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株主総会の準備と運営

株主総会は、企業の最高意思決定機関であり、企業の最重要行事です

株主総会は、決算日(基準日)から3カ月以内に開催します。短期間に多くの事務手続きが必要となるため、スケジュール管理が開催準備の重要なポイントとなります。

[2019年 4月 1日公開]

株主総会とは

株主総会は、会社法で定められている株式会社の最高意思決定機関で、会社の基本的な方針や重要事項を決定します。

開催時期は、事業年度末日(基準日)から3カ月以内です。日本では3月末日を事業年度末日としている企業が多いため、株主総会は6月の後半に多数開催されています。これは「定時株主総会」と呼ばれ、剰余金分配決議(配当)を伴う決算承認と役員の選任決議、事業活動の報告・承認など、企業活動の根幹に関わる決議が行われます。

そのほか事業分割や補充取締役の選任など、必要に応じて開催されるのが「臨時株主総会」です。定時株主総会と違い、臨時株主総会の招集・開催は任意となっています。

株主総会での承認・決定方法は、多数決が原則となっています。ただし、多数決といっても一人一票ではなく、一株式につき一議決権が与えられているため、株式を多く所有している人が議決権に大きな影響を与えます。

株主総会開催までに必要な事務手続き

株主総会開催までに、法律で定められた事務手続きが必要になります。

例として、3月31日が年度決算日(基準日)で6月30日に株主総会を開催する場合、開催準備スケジュールはおおむね以下のようになります。

日程手続き項目
3月31日決算日(基準日)
4月 1日決算整理開始
4月15日株券名義書換完了
5月 3日決算書類を監査役と会計監査人に提出
5月31日会計監査人が監査報告書を監査役と取締役会に提出
6月 7日監査役が監査報告書を取締役会に提出
株主総会関係書類まとめ/印刷
6月15日株主総会招集通知書の発送
6月23日計算書類、附属証明書、監査報告書を本社に据え置く
6月30日株主総会開催
7月 1日株主名簿書換再開

必要な手続きの内容は会社の規模によって異なりますが、招集方法や招集地などは会社法で定められています。

招集通知の発送

株主総会の招集通知は、会社の区分により以下の期間に発送しなければなりません。

  • 公開会社および書面投票・電子投票を行う会社は、招集日の二週間前まで
  • 全株式譲渡制限会社は、招集日の一週間前まで

ただし、取締役会非設置の会社は定款で定めることで、さらに期間を短縮できます。

招集通知の記載事項

招集通知には、以下の事項を記載する必要があります(会社法299条)。

  • 株主総会の日時および場所
  • 株主総会の目的である事項があるときは、その事項を記載
  • 株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使できることとするときは、その旨を記載
  • 株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使できることとするときは、その旨を記載

参考書式

招集通知書のひな型を、編集可能なデータでご用意しました。ぜひ参考にしてみてください。

  • * 大塚IDでログインが必要です。
  • * お使いのOfficeのバージョンによってはファイルが開けない場合がございます。ご了承ください。

招集通知の添付書類

取締役設置会社の場合は、招集通知に以下の書類を添付しなければなりません(会社法437条)。

  1. 事業報告
  2. 監査役の監査報告
  3. 貸借対照法
  4. 損益計算書
  5. 株主資本等変動計算書
  6. 個別注記表

添付する書類は、議決の資料として重要なものです。くれぐれも誤表記や誤字・脱字がないように、印刷前にきちんと確認を行ってください。

株主総会開催までの準備作業

株主総会の準備と運営は、主に総務部門が中心となって組織する総会事務局を設置して行います。

総会事務局の業務内容は、以下のとおりです。

  • 会場の予約
  • 法定文書や会議資料の整理と準備
  • 質問状が事前に返送される場合は質問内容と回答者を選定
  • 想定問答集の作成
  • 進行台本の作成
  • お土産など配布物を予定している場合はその準備

想定問答集の作成は、社業に関してどのような質問を受けても即座に回答できるように、全部門の責任者からヒアリングしてまとめます。また想定外の質問に備えて、全部門から必ず一名は出席するようにします。

また、想定問答集の作成と並行して、簡単な進行台本を作成します。進行台本は、スムーズに進行する想定内パターンと修正動議などが発生する想定外パターンの二種類を作成し、緊急の際の対処法を事前に決めておくと、慌てずに進行できる可能性が高まります。

業績が低迷しているなど、株主からの追及が予想される場合は、開催前にリハーサルを入念にされることをお勧めします。

株主総会当日の運営

株主総会当日、総会事務局の担当者は早めに会場に入り、会場設営や音響・プロジェクター・パソコンなどの機材の動作確認を行います。応援スタッフも含め全スタッフが集合したところで、会場の配置と役割や注意事項を周知します。

株主総会当日の流れ

設営準備

会場入り
総会事務局担当者は早めに会場入りし、必要な書類や配布物の確認を行います。
会場設営
いす・テーブルの配置を整えます。議長などのネームカードをあらかじめ決めた位置に掲示します。
また、並行して音響設備やプロジェクター・パソコンなどの機材を設置し、動作確認を行います。
朝礼
全スタッフの出欠と配置/役割/注意事項の周知を行います。
リハーサル
準備が整い次第、進行の大まかな流れのリハーサルを行います。

開場

受付
出席株主の名前を確認して席に誘導します。

株主総会

議事の進行
通常は議長となる代表取締役が担当します。
  • 開会宣言
  • 議事進行方針の説明
  • 株主数および出席株主の議決権数の報告
  • 決算の承認
  • 役員・監査役の改選承認
  • 事業報告の承認  ……など議案ごとに出席者の承認を得て進行
  • 質疑応答
  • 閉会宣言

終了・退場・撤収

退場
出席株主の退場誘導(お土産などがあれば配布)
終礼
全スタッフに終了のあいさつと協力のお礼を伝え、撤収作業に入り、順次解散します。

通常は議事の開始から退場まで、1~2時間程度で終了するのが一般的ですが、質疑応答などが長引いた場合は数時間に及ぶこともあります。

株主総会終了後の業務「議事録の作成」

株主総会終了後の重要な業務に「議事録の作成」があります。これは、決議内容の全てについて関連の諸規定に適合した手続きがなされ、正しく処理されたことを証明するものとなります。

議事録の記載事項は、以下のとおりです。記載漏れがないように注意してください。

  1. 開催日時
  2. 開催場所
  3. 議決権のある株主数およびその議決権数
  4. 出席した議決権のある株主数およびその議決権数
  5. 決議内容
  6. 議長および出席取締役の署名押印

この議事録は、株主の求めに応じて閲覧できるように準備しておくことも必要です。
株主総会の議事録の保管期間は、会社法318条2項・3項で以下のように定められています。

本店
株主総会の開催日から10年間
支店
議事録の写しを5年間

議事録を上記の期間据え置かなかった場合は、代表取締役に100万円の過料が命じられる規定になっていますので、ご注意ください。

株主総会のインターネット利用について

2006年の会社法改正により、インターネットを利用した招集通知情報の一部を電子提供することができるようになりました。資料の印刷などの手間とコストが軽減されるため、2017年の段階で67%とネット通知は高い利用率になっています(注)。

  • (注)出典:経済産業省、第9回株主総会プロセスの電子化促進等に関する研究会、p8。

最近では、株主総会をインターネット中継する企業も増えており、テレビ会議システムを利用して簡単にリアルタイムのライブ中継を行ったり、ホームページで録画された株主総会をいつでも視聴したりできるなど、さまざまな利用が進んでいます。

インターネット環境の普及や株主のグローバル化を踏まえて、PCやタブレットなどの端末から参加して議決権を行使することが可能な株主総会が、今後急速に増加すると見込まれています。また、そのための会社法改正も検討されています。

これからの株主総会は、インターネットを利用した多言語対応でワールドワイドなものに変わっていくと予測されています。

余裕を持って株主総会を迎えるには

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著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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