする

「品番」の列のセルB5をクリックし、数式バーに表示されているVLOOKUP関数で、参照している範囲が「リスト! $E$3:$G$64」になっていることを確認します。

[名前の定義]でセル範囲に名前を付ける

VLOOKUP関数で指定している範囲の「リスト! $E$3:$G$64」は、「『リスト』シートのセルE3からG64の範囲のセルを絶対参照する」という意味です。

絶対参照とは、式をコピーして別のセルに貼り付けても、参照先のセルアドレスは変えない方式を意味します。これに対して、式を一つ下のセルに貼り付けたら参照するセルも一つ下にするなど、貼り付け先によって参照先のアドレスを変える方式を「相対参照」と呼びます。

「リスト」シートのセルE3からG64には、消耗品の名称、品番、価格を入力しています。このセル範囲に「消耗品名リスト」という名前を付けましょう。

(1)名前を付けたい範囲と[名前ボックス]を選択する

[リスト]シートでセルE3からG64を選択し、通常はセルのアドレスが表示されている[名前ボックス]をクリックします。すると、表示されている文字列が選択され、編集可能になります。

(2)セル範囲の名前を入力する

この範囲に新しく付けたい名前を入力します。「消耗品名リスト」と入力しましょう。

(3)セル範囲に名前が付いた

[Enter]キーを押して確定します。これでセルE3からG64の範囲に名前が付きました。

(4)[名前ボックス]でセル範囲の名前を選択する

名前が正しく付けられたか確認しましょう。別のセルをクリックして、いったん範囲の選択を解除した後、[名前ボックス]の右側にある[▼]をクリックし、先ほど付けた[消耗品名リスト]を選択します。

(5)該当するセル範囲が選択された

「消耗品名リスト」と名前を付けたセル範囲が選択されました。名前とセル範囲が正しく連動していることが分かります。

関数の引数としてセル範囲の名前を使う

セル範囲に付けた名前を、早速VLOOKUP関数の中で使ってみましょう。先ほど確認した式を編集して、範囲をセルのアドレスから名前に書き換えます。

(1)関数ウィザードを表示する

ここでは、関数ウィザードを利用して関数を編集します。編集の対象となるセルB5をクリックして選択し、数式バーの左隣にある[fx]ボタンをクリックします。

(2)関数ウィザードでVLOOKUP関数を表示する

関数ウィザードが起動し、まずVLOOKUP関数を囲んでいるIF関数が表示されました。数式バー上の「VLOOKUP」の文字をクリックしましょう。

関数ウィザードがVLOOKUP関数に切り替わりました。

(3)[範囲]を書き換える

引数[範囲]に「リスト!$E$3:$G$64」が入力されているので、これを削除し、「消耗品名リスト」と書き換えます。完了したら[OK]をクリックしましょう。

(4)参照するセル範囲が「消耗品名リスト」になった

数式バーに表示された関数で、セル範囲「リスト! $E$3:$G$64」が「消耗品名リスト」という名前に置き換えられたことを確認します。

このように、参照するセルのアドレスを同じ範囲に付けた名前に置き換えても、関数の動きは変わりません。名前を使った方が、何を参照しているのかが分かりやすくなります。

また、名前を使った参照の場合は、必ず絶対参照となります。セルのアドレスを使って参照する場合は、相対参照や絶対参照を間違えないように注意が必要ですが、絶対参照するセル範囲なら、名前を使って参照することでミスの削減も期待できます。

データの増減に応じて名前を付けた範囲を変更する

セル範囲に名前を付けることで、参照先が分かりやすくなることを解説しました。しかし、消耗品の種類が増えたり、廃番になって減ったりすると、「消耗品名リスト」の範囲が変わってしまいます。

こうしたセル範囲の変化に対応するには、[名前の管理]ダイアログボックスを使います。手順を見ていきましょう。

(1)「リスト」シートの「消耗品名リスト」にデータを追加する

消耗品の種類が増えたため、「消耗品名リスト」の最後に2行分のデータを追加しました。これで、実際のセル範囲はセルE3からG66まで、となりました。

(2)[数式]タブの[名前の管理]を開く

[数式]タブをクリックし、[定義された名前]グループにある[名前の管理]ボタンをクリックします。

(3)範囲を修正したい名前を選ぶ

[名前の管理]ダイアログボックスが開いたら、リストの中から[消耗品名リスト]をクリックします。

(4)範囲を修正する

[参照範囲]テキストボックスに「=リスト!$E$3:$G$64」と入力されているので「=リスト!$E$3:$G$66」と書き換え、チェックボックスをクリックしてから[閉じる]をクリックします。これで範囲の修正は完了です。

(5)セル範囲が更新されたことを確認する

名前の範囲が更新されたか確認しましょう。適当なセルを選択後、[名前ボックス]の[▼]から定義された名前「消耗品名リスト」を選択します。

セルE3からG66が選択され、範囲が更新されていることが確認できました。

参照したいセル範囲に名前を付けておけば直感的に操作できる

セル範囲に名前を付けることで、関数や数式で何を参照しているかが分かりやすくなります。また、必ず絶対参照できるため、参照方式のミスもなくなります。

これによって自分自身の作業がラクになることはもちろんですが、業務では複数人のスタッフで同じファイルを利用したり、引き継ぎをしたりする場面も多いでしょう。そのようなときに、ほかのスタッフが内容を理解しやすくなることも、名前を付けることの大きなメリットです。

行や列の増減があったときに範囲を修正する作業は少々手間かもしれませんが、それを補って余りある便利さがあります。ぜひ、いつも利用しているワークシートにも取り入れてみてください。

協力メディア

できるネット(https://dekiru.net)

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