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新社会人を襲う6月病に注意!

新人研修後の部署配属で発症する「6月病」、2019年は注意が必要!

かつて5月病と呼ばれていたメンタル不調。これが最近は少し姿を変え、「6月病」と呼ばれるケースが増えています。主に新入社員が発症するとされているこの「6月病」、貴重な戦力を失わないために会社としてのケアが重要です。

[2019年 6月 3日公開]

6月病ってどんな病気!? 2019年は要注意!

6月病は5月病と同様に新しい環境になじめないといった過度のストレスによる「適応障害」の一種といわれています。もちろん5月病も6月病も発症時期による通称で正式な病名ではありません。また、最近では4月に同様のメンタル不調に陥る4月病も話題になっています。4月病は部署移動や転勤・昇格などで職場環境や人間関係の変化によるストレスが関係しているとされています。

6月病は、主に新入社員が発症しやすいメンタル不調といわれています。もともとは入社後、5月の連休を境に不調が現れる5月病といわれていたのですが、1週間程度で終えていた新入社員の新人研修が1カ月程度と長期化する傾向にあり、「4月新人研修→連休→5月部署配属→6月メンタル不調」というケースが多くなったために「6月病」へと変化しつつあるのではないかと推測されています。もちろん、研修期間が3カ月や6カ月など、さらに長期間の研修を行う企業では、部署配属後の7月や11月以降に「6月病」症状が現れる可能性もあります。

会社としては、新入社員に対して細心の注意を払ってケアをしていく必要があります。特に、2019年は5月に元号が変わり世の中全体が新時代への幕開けがうたわれ、連休期間も10連休と長期化しました。長い休日で生活リズムが崩れ、現場部署への配属の緊張やストレスが大きくなると予想されるため、例年以上に注意が必要です。

6月病の症状とは?

6月病はどのような症状を発症するのでしょうか。代表的な症状は以下のとおりですが、メンタル不調の症状ですので実際にはさまざまな形で現れます。

代表的な症状

以下のような症状が、初期症状として現れます。

  • 無気力
  • 出社意欲の衰え
  • 食欲不振
  • 頭痛や腹痛など原因不明の痛み

これらの症状は誰でも感じることがあります。
しかし、このような状態が数日続いたり、実際に休みや遅刻を繰り返したりなど、生活や仕事に支障を来す場合は要注意です。

主な要因は、新しい環境になじめないストレスの蓄積といわれています。人間関係や業務内容についての不安や不満などの自覚がある場合は過度のストレスにならないように注意が必要です。

同じような症状が出る病気として「季節性うつ病」があります。これは日光照射のバランスが崩れて神経伝達物の「メラトニン」の分泌が影響を受けて発症するため、環境変化のストレスが要因となっている6月病と症状は似ていますが原因は別のものです。

6月病の予防(自分でできること)

6月病は、新しい環境になじめないことが原因といわれています。環境適応障害は環境に適応し、過度のストレスから解放されれば症状も回復します。それは自分自身でできることと、会社・組織としてケアできることがあります。

まず、自身でできる最初の予防法をご紹介します。それは「規則正しい生活の実践」です。

生活リズムを崩さない → 起床と通勤の慣れ

学生時代は、会社員の生活に比べると起床時間や登校時間がある程度自由に決められる環境です。毎日早朝の決まった時間に起床し満員電車に乗って通勤することで、ストレスが大きくなる場合があります。この環境に慣れるためには、休日も平日と同じ時間に起床するなど、できるだけ生活リズムを崩さないことです。連休後に不調になる原因の多くは、休日中に生活バランスを崩すことにあります。

正しい食生活の実践 → 不規則な食生活を避ける

食事にエネルギーとビタミンなどの栄養素をバランスよく取り入れることで、脳内でセロトニンというマイナス思考を解消するホルモンが分泌されます。このセロトニンは食事から取り入れるトリプトファン(必須アミノ酸)・ビタミンB6・炭水化物が体内で変化してできるものです。偏食を避けて、トリプトファンやビタミンB6が多く含まれる、白米や大豆製品、乳製品、イワシなどの魚類をバランスよく摂取しましょう。特にストレスで失われるビタミンCを豊富に摂取することをお勧めします。反対に自律神経を乱す原因となるカフェインや、内臓を弱める糖分が多いものは取りすぎないように注意してください。いわゆるエナジードリンクなど、カフェインと糖分が多く配合された飲料も避けた方がよさそうです。

適度な運動 → 身も心もリフレッシュ

ウォーキングやランニングなど、体を動かすことで自律神経を整えましょう。無理に激しい運動をする必要はありません。週1回程度、軽く息が上がる程度の運動でも十分に効果があるそうです。

また、長時間座りっぱなしで筋肉が固定されるのも不調の原因となります。1時間に1回程度立ち上がって水を飲みに行くなど軽く全身を動かすことで、気分をリフレッシュして集中力を高めるとよいでしょう。

入浴で血流を促進し、リラックス効果で睡眠導入を図る → 代謝促進、老廃物の排出効果

ぬるめ(38度程度)なら30分程度、熱め(42度程度)なら5分程度の入浴で血流が程よく増加し、リラックス効果が得られます。42度以上の熱いお湯の場合は刺激が強すぎて交感神経が興奮し「戦闘モード」に突入するといわれていますので、目がさえて眠れなくなる恐れがあります。
40度のお湯で30分程度半身浴するのもリラックス効果としてお勧めです。

リラックスして睡眠の質を高める → 寝ている間に体調を整える

健康管理で質の良い睡眠をとることが推奨されています。もちろんストレスをため込まない方法として質の高い睡眠をとることは重要なテーマです。睡眠は体調をリセットする効果がありますので、正しい食生活、適度な運動で快適な睡眠を実践しましょう。

休みの計画を立てる → 有給休暇の計画的な取得

ゴールデンウイーク以降は、7月第3月曜日の海の日まで連休がありません。しばらく連休のない期間が続き閉塞(へいそく)感にとらわれることも5月病や6月病の要因といわれています。直近で祝日がないのであれば、有給休暇を上手に活用して自分で連休を作りましょう。オン(仕事)とオフ(プライベート)の切り替えを習得することは、これからの長い社会人生活を送るうえで大切なことです。6月病の兆候を感じたら、計画的に有給休暇を取得してリフレッシュすることをお勧めします。

6月病の予防(会社としてのケア)

6月病の予防は、新入社員を迎え入れる会社・組織のサポートが欠かせません。自分自身でできるケアに続いて、受け入れる部署でのケアやサポート方法をご紹介します。

円滑なコミュニケーションで、新人をみんなで育てる風土を作る

新しい環境での仕事や生活に慣れるまでは、緊張や不安によるストレスが生じます。できるだけそのストレスを軽減するために、周りの人間は新入社員が孤立しないように積極的にコミュニケーションを取るように心掛けましょう。

特に失敗や間違いをしたときの注意とケアは重要です。失敗や間違いは誰でもありますし、それを注意することも会社組織として必要なことです。しかし、配属直後は注意を受けることで「自分の能力が低いのでは」「周りの同期社員はきちんとできているのに」「この仕事(会社)に向いていないのでは」と必要以上に悲観的に解釈する場合があります。特に生真面目な性格の人ほど否定的に考え込んでしまう可能性があります。

落ち込んでいる様子が感じられたら、注意した本人や周りの社員は積極的に声を掛けましょう。
新入社員の教育担当者だけでなく、周囲で関わる社員全てが新入社員に敏感になることが必要です。
そのためには、新人を迎え入れる前に既存社員に新人教育の方法や注意点を周知し、みんなで新人を育てる感覚を持つことが大切です。

メンタルケアの実践

本人とのコミュニケーションで改善ができない、改善の方法が分からない場合は、できるだけ早く専門のカウンセリングや専門医の診断を受け、その指示に従ってください。症状が悪化している場合は専門医の治療が必要になる場合があります。メンタル系の病気は症状が軽いと早く回復しますが、症状が重くなると治療も長期間にわたります。

6月病のケアは、事業継続のリスクを軽減

新入社員のメンタルヘルスケアマネジメントを行うことは、新入社員自身に「大切に育てられている」という意識を高め、会社のロイヤリティ向上につながります。少子高齢化で若手人材の不足が深刻化する中で、次世代を担う社員を育てる風土が根付くことは企業の継続・発展に欠かせない要素となります。「6月病? 気合いが足りないんだ」などと侮らずにしっかりとした新入社員へのケアを実践してください。

参考サイト

社員のメンタル不調を察知する方法とは

心・体・働き方の情報を健康情報統合データとして一元管理

「勤次郎Enterprise ヘルス×ライフ」は、就業・人事データ/健診データ/ストレスチェックデータ/生活ログデータの統合管理&分析により、予防対象者の抽出やアラームを表示することが可能です。

心身の不調を素早く察知して対策&対処を行うことにより、社員の健康を増進し、労働生産性の向上を実現します。

「メンタルヘルス」に関連する資格をご紹介

メンタルヘルス・マネジメント検定試験

メンタルヘルス・マネジメント検定試験は、メンタルヘルスの知識・具体的方法・理解度を問う検定試験です。働く人々の職場のストレスは年々増大しており、取り組む必要性は高くなっています。

著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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