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「決算書」は企業の成績表

決算書は会社の成績表。決算書で会社の状態が分かります。

企業における1年間の活動状態は、年度決算により「決算書」という形でまとめられます。決算書は簡単な経理の知識があれば誰でも分かります。ここでは簡単な決算書の読み方をご紹介します。

[2018年 6月 4日公開]

決算書で企業の現状を把握し次に備える

決算書は企業の成績表とも呼ばれ、誰もが企業の業績を客観的に判断できる資料となります。決算書の読み方を知ることで、自社の状態だけでなく、お付き合いしている企業やこれから取引が始まるかもしれない相手企業の状態を知ることができます。

経営層や経理関係者だけでなく、社員も決算書の読み方を理解し、自社の経営状態や取引先の状況を把握することで、次の施策を判断する際の情報として有効活用することが可能となります。

決算書とは

決算書は正式には「財務諸表」といい、企業が事業年度の終わりに自社の経営成績や財務状況をまとめたものです。財務諸表等規則により、用語、様式、作成方法が定められています。

事業年度は会計期間とも呼ばれ、多くの企業では1年間で区切られています。4月から3月を事業年度とする会社が多いため、3月になると「年度末だから…」という言葉をよく耳にするかと思います。

また、上場企業では決算から3カ月以内に株主に対して経営状態を報告しなければなりませんので、6月になると3月決算の企業が株主総会を行います。

決算書は簿記用語が用いられるため、経理関係の知識がないと何のことか分からないと思われがちですが、簡単な用語と読み方が分かればそれほど難解なものではありません。
そして、決算書を読むことで「表面的には好調に成長している企業に見えても、実は倒産のリスクを抱えていた」など本当の経営状態が見えてくるのです。

決算書はどのように作成されるのか?

以下の内容を全てまとめて決算書を作成します。これを取締役会で承認し、株主総会でさらに報告・承認を得ます。そして、株主総会で承認された後に公表されます。

企業活動で生じる日々の売り上げや支払い

業務で発生した交通費や購入品の支払い、売り上げなど日々発生する金銭のやり取りを、経理担当者が分類集計用に伝票化して記帳します。

資産計上

直接の金銭の授受以外に資産の計上があります。例えば、会社で12万円のPCを購入した場合、「減価償却」といって、12万円を毎年4万円ずつ3年にわたって資産計上する方法です。
業務で必要な高額な設備(ソフトウェアも含む)を導入する場合、一時的に多額の支払いが発生し、大赤字となります。しかし、翌年からはその設備を利用することで利益が発生し、しかも支出はゼロで高収益となります。この事業年度の区切りと収支のアンバランスを是正するために減価償却で費用を均等に計上します。

決算書の構成

決算書は、前述したように「財務諸表」という書類から構成されます。
ここでは決算書の主軸となる「賃借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の3点についてご紹介します。例は分かりやすいようにできるだけ単純化しています。

賃借対照表
  • 現在の会社の収益を表します。
  • 「全ての収入-全ての支出=純利益」となります。

(例)収入が120万円、支出が100万円の場合、20万円が純利益となります。

損益計算書
  • 前年度との比較を表します。

(例)収入120万円(100万円)、支出100万円(90万円)、純利益20万円(10万円)の場合。()内は昨年度の数値。
今年度は、前年比収入20万円増、支出10万円増、純利益10万円の増加となり、堅調に推移していることになります。

キャッシュフロー計算書
  • 自由に使える資金を表します。売り上げ・支出が増加して、さらに利益も増額している場合は好調に伸びていることを示しています。

(例)純利益20万円(10万円)の場合。()内は昨年度の数値。
自由に使用できる資金が昨年より増加していることになります。

この3点で「現状の詳細」「昨年に比べ良くなったのか? 悪くなったのか?」「なぜこのような結果となったのか?」が分かってきます。

決算書の読み方 ポイントを解説

「賃借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の読み方について、ポイントを解説します。

賃借対照表

賃借対照表は現在の財政状態が表されています。

  • 資産の部は、会社が保有する資産の状況を表します。
  • 負債の部は、債務などの負債の状況を表します。
  • 純資産の部は、自己資本部分を表します。

大きなポイントは、負債・純資産の合計です。
ここがマイナスの場合は、資本金以上の負債を抱えていることになり、「債務超過」で倒産リスクの高い会社と判断されます。

損益計算書

損益計算書は、企業の収益状況を表します。

売上総利益は、売上金額から原価を引いた販売についての純粋な利益を表します。
売り上げに対しての原価率(売上原価÷売上高)が分かります。提供している製品やサービスの原価率が低ければ、安定した高収益が見込まれます。

営業利益は、売り上げの原価に加えて、間接費や販売管理費といわれる役員報酬や事務所家賃などを引いた金額となります。企業本来の収益が分かります。
売上総利益が多くても、営業利益が少ない場合は販売管理費の内訳でその要因を確認してみるとよいでしょう。

キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書は、企業の資金繰りを表しています。

資金に余裕があれば、成長・拡大・競争力向上のために必要な投資が可能となりますので、余裕を持った経営をしていることになります。反対に資金が不足すれば借り入れを検討することになります。ただし、企業の成長・発展に必要な設備投資などによって一時的(単年)にマイナスになる場合があります。これは企業存続に必要な投資となりますので問題のない場合がほとんどです。
キャッシュフローの動向は単年の決算書だけでは分かりにくいので、資金投資と回収状況は数年(一般的には5年)分の推移を見ると良いとされています。

会社の資金は、営業活動、投資活動、財務活動によって生み出されます。

営業活動によるキャッシュフロー

通常の営業行為によって得られた収入から経費を引いた金額です。
ここで利益が出ていれば営業活動が良いことが分かります。反対に損失が出ている場合は営業活動に問題があるか、取引先から売り上げが回収されていないなど、原因をチェックする必要があります。

投資活動によるキャッシュフロー

設備投資の状況を表します。プラスの場合は株式投資の収益などが含まれます。マイナスの場合は設備投資が大きな要因となりますが、新サービスの提供など企業成長や拡大に必要な投資は避けられませんので、要因が明確であればマイナスでも問題ありません。

財務活動によるキャッシュフロー

営業活動と投資活動による資金状況を表します。
余剰資金で資金返済できる状況なのか、資金調達が必要とされる状況など会社全体の資金繰り状況が分かります。

現金および現金同等物の増加額

前期末より増えていれば手持ち資金が増えています。反対に前期末より減少していれば、資金ショートの可能性が高くなりますので注意が必要です。

決算書の活用

決算書を分析すると企業価値や将来性などいろいろなことが分かってきます。

まずは自社の決算書を見てみましょう。会社全体の収益状況が分かり、単純に経営が順調なのか、苦しい状態なのかが見えてきます。上司や周囲の言葉から漠然と感じてきたようなことが明確になるかもしれません。
問題意識を持って、決算書や付帯する資料を読んでいくと具体的な原因が分かってくるでしょう。

次に、競合他社や注目している企業の決算書を見てみましょう。大手企業の場合はホームページに決算状況が公開されています。

決算書は簿記や会計用語で記載されているので、経理知識がないと分かりにくいかもしれませんが、読み方が分かれば、会社の状態が一目瞭然で分かるようになります。

決算書を分析することで次に向かう方向や課題が把握できます。
これは、管理職や役員など経営の中枢に関わるポジションになると大いに役立ちます。
ぜひ、トライしてみてください。

決算書の活用例

経営者
自社の経営状態を確認・判断
社員
自社や他社の経営状態を判断
金融機関
融資の判断資料
投資家
投資判断資料
企業(外部)
取引の判断資料

決算書作成を効率化するには

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著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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