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働き方改革とコスト。いくらかかり、どこが減るのか

働き方改革とコスト削減の両立で企業と社員を活性化!

働き方改革とコスト削減は、どちらも現状業務の見直しと業務効率アップという、大きなくくりで共通する要素が多くあります。今回は、働き方改革の視点からコスト削減を考察してみました。

[2018年 3月 5日公開]

「間接コスト」の明確化がコスト削減の第一歩

製品やサービスを提供するうえで直接原価となる材料費や生産に関わる労務費などを「直接コスト」といいます。これに対して、商品に直接結び付かない総務・経理など事務部門の人件費や、オフィス家賃・光熱費・通信費などが「間接コスト」と呼ばれるものです。

直接コストは提供価格の設定を行う際に収益算出の基本となるため、仕入れ価格の交渉・設定など厳密に算出されている場合がほとんどです。しかし、間接コストは「定価」のような基準となる数字が分かりにくく、慣習的に予算が決められる場合が多くなっています。この「慣習的に」という部分に無駄が潜む可能性が高く、コスト削減を考える場合は間接コストとその効果を分かりやすく分析することが重要なポイントとなります。

業務全てに費用を設定してみる

働き方改革ではまず、業務の視覚化(見える化)を行います。「間接費」についてはなかなか分かりにくい点もありますが、あわせて視覚化してみましょう。視覚化とは時間や労力、クオリティを明らかにすることです。コストを明らかにするため、視覚化するポイントはその「費用」です。

例えば、会議を行うといくらかかかるのかを算出する場合、直接の費用は「会議時間×出席者の人件費(時給換算)」となりますが、厳密に算出すると、会議出席のために資料を作成する時間(人件費)、会議室を借りた場合の会場費やプロジェクターの使用料などの設備費・光熱費も含めての費用が会議費となります。工場や営業拠点が複数ある場合は、会議出席による移動のための費用・労力も大きくなります。

普段あまり気にすることのない会議に意外に費用がかかっていませんか?

費用が分かればそれに見合った会議結果を出しているのか、あるいは結果を出すためにはどのような会議運営をすればよいかを検討するきっかけとなります。これによって無駄な会議や長時間の会議が減る可能性が高まります。また、出席者が広域にまたがる場合は、テレビ会議システムの導入も有効なコスト削減手段の一つとなるでしょう。

このように、今まで当たり前のように行ってきた業務のそれぞれを費用設定してみると「間接コスト」が数字で明確化されてきます。欠かせないと思われるコスト、かけ過ぎていると思われるコストも見やすくなります。

費用が分かれば、次は費用対効果を検証します。

例えば、慣習として贈っているお歳暮と売り上げ推移の比較などです。必要なものと不必要なもの、効果の高いもの低いものに分類していきます。

通常は、全社で支出金額の割合が大きく、労力もかかるものから圧縮を検討します。これは働き方改革にも通じる作業です。無駄な費用を削減することは無駄な労力を軽減することにつながる場合が多いのです。

全社的な視点とコストパフォーマンス

社員一人あたりの労力としては少ない割合でも、会社全体でまとめれば大きな間接コストとなる場合があります。

例えば、PCの起動で1分待つ場合、年間200日の利用で200分待つことになります。全社員を1,000人とすれば年間の待ち時間は200,000分(約3,333時間)になり、全社員平均の時給換算金額が2,000円の場合、年間で約6,666,000円となります。3年間使用すると約2,000万円にも達するのです。

このような考え方で常に最新で起動の早いPCを購入している企業もあります。社員一人あたりとしては気にならない無駄でも、対象社員の数が多くなれば積み重なり、意外な削減効果を見いだす対象となるからです。以前より冷暖房をはじめとした光熱費はコスト削減の対象となっていますが、LED照明など消費電力が低減した製品が次々と開発されていますし、利用しないときは自動的に電源を消すなどの管理運用の負担を軽減するシステムもありますので、設備を更新する際は数年単位の運用を踏まえて検討することをおすすめします。

設備購入では購入価格を低く抑えることを強く意識しますが、導入後の使い勝手や運用コストを十分に勘案して「コストパフォーマンス」(費用対効果)の高い設備を導入することがポイントです。安く購入しても使い勝手が悪ければ利用者に大きなストレスを与えますし、最悪の場合、利用されなくなる可能性もあります。安物買いの銭失いにならないよう、留意したいものです。

利用目的や具体的な希望をヒアリングし、実際に試用してから判断するなど導入前に十分な調査・検証を行うことが失敗のない導入方法となります。

コスト削減を推進するポイント

  • 日常業務を全て費用設定する
  • 費用対効果(コストパフォーマンス)を検証する
  • 導入は一時的なコスト削減、運用は長期的なコスト削減
  • コストの削減と労力の軽減を両立

コスト削減を成功するために必要なこと

業務見直しの結果、課題が浮き彫りになったら、削減の実施方法を検討します。

実施のポイントは、「社員に大きな負担をかけずに着実に効果を出す」ことです。

特に、習慣を変える場合は、慣れるまでに大きなストレスが発生します。効果が分かりにくければ「我慢を強いる」だけと受け取られます。ただ単に「削減」するのではなく、削減で浮いたお金を何に使うのかをできるだけ具体的にすることで「共感」を得ることが大切です。例えば、プライベートで「旅行に行くために無駄な出費を減らす」場合など、節約目的と節約後の楽しみが想像でき、節約のストレスは少なくなるでしょう。これに似た演出を心掛けましょう。

働き方改革もコスト削減も「達成すると何が実現するのか」を明確にすることで、経営層・社員が共通の目標・目的に向かって一致団結して推進していけることが成功の鍵です。

そのため、コスト削減の実施前に、以下を周知します。

  • 目的と削減理由(例:販売シェア○○%拡大を達成するため、経費の見直しを実施し、社内インフラ設備の充実を図る)
  • 予測されるメリット・デメリット
  • デメリットを回避する方法

実施後は、社員とのコミュニケーションを取り、問題点の有無を確認し修正すべき点があれば対応します。さらに達成度を把握し「○○部100%達成!」などと進展状況を適宜アナウンスし、削減アクションを盛り上げていくことでコスト削減への意識はさらに高まっていきます。

コスト削減を達成するための6ステップを、以下の図にまとめました。

総務・人事部門が収益部門に変化する

間接部門と呼ばれ、間接コストと同じように会社の売り上げには直接関与しないと思われている総務や人事をはじめとする事務系の部門ですが、働き方改革とコスト削減を両立すれば収益を生む直接部門的な役割を果たすことになります。

無駄な作業を削減し業務効率化を図ることで、競合他社との競争では、一歩先を行くクイックレスポンスが可能となってきます。また、製品を生み出すための手間や労力が軽減すれば、ライバル企業と同じスペック・クオリティの製品を低価格で提供することもできます。売り上げ向上とコスト削減、労務の軽減により会社全体が余裕を持つことで社員が活性化し、企業が健全に発展していきます。

IoTやAIなどの普及により働き方も大きく変革し、コスト削減の方法も多様化し変化しています。まずは身近な無駄を見つけることから「働き方改革&コスト削減」を始めてみてください。

有効なコスト削減手段とは

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テレビ会議(ビデオ会議)システムを使えばコストと時間を削減できます。さらに活発な情報共有が可能になり、職場の活性化、迅速な意思決定が行えます。

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「テレビ会議」に関する導入事例

全体会議に活用することで、年間数千万円もの出張コストの削減を試算

株式会社船井総研ホールディングス 導入事例

テレビ会議システムは簡単な打ち合わせから月例の会議までさまざまな場面で活用されていますが、特に大きな成果は出張コストが削減されたことです。

全体会議は月に2回開催されそのうち1回をテレビ会議に切り替える計画です。これまで1回の会議で100名ほどが移動していたので、年間で数千万円の出張コストを削減できると試算しています。

さらに時間の節約なども勘案すると非常に大きなメリットになるといえます。

著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。