役立つ! 総務マガジン

Excel申請書に入力可能な金額の上限を設定

入力ミス防止と同時に「経費の上限は○○円まで」とルールを徹底!

イレギュラーな数値が入力された申請書は、確認する総務にも修正する申請者にも、余計な手間を増やしてしまいます。あらかじめ入力できる数値の範囲を設定し、こうしたトラブルを防止しましょう。

[2019年 8月26日公開]

特集:Excel申請書マスター

事務処理の改善は、全社の業務効率・働きやすさの大幅アップにつながります。Excelで入力する申請書も、便利な機能を活用して入力しやすく改善しましょう。

今後の更新予定

第34回 Excelの入力補助機能で究極の申請書を作る(9月24日予定)

[入力の制限]で入力ミスやルール違反をシャットアウト

出張や備品購入などの申請書に不備があると、そのたびに総務や経理の仕事が増えてしまいます。単純な入力ミスであれば修正したものを申請者に再提出してもらえば済みますが、例えば「出張時の宿泊費は一泊当たり消費税込みで12,000円まで」とルールが決まっているのに「やむを得ない事情があった」として超過した金額を申請するなど、差し戻し時に申請者へ説明や交渉が必要になるケースもあるのではないでしょうか。

Excelでは、セルに入力可能な数値の範囲を設定することが可能です。宿泊費は一泊12,000円までと決まっている場合、宿泊費のセルに入力できる最大値を12,000に設定しておくことで、超過した金額はそもそも入力できないように制限できます。また、超過した金額が入力されたときに、社内のルールではこうなっている、といった説明を画面上に表示することもできます。

ミスの防止とルールの徹底のために、入力できる数値を限定する「入力規則」を使いこなしましょう。

入力規則で指定した範囲外の数値の入力を制限する

本連載の第6回(入力作業を「時短」するExcel三つの基本ワザ)では、入力規則を使ってセルごとに日本語入力をオン/オフする方法を解説しました。入力規則でできることはこれだけではなく、入力できるデータの種類を「整数」や「日付」のように制限したり、入力できる数値の範囲や最小値または最大値を設定したりできます。また、無効な(規則から外れた)データが入力された場合に、独自のエラーメッセージを表示するようにもできます。

第6回 入力作業を「時短」するExcel三つの基本ワザ

今回は、出張申請書の宿泊費の入力欄に入力できる数値の最大値を12,000に制限し、それ以上の数値が入力されたときには、申請できる宿泊費は12,000円以下である旨のエラーメッセージを表示するようにします。

(1)セルを選択し、入力規則の設定を開始する

入力規則を設定したいセルの一つ(ここではセルC28)を選択し、[データ]タブの[データツール]から[データの入力規則]→[データの入力規則]の順にクリックします。セルC29~C30への設定は、セルC28の入力規則を全て設定した後で行います。

(2)[データの入力規則]で最大値を設定する

[データの入力規則]ダイアログボックスが開くので、[設定]タブ内の[入力値の種類]に[整数]、[データ]に[次の値以下]を選択し、[最大値]に「12000」を入力します。完了したら[OK]をクリックします。

(3)入力規則をテストする

入力規則を設定できました。続けて、テストとして設定した最大値を超える数値を入力してみます。

(4)入力が無効になったことを確認できた

入力を確定しようとするとエラーメッセージが表示され、入力が無効化されました。ここで表示された[この値は、このセルに定義されているデータ入力規則の制限を満たしていません。]というエラーメッセージは最初からExcelに用意されているものです。エラーの理由などを説明した独自のエラーメッセージを設定しましょう。

エラーの理由が分かるメッセージを設定する

入力した数値がエラーになったとき、申請者はその理由や対処方法が分からないと適切な修正ができません。入力規則を選択して再度[データの入力規則]ダイアログボックスを表示し、無効の理由や修正方法を説明するエラーメッセージを設定します。

(1)再度[データの入力規則]ダイアログボックスを表示する

入力規則を設定したセルC28を選択し、[データ]タブの[データツール]から[データの入力規則]→[データの入力規則]の順にクリックします。

(2)入力時のメッセージを設定する

[入力時メッセージ]タブをクリックし、[タイトル]に「宿泊費の上限に注意」、[入力時メッセージ]に「宿泊費上限は1泊につき12,000円です。それを超えない値を入力してください。」と入力します。ここで設定した入力時メッセージは、申請者が該当するセルを選択したときに表示されます。

(3)エラーメッセージを設定する

次に[エラーメッセージ]タブをクリックし、エラーメッセージを設定します。[スタイル]に[停止]を選択し、[タイトル]に「上限を超えています!」、[エラーメッセージ]に「宿泊費上限の12,000円を超えています。「12000」以下の値を入力してください。」と入力し、[OK]をクリックします。

ここで設定できるエラーメッセージの[スタイル]には、[停止]のほか[注意]と[情報]があります。[停止]は無効なデータが入力できないようにしますが、[注意]ではエラーメッセージが表示された後[はい]をクリックすると、無効なデータの入力も許容するようになります。[情報]も、エラーメッセージは表示しても無効なデータを受け付けます。

無効なデータの入力を許容しない場合は、必ず[停止]を選択しましょう。

(4)入力時メッセージを確認する

以上で入力規則の設定が終わりました。セルC28を選択すると、設定した入力時メッセージが表示されることをご確認いただけます。

(5)エラーメッセージを確認する

続けて、最大値を超える数値を入力し、設定したエラーメッセージが表示されることを確認します。

データの入力規則をほかのセルにも適用する

ここまでは一つのセル(セルC28)だけに入力規則を設定しましたが、セルC29~C30も宿泊費の入力欄なので、同じ入力規則を設定しましょう。入力規則をコピーして貼り付けることも可能ですが、以降の手順では、入力規則を再度設定する形で行います。

セルC28を含めたセル範囲を選択してから[データの入力規則]ダイアログボックスを表示することで、セルC28に設定した入力規則を選択したセル範囲全体に適用できるようになります。

(1)セル範囲を選択して[データの入力規則]ダイアログボックスを表示する

セルC28~C30を選択し、[データ]タブの[データツール]から[データの入力規則]→[データの入力規則]の順にクリックします。

(2)入力規則の適用範囲を拡大することを確認する

データの入力規則を設定したセルと未設定のセルを同時に選択しているため、既存の入力規則が未設定のセルにも適用される、という注意が表示されました。確認して[はい]をクリックします。

(3)入力規則の設定を完了する

[データの入力規則]ダイアログボックスが表示され、セルC28に設定した内容が表示されます。そのまま[OK]をクリックして、セル範囲全体に設定します。

(4)入力規則が適用されたことを確認する

セル範囲全体に入力規則が設定されたことを確認します。セルC30にカーソルを移動すると入力時メッセージが表示され、セルC30にも入力規則が設定されていることが分かります。

申請書自身にチェック機能を持たせて業務を効率化

社員が入力してくる申請書には、さまざまな理由によるミスや、ルール無視の内容が入り込んでくる可能性があります。その対応のために総務や経理の作業が増えるだけでなく、人の目によるチェックだけでは、どうしても漏れが発生しがちです。

そこで、今回解説した入力規則を使いこなしましょう。単純な数値のチェックなら、Excelの方が漏れなくできます。また、人間相手なら多少のルール違反も大目に見てくれるのでは……と考える申請者も、機械的にはじかれてしまえば、甘えは通用しないと考えるものです。機械(Excel)と人間の二段構えの体制で、効率よく事務処理を進めましょう。

協力メディア

できるネット(https://dekiru.net)

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