役立つ! 総務マガジン

Excel「シートの保護」で申請書のミスを予防

入力する社員に「ミスを起こさせない」ようセルをガードする

申請書のひな型を総務で用意しても、Excelを使い慣れない社員はミスを起こしがちなもの。「そもそもミスが起きにくい申請書」を作り、事務処理を効率アップしましょう。今回は、入力する必要があるセル以外を入力不可にして、ミスを防ぐ方法を解説します。

[2019年 7月22日公開]

特集:Excel申請書マスター

事務処理の改善は、全社の業務効率・働きやすさの大幅アップにつながります。Excelで入力する申請書も、便利な機能を活用して入力しやすく改善しましょう。

第31回 Excel「シートの保護」で申請書のミスを予防

今後の更新予定

第32回 Excel申請書に申請可能な金額の上限を設定(8月26日予定)
第33回 Excel申請書で入力の手間を軽減する「入力規則」(9月9日予定)
第34回 Excelの入力補助機能で究極の申請書を作る(9月24日予定)

「ここだけ入力すればいい」と迷わない申請書にする

経費の精算や出張の予定・報告など、申請書のひな型をExcelのブックとして提供し、社員が入力して提出するルールにしている企業は多いでしょう。しかし、利用する社員がミスをすると総務でもスムーズに処理できず、互いにストレスを抱えてしまうことがあるのではないでしょうか。

入力ミスを避けるには、注意書きを加えたり口頭で使い方を説明したりすることも大事ですが「ミスが起こりにくい申請書にする」ことも有効です。例えば、データを入力する必要があるセルだけを編集可能にし、ほかの場所には入力できないようにすれば、データの位置がずれるなどのミスを予防できます。

今回は、そのための「セルのロック」&「シートの保護」機能の使い方を解説していきます。

申請書のひな型を用意しよう

通常、Excelのワークシートは、全てのセルを誰でも編集できます。しかし「セルのロック」と「シートの保護」を利用することで、ロック解除を指定した特定のセルだけを編集可能な状態にできます。

セルのロックとシートの保護を設定する申請書の例

今回の解説で作成する申請書です。グレーで示した部分が申請のために入力が必要なセルで、これらのセル以外は編集できないようにロックします(実際に手順を解説する申請書には、グレーの色は付きません)。

「ロックを解除」してから「ワークシート全体を保護」する

セルのロックとシートの保護は、次の2ステップで行います。

  1. 入力を許可するセルを選択して、「セルのロック」でロックを解除する
  2. ワークシート全体に「シートの保護」を設定する

ここで重要なのが「ワークシートの全てのセルは初期状態でロックされていて、指定したセルだけロックを解除する」ことです。初期状態のワークシートは全てのセルを編集可能ですが、状態としてはロックされている、という点が直感的に分かりにくいので、注意してください。

実際に、セルのロックの解除とシートの保護を行う手順を見ていきましょう。

(1)入力を可能にするセルのロックを解除する

ここでは「出張申請書」の「氏名」欄の入力を可能にするため、セルのロックを解除します。該当のセルを選択した状態で[ホーム]タブの[セル]グループにある[書式]から[セルのロック]をクリックして、ロックを解除します。

初期状態では、メニューの[セルのロック]項目の左にあるアイコンがグレー地になっており、選択したセルがロック状態であることを表しています。

(2)セルのロックが解除されたことを確認する

ロックを解除しても、ワークシート上のセルには何の変化も起きません。しかし、同じセルを選択したまま[書式]を表示して、[セルのロック]項目の左にあるアイコンを見ると、グレー地がなくなっています。これは選択したセルのロックが解除されていることを表します。

(3)複数のセルのロックをまとめて解除する

同様にして、入力を可能にする全てのセルのロックを解除しておきます。[Ctrl]キーを押しながら複数のセルをクリックして選択し、[ホーム]タブの[セル]グループにある[書式]から[セルのロック]をクリックすると、複数のセルのロックをまとめて解除できます。

(4)シートの保護を設定する

ロックの解除が完了したら、次にワークシートの保護を行います。[ホーム]タブの[セル]グループにある[書式]から[シートの保護]をクリックします。

(5)保護内容を選択する

[シートの保護]ダイアログボックスが表示されました。ここでは既定の設定のまま[OK]をクリックします。これで、自分を含む全てのユーザーは、セルの選択はできてもロックを解除したセル以外では、書式設定などの編集ができない状態になります。

[シートの保護]ダイアログボックスの[シートの保護を解除するためのパスワード]にパスワードを設定すると、ほかのユーザーが勝手に保護を解除することを防止できます。ここでは誤入力防止のためにシートを保護するだけなので、[シートの保護を解除するためのパスワード]は設定していません。

シートの保護を解除するには、[ホーム]タブの[セル]グループにある[書式]を再度表示します。すると[シートの保護]が[シート保護の解除]に変わっているので、これをクリックします。

(6)ワークシートが保護されていることを確認する

保護の状態を確認するため、ロックを解除していないセルに何か入力してみましょう。すると、[変更しようとしているセルやグラフは保護されているシート上にあります]という警告のダイアログボックスが表示され、入力できないことが確認できます。

(7)ロックを解除したセルにデータを入力する

続いて、ロックを解除したセルにデータを入力し、問題なく入力できることを確認します。

(8)[Tab]キーでセルを移動する

通常は[Tab]キーを押すと右隣のセルにカーソルが移動しますが、セルのロック解除とシートの保護を設定した状態では、次の編集可能なセルに移動します。ここでは[氏名]を入力するセルB4~C4で[Tab]キーを押すと、[所属]を入力するセルB5~C5に移動します。

編集を制限することで誰もが使いやすい申請書に

Excelはさまざまなことができる自由度の高いアプリケーションですが、社員にExcelで申請書を作成してもらうような場合では、できることの多さがミスの起きやすさにつながってしまうこともあります。今回解説したセルのロックとシートの保護で編集できる範囲を制限することで、入力する社員が間違えたり戸惑ったりすることを「仕組み」で減らすことができるのです。

社員は申請書の作成が楽になり、取りまとめて処理を行う総務でも、チェックや差し戻しなどの作業を減らせます。適切に編集を制限した申請書で、全社的な効率化と時短を実現しましょう。

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