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社内コミュニケーションの活性化策

円滑な「社内コミュニケーション」は企業の活性化をもたらします

「風通しの良い職場」とは、円滑なコミュニケーションが取れる職場を指します。社員同士で言いたいことが言え、議論が活発になり、お互いに刺激し合うことで企業は活性化していきます。

[2018年 4月 2日公開]

社内コミュニケーション=企業風土

会社内のコミュニケーションを活性化するには、経営層のリードが欠かせません。そのうえで、総務・人事部門が具体的に環境を作っていくことが重要なポイントとなります。

経営者がどのような企業を目指すのか、社員にどうあってほしいのか、またそのために何が必要なのかを考え、コミュニケーション活性化につながる施策を立案し実施する必要があります。時間をかけて円滑なコミュニケーションが醸成することにより、企業の拡大・発展につながる新たな「企業風土」が生まれます。

社内の人間関係は縦・横・斜めの3タイプ

社内のコミュニケーションタイプを分類すると、三つのタイプに分かれます。

縦コミュニケーション:上司と部下の関係

社内の人間関係で最も大きな要素は、役職や年齢、先輩・後輩という関係です。しかし、この関係は、行き過ぎると能力や業績よりも力関係が優先され組織の硬直化を招きかねません。また、パワハラやセクハラなどのさまざまなトラブルが発生する温床ともなり得ます。

縦コミュニケーションのポイントは、信頼関係の醸成です。同じ仕事をする仲間として、互いに信頼し合いそれぞれの役割を果たすことが重要です。そのためには「報・連・相」という日常的な業務報告・連絡・相談を密に取ることが必要です。これは新入社員の基本として指導されることですが、業務に関しては上司も同じ姿勢が必要となります。報告をした部下から「報告した案件はどうなったのだろう…」と思われないように部下に状況を伝え、案件がうまく進まない場合は部下に報告することも重要です。この繰り返しによってコミュニケーションが活性化し、信頼関係の醸成につながります。上下の関係を問わず、報・連・相を行うことをおすすめします。

横コミュニケーション:同僚・同期の関係

横コミュニケーションは、同僚・同期といった対等な関係です。同世代としてコミュニケーションが取りやすい関係でもあります。企業規模が大きくなると、部署の異なる社員同士がコミュニケーションを取る機会が少なくなり、企業としての一体感が希薄になりがちです。異なる部署に配属された同期社員がコミュニケーションを取り合うことは、会社全体のバランスを保つうえで、重要な役割を果たすことになります。これは同期社員が実績を積み、それぞれの部門の管理職になると、部門間の連携や調整に大いに役立つ可能性があります。

横コミュニケーションのポイントは、「相互サポート」です。同世代ならではの不安や悩みを解決し合うことで、組織の利害にとらわれない「腹を割って話せる」関係を築きましょう。お互いを刺激し成長する良きライバル関係になることが理想です。

斜めコミュニケーション:部署の枠を超えたプロジェクトや社内同好会

プロジェクトや防災委員などの全社活動、生け花、英会話、フットサルなどの社内同好会に参加することで、日常業務では接触する機会の少ない他部署の社員とコミュニケーションを取ることになります。この場合はお互いが初対面で始まる場合が多いので、自己紹介・自己PRで自分に興味を持ってもらえることが第一歩となります。

また、業務プロジェクトであれば「仕事」、全社活動であれば「活動目的」、同好会であれば「趣味・趣向」という共通のコミュニケーションテーマがありますので、短時間にコミュニケーションが図れるメリットがあります。多様な社員が一つの目標に向かってまとまることは、企業の一体感や活性化にも大きく寄与します。

斜めコミュニケーションのポイントは、「積極的な参加を促す」ことです。無理やり押し付けられた形での参加はコミュニケーションの阻害要因となり、組織の一体感どころか足並みが乱れる結果になりかねません。
リーダーとなる人は、目的や活動内容を積極的に周知することが重要です。また社内プロジェクトの場合は総務部門や人事部門が人事評価も含めて、参加社員所属長との業務調整を行っていく必要があります。

社内コミュニケーションを活性化するには

社内のコミュニケーションは、同じ仕事をしている自席周辺、直属の上司、同期と意外にも限定されていることが少なくありません。

また、経営層も役員同士や秘書、総務・経理・人事などの事務系管理職とのコミュニケーションしかしていない、ということが多くなります。

このような閉鎖的な状態を放置しておくと、コミュニケーションが分断され、部門間の差異が生じ「うわさ話」が横行する会社となってしまいます。

そのような事態を防ぐためには、より多くの、多彩なコミュニケーションの機会を創出する施策が必要になります。

ダイレクトコミュニケーション施策

所属部署の業務以外に、直接的なコミュニケーションを図るための主な施策としては、以下のような機会があります。

  1. 研修会
  2. 社内プロジェクト
  3. 行事・イベント

それぞれ直接顔を合わせて話のできる機会となります。

研修会

研修会の主たる目的は、業務スキルの向上です。コミュニケーション能力も業務スキルと捉えて、あいさつ・言葉遣い・マナーをはじめ、メールやSNSの使い方などを教育します。特に自己紹介の上手なやり方を訓練すると、社外でも役立ちます。

同時に宿泊を伴う研修では「懇親会」として同じ釜の飯を食べ、宿舎の同室となった社員同士でより深いコミュニケーションを図ることも可能です。単なる「飲み会」とならないように、「失敗談を語る夜」「自分の強みと弱みを一つずつ」など、硬くならない程度のテーマを用意する演出も必要です。参加者の選定も階層別や新入社員研修を除いては、なるべく多くの社員とコミュニケーションが取れるように参加調整やグループ分け、宿舎の部屋割りを行います。

この場合、全く恣意的な調整を行わずにランダムに振り分ける方法もありますが、事前アンケートなどで共通課題を持つ社員同士で振り分け、割り振りの意味を参加者にも伝えることで、短時間でより効果的なコミュニケーションを図ることが可能となります。

社内プロジェクト

業務改善委員会などの会社全体の規定やシステムの変更、社屋の移転・模様替え、地域での清掃活動や祭事の参加、防災活動などで各部署から参加者を募る社内プロジェクトがあります。プロジェクト成功のポイントは、参加社員集めにあります。

プロジェクトの主旨に賛同して自発的に参加する人間の割合が多ければ、プロジェクトは活性化し成功するでしょう。反対に、主旨も分からないまま上司に強制的に指名されて参加したのでは、積極的な働きは期待できません。

コミュニケーションの醸成も同じです。社内プロジェクトは総務部門が主体となる場合が多いので、社内プロジェクト推進のノウハウを蓄積するために、参加者の事前・事後のアンケートを採るなどして、うまくいった点と課題点を整理して次の取り組みに生かすとよいでしょう。

行事・イベント

コミュニケーションが図れる社内行事の代表例としては、「社員旅行」「運動会」などがあります。昭和の高度成長期には多くの企業が実施していましたが、近年は減少傾向となっています。しかし、「若手社員から上司とコミュニケーションが取れる良い機会だ」「一体感を持てる機会が欲しい」との要望で復活する企業もあります。在宅勤務など会社を離れて働く人が増えると、一体感を求めて社内行事やイベントが催行される傾向が強まっていくのではないでしょうか。

社内メディアの活用

直接コミュニケーションを図る施策は、効果は高いものの頻繁に行うことは困難です。そのため、社内報や社内Webなどの社内メディアの活用が必要となります。

情報を伝達するメディアにはそれぞれ異なる特性がありますので、それらを組み合わせて効果的に活用することがポイントです。

社内メディアの種類と特性

社内報

印刷メディアは片方向からの情報提供となりますが、限られた紙面や字数で的確に情報を伝えるために、客観的で分かりやすい表現が必須となります。また社員が興味を持って読むための工夫も必要です。社長の経営方針が若手社員に読まれないため、新入社員をインタビュア―として社長の経営方針を伝えている会社もあります。新入社員が社長とどのようなやり取りをするのか、社員の注目を集めて読まれるようになったそうです。

また、担当者が直接説明するよりも、編集を担当する社員の視点を通すことで、難しい内容の業務が端的に分かりやすく伝えられます。社員の趣味や出身地などの社員の人柄が分かる記事は、初対面の際の会話の糸口として役立ちます。

印刷物の利点として、ネットのメディアではセキュリティの関係で難しい「家族にも読んでもらう」ことが、社内報では容易にできるようになります。社員を支える家族への情報伝達も欠かせない役割となっています。社内だけでなく、家族や関係会社でも読まれることを前提として、社外秘情報や個人情報の記載には十分な注意を払ってください。

社内Web・サイネージ

インターネットを通じた情報伝達のメリットは、「速報性」にあります。社内報で取り上げた記事のその後の進展や、詳細をリアルタイムに伝えることができます。また、関連する情報もリンクで簡単に知ることができます。最近ではスマホで簡単に撮影できるようになったビデオを活用するケースも増えています。

社内サイネージは時間帯を変えて同じ映像を何度も放映するため、営業の成功事例ビデオを繰り返し視聴しているうちに、自然と社員の脳裏に刷り込まれているという教育効果を発揮しているケースもあります。

メール・SNS

日常的に利用されている手軽な双方向メディアです。業務での使用がメインとなるため、企業コミュニケーションの利用は緊急の連絡に限定している企業が多くなっています。
SNSの利用は便利な反面、使い方を間違えると重大なトラブルにつながるリスクもありますので、利用にあたってはルールを定め、研修などで周知することがセキュリティ上でも重要となります。

「社内コミュニケーション」に役立つソリューションをご紹介

社員同士の業務連絡をもっと簡単にするには

社内のコミュニケーションを効率化するには、グループウェアの利用がおすすめです。

スケジュール共有機能、アイデアや気づきをシェアするための掲示板、ちょっとしたコミュニケーションに有用なインスタントメッセージ、ファイルを受け渡すための共有フォルダーなど、目的や場面に合わせてさまざまなコミュニケーション手段を利用できます。

「オフィスサイネージ」を社内の情報共有として活用

オフィスや店舗のバックヤード・工場など、社内で共有すべき情報を、デジタルサイネージで配信できます。

作成した資料を人数分印刷して配る手間が省けるため、経費削減になるほか、緊急で通知したい情報もすぐに共有することができます。

著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。