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Excelのデータ加工が一瞬でできる強力ワザ

関数よりも簡単。何百件ものデータ連結・分割が一瞬で終わる「フラッシュフィル」

「フラッシュフィル」は、データの法則性を自動検出して加工できるユニークな機能です。条件に合うデータでは、関数などよりも簡単に使えて大幅な時短効果が得られます。ぜひ覚えて活用しましょう。

[2019年 7月 8日公開]

法則性があるデータの加工が短時間で完了

総務や人事の業務では、データを書類の形式やデータベースが求める形式に応じて加工する作業がしばしば発生します。例えば、社員名簿では一つの項目になっている「社員名」を、外部のデータベースに登録するため「姓」と「名」に分割する必要がある、といった場合、どのように加工するのがいいでしょうか?

「社員名」の姓と名が半角スペースなど決まった記号で区切られていれば、複数の関数を組み合わせて別々のセルに姓のみ、名のみを取り出せます。しかし、Excel 2013以降に搭載されている「フラッシュフィル」を利用すれば、もっと簡単な操作で姓と名を分割可能です。

一つのセルのデータを、セルの右下に表示される「フィルハンドル」をドラッグするだけで複数のセルにコピーできる「オートフィル」という機能があります。「フラッシュフィル」は、このオートフィルを発展させたもので、最初にサンプルとなるデータを入力してフラッシュフィルを利用すると、もとのデータとサンプルから加工の法則性を自動的に見つけ出し、複数のセルのデータを自動的に加工できます。

どのように使えるか、具体例を見ていきましょう。以下に、フラッシュフィルで名簿の「社員名」を「姓」と「名」に分割する手順を解説します。

フラッシュフィルで「社員名」を「姓」と「名」に分割する

(1)分割する「姓」「名」の列を用意する

ここで利用する社員名簿の「社員名」は、全て姓と名が半角スペースで区切られています。「社員名」の右側に新しい列を2列分挿入し、列見出しに「姓」「名」と入力しておきます。

(2)1行目にサンプルとなるデータを入力する

フラッシュフィルを利用する1件目のセルに、サンプルとなるデータを入力します。ここでは、セルD3に1人目の社員の姓「池畑」を入力します。

(3)フラッシュフィルを使う

セルD3を選択した状態で、[データ]タブの[データツール]グループにある[フラッシュフィル]ボタンをクリックします。表内のデータがあるD列のセルであれば、どこを選択した状態でも構いません。

(4)フラッシュフィルで全ての「姓」が入力された

フラッシュフィルが適用され、表の全ての行の「姓」に、「社員名」から姓の部分(半角スペースよりも前の文字列)が抜き出して入力されました。

(5)「名」の列もフラッシュフィルを利用する

同様に「名」の列でもフラッシュフィルを利用します。1件目となるセルE3にサンプルとして「雅美」と入力し、[データ]タブの[データツール]グループにある[フラッシュフィル]ボタンをクリックします。

(6)フラッシュフィルで全ての「名」が入力された

フラッシュフィルが適用され、表の全ての行の「名」に、「社員名」から名の部分(半角スペースよりも後の文字列)が抜き出して入力されました。

もとのデータによってはうまくいかない場合も

フラッシュフィルはデータの法則性を自動的に検出して加工しますが、データの状態によっては、意図したとおりの加工ができないこともあります。

上記の手順では姓と名を半角スペースで区切っていたため、半角スペースを基準に分割できました。しかし、半角スペースがない場合は、サンプルとして社員名「池畑雅美」と姓「池畑」を与えると、「もとのデータの先頭から2文字を取り出す」という法則性を検出してしまいます。すると、2文字でない「五十嵐」のような姓を適切に分割できません。

このような場合はもとのデータを加工して分かりやすい法則性を持たせるか、フラッシュフィルの利用を諦めるか、となります。常にフラッシュフィルが使えるわけでないことには、注意が必要です。

フラッシュフィルで適切な法則性が検出できない例

社員名の姓と名が区切られておらず、「姓」が「もとのデータの先頭から2文字」だと誤った法則性を検出してしまった場合。これではフラッシュフィルで意図したとおりの分割ができません。

フラッシュフィルでデータを連結する

フラッシュフィルでは、データの分割だけでなく連結も可能です。以下では、「都道府県」「市町村」「番地等」に三分割された住所を、「住所」として一つに結合する手順を解説します。

(1)「住所」列にサンプルを入力し、フラッシュフィルを適用する

「都道府県」「市町村」「番地等」の右側に列を挿入し、「住所」と見出しを入力します。1件目となるセルI3に都道府県、市町村、番地等を連結したデータを入力し、[データ]タブの[データツール]グループにある[フラッシュフィル]ボタンをクリックします。

(2)フラッシュフィルで住所が入力された

フラッシュフィルが適用され、表の全ての行の「住所」に、「都道府県」「市町村」「番地等」を連結した文字列が入力されました。

法則性を発見してフラッシュフィルを活用しよう

最初に手入力したデータをサンプルとして法則性を検出し、残りのセルに同じ加工を行えるのが、フラッシュフィルの特徴です。どのような場合でも意図どおりの加工ができるわけではありませんが、うまく利用すれば、大量のデータの加工を一瞬で完了できます。

応用例をご紹介しましょう。例えばメールアドレスからアカウント(「@」の前の文字列)を取り出すような加工は、法則性が非常に分かりやすく、フラッシュフィル向きです。

フラッシュフィルでメールアドレスからアカウントだけを取り出す

「メールアドレス」から「アカウント」を取り出して入力しています。メールアドレスには必ず「@」が一つ含まれるため、「@」より前の文字だけを取り出す加工は、フラッシュフィルが得意とする作業です。

ここまでの例では、もとのデータのすぐ右の列でデータを加工しましたが、ある程度離れた列でも、法則性を検出できます。

フラッシュフィルで使い離れた列にある日付から「年」「月」「日」を取り出す

M列の「生年月日」から、フラッシュフィルで年、月、日をそれぞれ取り出してQ列~S列に入力しています。なお、1件目のデータが「1977/12/12」のように月と日が同じ数値だった場合は、フラッシュフィルが適切に法則性を検出できません。そのような場合は、2件目のデータをサンプルとして入力すれば、問題なくフラッシュフィルを利用できます。

日ごろからデータを整えておくことで大幅な時短に

フラッシュフィルをうまく使えたときの効果は計り知れません。フラッシュフィルが使いやすくなるよう、可能な場面では、データを入力する段階で工夫を加えるといいでしょう。

例えば、氏名を入力する段階で、あらかじめ半角スペースで姓と名を区切っておくようにすれば、分割する必要が生じたときに、フラッシュフィルをすぐ利用できます。法則性が分かりやすいデータにすることを日ごろから心掛けておきましょう。

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できるネット(https://dekiru.net)

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