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「働き方改革」総務・人事・経理の役割とは

働き方改革の推進で中心的な役割を担うのは「総務・人事・経理」の各部門。全社的な働き方(業務内容)を検証し、土台となる基幹業務の効率化を進め、働きやすい環境を創造しましょう。

[2018年 2月22日公開]

総務部門の課題:働きやすい就業規定の見直しと新しいルールの周知徹底

働き方改革は、文字どおりこれまでの労務環境を見直し、新しい環境を構築する改革です。この改革を成功につなげるには、経営層と従業員が一体となって進めていく必要があります。総務部門の大きな役割は、経営者の意思と従業員の意見を把握し、一つの方向に集約してルール化することです。また、新しいルールを定めたらその周知徹底を図ることが主な業務となります。

総務部門は経営層と社員の大きな架け橋として機能

新しい労務環境を作るには、これまでの慣習を大きく変えることになります。しかし、慣習は掛け声をかけただけでは変えることは困難です。

なぜ変えるのかをきちんと理解してもらい、周囲の環境を整え、慣習を変えることのメリットが利用者側に体感できることが必要です。「業務効率が向上し、時間や場所がフレキシブルな環境でも安心して快適に仕事ができる」という効果が分かるような改革を目指しましょう。

慣習をできるだけスムーズに変えるポイント

例えば、残業時間を抑制する場合、実施するには働く現場の理解を得ることが前提となります。

なぜ残業を減らすべきなのか、残業をしない方法とは、仕事のスタイルをどう変えればよいかなどをきちんと話し合い解決策を見いだすことが必要です。それを研修などで周知・啓発していかなければ、仕事に理解のない会社と思われ不信感が増長し退職・転職につながりかねません。

残業禁止をルール化した多くの企業で実施しているのが強制的なオフィス照明の定時消灯です。これは「照明が消える」という視覚から来る心理的効果が高いといわれています。しかし、これを総務担当者が各部屋の電気を消して回ると「業務中になぜ消すのか」といったトラブルが発生しかねませんし、総務の方の負担も逆に増えてしまいます。

かつて夏場の総務担当者の重要な仕事は「各部署の冷房温度管理」といわれ、各部署を1時間置きにチェックしていた企業もあり、総務部員が見えなくなったら、また元の温度に戻すといういたちごっこが笑い話となったこともあります。これと同じように各部屋の照明を消しても、また点灯すれば意味がありません。

理想的なのは、時間になると自動的に照明がコントロールできるシステムを導入することです。照明や電気を詳細に管理・コントロールできれば、管理負担が軽減され節電の推進にもなります。

人事部門の課題:働き方の可視化と人材採用・育成

働き方改革は、これまでの勤務時間を中心とした管理から、業務内容や成果に評価軸を移行することが必要です。もちろん、それに伴った人事考課システムが必要となります。勤務管理については、フレキシブルな就労時間や在宅勤務などの多様な勤務形態に対応した労務管理システムを構築しなければなりません。そのために必要なのが「勤務実態の可視化」です。

個々の社員の業務を詳細に把握するのが改革の第一歩

例えば「営業担当者」であれば、具体的に以下などを洗い出し、効率化の阻害要素を探り、その解決方法を検証します。

  • 担当する顧客
  • それぞれの売り上げ実績
  • 売り上げ内容
  • 打ち合わせ・会議時間(社内・社外)
  • 見積書・請求書の書類作成時間
  • 提案書・仕様書の作成時間
  • 連絡時間(電話・メール・FAX)
  • 移動時間
  • 接待・交際時間
  • 残業時間
  • 休日出勤状況、有給休暇消化状況

これにより適正な人員配置も見えてきます。これらの情報をゼロから把握するには大変な労力がかかりますが、グループウェアのスケジュール管理に、パソコンの利用状況などを自動的に把握できる仕組みを付加するなど、日常的に負担なく業務内容を管理する方法を検討してみましょう。

自社の方向性に共感する人材の獲得と育成

働き方改革の基本は、仕事とプライベートの両立です。短時間に効率よく働くことで、勤務時間を削減し余暇を充実して過ごすという大きなメリットを創出することです。しかし、勤務時間や場所がフレキシブルになることで一体感がなくなり会社と社員の関係が希薄になるのではという不安も生じます。そのため、新規に人材を採用する際には、会社の目指す方向と応募者の目指す方向がどのように一致するのかという確認が欠かせない要素となります。

さらに応募者のさまざまな生活環境や要望(結婚・出産・育児・介護・勤務地・勤務日数/時間・収入)も一致すれば、入社後大きなパワーを発揮してもらえ、フレキシブルな労務環境でも帰属意識の高い安定した戦力となるでしょう。

少子高齢化が進むにつれて、採用時期や採用方法も多様化していくことになりますので、これまで以上にSNSなどを利用したコミュニケーション型の採用ノウハウを検討されることをおすすめします。

人材の育成も、個々の社員の目指す方向に沿ったキャリアアップを基本に、勤務内容や形態に応じた教育を施すことになります。社員を一堂に集めて相互のコミュニケーションを重視する研修と個別にインターネットなどのメディアを通じて展開するなど研修方法も組み合わせて行うことが必要になってきます。教育・研修は人事評価や人事異動と連動することで育成効果を継続的に検証すると共に、多様な人材をできるだけ長期的に戦力として活用していくことが、これからの人材育成のポイントとなります。

経理部門の課題:経費を可視化し共有と簡素化を推進

「働き方改革」の基本となる業務効率化を推進するうえで必要となるのが「見えない費用の可視化」。これは人事部門の勤務実態の可視化と連動します。

例えば、「自宅→会社→取引先→会社→自宅」という経路を、「自宅→取引先→自宅」とした場合、交通費と移動時間がどれくらい変化するのかを「見える化」するということです。

また、手書きの交通費精算書をオンラインで簡単入力することで、従来30分かかっていたものが10分で済んだ場合、以下計算式の節約金額が設備投資の目安となります。

節約金額
(短縮できた)20分×作成者時給換算×回数(年間)×対象社員数

さらに申請・承認もオンライン化することで、時間に左右されず、どこからでも交通費の精算が可能になります。同様に見積書や請求書もオンライン決済することで、そのために出社や残業することもなく迅速に提出できるようになります。その結果経理部門で必要な経費や入金の見通しなどの情報も短時間に把握できるでしょう。また、この情報はできる限り多くの社員で共有管理することで、状況把握や間違いを見つけやすくすることにつながります。もちろん、セキュリティ対策を十分に施し、厳格な運用と管理を徹底することが前提となります。

大塚商会は三つのテーマで「働き方改革」を支援します

「労働環境の見なおし」はセキュリティ対策から

「働き方改革」に欠かせないのは、オフィス以外でも仕事が可能な環境づくり。とはいえ、最初から大がかりな整備は必要ありません。まずは「安全性」の確保がポイントです。

労働環境を見なおすと働き方が変わる

「テレワーク」は、職場の環境に近づけられるソリューションを選択

在宅勤務やモバイルワークで問題になりやすいのは、労務管理やコミュニケーション不足。テレワークソリューションの選び方が重要です。自分の会社にあったソリューションの選び方を紹介します。

テレワークで広がる「働き方」

「残業抑制」には、働きやすい環境や、帰るきっかけを用意

長時間労働の改善は、個人の努力に頼ると従業員に負担を強いてしまうことも考えられます。身近なITを上手に活用すれば、労働時間を適切に管理したり、"帰るきっかけ"をつくったりすることも可能です。

残業抑制は生産性向上のカギ

「働き方改革」に関する導入事例

電気料金を含めた総合提案でトータルコストを大幅に軽減

株式会社ジェー・シー・アイ 導入事例

大塚商会さんの提案は、計画的に全社規模のコスト削減を図りながら、同時に業務効率を高めることができる理想的な内容でした。そのため、当社の役員も「ぜひやろう!」と即座に納得して承諾を得ることができました。

著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。