役立つ! 総務マガジン

災害対策のアップデートで社員を守る

いざというときにパニックにならないよう常に最新の対策を施す

地震・台風・土砂崩れなどの大規模な自然災害はいつ発生するか分かりません。言い換えると、いつ発生しても被害を最小限にとどめるための準備を、「常に」しておく必要があるのです。

[2019年 8月 5日公開]

災害対策マニュアルのアップデートを忘れずに行う

災害対策マニュアルを作りっぱなしにしていませんか。従業員の緊急連絡先などは常に最新の状態にしておく必要があります。

災害対策マニュアルの点検項目

  • 食料・飲料水などの備蓄品確認(賞味期限、保管期限・数量を確認)
  • 救急用品・生活用品の確認と対象人数の変化(有無)
  • 災害発生時の体制と役割(担当者)確認
  • 非常持ち出し書類・備品の確認
  • 重要データ(最新)の保管と持ち出し(暗号化を含む)
  • 緊急連絡先の確認(従業員・従業員家族)
  • 緊急連絡先の確認(取引先、協力会社、原料・材料仕入れ先、物流、金融機関)
  • 伝言サービス、伝言掲示板の周知と利用訓練

従業員や取引先の担当者情報は不変ではありません。異動や変更が発生次第、迅速に修正してください。「月に1回」など、点検日を定めて災害対策マニュアルの内容確認を実施しておくとよいでしょう。

教育研修と訓練の実施

災害対策を全従業員に周知するため、定期的な研修と訓練を実施します。
訓練は全社的に行うものだけでなく、被災シーン別(勤務中、通勤中/帰宅途中、在宅時)、取引先や近隣の企業など、社外と連携した訓練も必要です。

災害対策用品の棚卸し

例えば、非常用持ち出し品の懐中電灯、電池は使える状態ですか。小まめに点検しておかないと、いざというときに役に立たないということにもなりかねません。

非常用飲料水・食料・医療品の保管期限確認

飲料水や食料・薬品には保管期限があります。通常3~5年ですが、保管リストと現物に差異がないか確認すると同時に、賞味期限・保管期限の迫った品物の活用と補完購入を検討してください。非常用に備蓄されている飲料水と食料は、量も多くなりますので計画的に少しずつ入れ替えましょう。保管期限を過ぎれば廃棄するのではなく、保管期限前に従業員に配布すれば、防災意識付けにも効果が見込めます。定期的に非常食の試食会を開いて計画的に消費している企業もあります。

あわせて保管場所に通じる通路に障害物がないか、保管場所および近隣の建物の耐震性や施錠の状況も確認してください。東日本大震災では、非常用食料を備蓄していた部屋に通じる廊下が防火扉で閉ざされたために、食料を取り出すことができなかった例もあります。

IT災害対策の整備を進めよう

IT災害対策の目的は、従業員の安全確保と被災からいち早く通常業務に復旧することです。業務の復旧には、PCやインターネットなどIT環境の整備と対策が欠かせません。

テレワークの実践

「本社が倒壊した」「自宅や家族が被災して出勤できない」「公共交通機関のマヒで出勤できない」など業務の遂行に支障を来す場合は、テレワークなどを活用して在宅や遠隔地で勤務できると便利です。

働き方改革によって多様な働き方が推進されていますので、通常時でもテレワークを実践できるようにしておくと緊急時にも役立つ可能性があります。特に重要なデータの保管と活用やTV会議・Web会議などは、普段から利用することでいざというときにもスムーズに活用できるでしょう。

テレワークは在宅でインターネットや電話・FAXを利用して業務を行うほか、取引先や移動中にPC・タブレット・スマートフォンを使って業務を行うモバイルワーク、レンタルオフィスなど共同利用のサテライトオフィスからの遠隔勤務があります。サテライトオフィスは首都圏の企業は郊外に、郊外の企業は首都圏に構える場合が多いのですが、地震など広域に被害が及ぶ場合は、被害を受けない、または少ない地域のサテライトオフィスを臨時拠点として業務を復旧させる方法を採ることも可能となります。

テレワークのスタイル

IT災害訓練

テレワークなどの遠隔勤務の環境が整ったら、一度は災害時の訓練をしておくことをお勧めします。
ITの災害対策の基本は何といっても「電源」の確保です。

電源の確認

  1. スマートフォン・携帯電話の電源確保(モバイルバッテリーの利用など)
  2. サーバーの電源確保(無停電電源装置など)
  3. PCやプリンターの電源確保(ソーラーパネルや自家用車バッテリーによる蓄電など)
  4. 自治体などの電源供給サービス場所の確認
  5. インターネット・Wi-Fiなどの通信環境確保

非常用通信の実践

電源と通信環境が確保されたら、次に安否確認を行います。その後、業務遂行に必要なデータの確認やWeb会議などの通信環境を確認します。

  1. ネットによる安否確認の実施
    状況報告と被災状況を確認する。
  2. 業務に必要なデータの確認
    サーバーに接続して必要なデータを確認する。
  3. Web会議の実施
    音声のみの通話に比べて、動画でのコミュニケーションは慣れが必要です。
    そのため、実際にWeb会議を実施して接続確認と使い勝手を確認しておきましょう。

中小規模の災害対策

大規模な地震災害だけでなく、台風や大雨などの自然災害は各地で毎年のように発生しています。
大きな被害を受ける可能性は低いのですが、停電や公共交通機関のマヒが発生し、通勤・帰宅が困難になる場合や物流がストップすることもあります。また、暴風雨によるケガや事故の可能性も高まります。

出勤・帰宅・自宅待機の判断は事前に行い、災害対策マニュアルに明記する

台風や暴風雨などの自然災害の場合、天気予報や警報の発令など危険があらかじめ分かる場合がほとんどです。この場合、臨時休業や出社時間の繰り下げ、退社時間の繰り上げ、帰宅困難者の対応(宿泊先確保)などの判断と業務への影響を想定し、対策を行うことが必要になります。特に最近は公共交通機関が大幅減便や運休を実施することが増加し、無理に出社を強いることが混乱を助長してしまうことにもなりかねません。

災害対策の体制組織で連絡を取り合い、できる限り早急に判断を下し、従業員に緊急連絡網で周知します。ここでの判断のポイントは「業務よりも従業員の健康と安全を優先」することです。

例えば通勤途中に地震が発生し、電車がストップした場合の判断は大きく分けると以下のとおりになります。

通勤途中に被災した場合の判断

  1. 安全を確保して全員帰宅
  2. 管理職は出社、一般職は帰宅
  3. 災害対策要員のみ出社、それ以外の社員は帰宅
  4. 著しく困難な場合を除いて原則全員出勤

2018年の大阪府北部地震は平日朝の7時58分ごろという通勤時間帯に発生しましたが、多くの企業では帰宅指示を出さなかった(出せなかった)ために無理に出社しようとする人が駅などに殺到し、公共交通機関の混乱が長時間続いたケースがあります。これは地震直後、電話などの通信が困難になったことと、会社に出社していた人が少ない時間帯だったため会社としての防災判断連絡が遅れたことが大きな原因といわれています。

ここでのポイントは「災害対策マニュアル」の整備と徹底した周知です。
災害対策マニュアルに「出勤途中に被災し利用している交通機関の運行に支障が出た場合は、安全を確保していったん帰宅し安否を連絡」と明記し、それを研修などを通して全従業員に徹底して理解/認識してもらうことです。つまり、いつ起きるか分からない災害時の行動は、発生してから慌てて判断するのではなく、事前に対応方法を決めて周知しておくべきなのです。さらに、業務への影響を最小限にとどめるための対策を幅広くシミュレーションしておくことも大変重要だと言えます。

災害対策には普段からの備えが重要です。災害対策マニュアルを常に最新の状態にして、いざというときに落ち着いて対処できるようにしましょう。

参考サイト

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著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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