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RPAは、効率の良い労働力の「足し算」

働き方改革で注目を浴びるRPAは業務効率を高める労働力として活用

RPAはオフィスのロボットとして24時間365日働きます。仕事がスピーディーに処理されることで社員はルーティンワークから解放され、本来の業務に集中することができるようになります。

[2019年 9月 2日公開]

RPAの基本

RPAとは「Robotic Process Automation」の略語で、ホワイトカラーのデスクワーク(主に定型作業)を、ルールエンジンやAI(人工知能)などの技術を備えたソフトウェアのロボットが代行・自動化する概念と定義されています。

これまでは、工場などの生産現場でFA(Factory Automation)として溶接や組み立てなどの作業をロボットに置き換えることにより、生産効率が飛躍的に向上させてきました。
RPAはルールエンジン・機械学習・人工知能を活用し、ホワイトカラーの業務を効率化・自動化する仕組みのことです。

オフィスワーカーの業務内容は「見えにくい」という傾向がありました。例えば、パソコンに向かって作業をしていても、それが何の作業をしているのか、またその仕事がその人の作業全体の中でどれぐらいの比率を占めているのかについて、第三者が客観的に把握することは困難だったのです。

しかし、PCを使用した業務については「検索などで調べ物をしている」「データを集計している」「帳票を作成している」など、具体的な業務内容が把握できるようになり、その業務内容を詳細に分析することでロボットに作業が置き換えられるようになってきました。

これまでもIT化によって、さまざまな業務の効率アップがなされてきました。RPAではさらに自動化が推進され、ロボットが人の代理として業務を行うことで、さらなる業務効率アップが期待できるようになりつつあります。

一般的に業務処理のスピードは人間を1とした場合、RPAは3倍の速度での処理が可能です。勤務時間も、人間がおおむね8時間/日に対してロボットは休むことなく動き続けられる(24時間/日)ので、単純に計算すると3倍長く働くことになります。つまり、人間の9倍以上の処理能力があるということになるのです。しかもPCが処理するため、ヒューマンエラーに起因していたようなミスが激減します。

日本は、先進国の中では業務効率が低い(悪い)といわれていますが、社員の業務にRPAを導入することで飛躍的な業務効率化、クイックレスポンス、ミスの低減によるクオリティ向上が図れます。またRPAに仕事を任せることにより、社員は本来の仕事に専念することが可能となり、会社全体の生産性の向上とさらなる成長が期待できます。

RPAの得意分野とできること

それでは、実際にRPAではどのような業務ができるのでしょうか。RPAの得意領域をご紹介すると、以下のような業務が該当します。

大量データの投入

コールセンターのお問い合わせ内容や各種申し込み、各種情報のアップデートなど、毎日大量に発生する情報を自動的に処理します。

人の手によって各種ファイルから必要な項目を抜き出して入力するような作業では、時間と労力が大幅に削減されます。

また人為的に大量のデータを入力する場合、入力ミスが発生することがありますが、自動化によってタイプミスなどは大幅に減少します。

データの出力、ファイル作成

例えば、注文確認書や請求書の発行など業務システムに蓄積された情報から各種書類を自動的に作成・発行できます。

労務の軽減はもとより、迅速な書類の発行はクイックレスポンスの向上につながります。

システム間連携

社内部署間、グループ企業間など、異なる業務システムでデータの受け渡しをする場合、個々のデータを変換する作業が必要です。自動的に処理を行うことで、異なる業務システム間の連携がスムーズになります。

市場調査に必要な、Webの検索や各種資料に記載された情報収集も自動的に行います。
24時間休みなく調査することが可能なので、市場の変化をいち早く把握し、常に旬な情報を活用することができます。

これらのRPAによる自動化の組み合わせは、実際の業務内容に応じて自由に組み合わせることができます。

RPAでできることの一例

  • キーボードやマウスなど、パソコン画面操作の自動化
  • ディスプレイ画面に表示された文字列、図形、色の判別
  • IDやパスワードなどの自動入力
  • アプリケーションの起動や終了
  • スケジュールの設定と自動実行
  • 蓄積されたデータの整理や分析
  • 業種、職種、現場の条件に合わせた柔軟なカスタマイズ
  • システムの異なるアプリケーション間のデータの受け渡し

これらのRPAができることを見ると、オフィスワークをされている方であれば、ご自身が実際に行っている作業のほとんどに当てはまると思われるのではないでしょうか。

RPA実践インタビュー「具体的な導入について聞いてみた」

RPAをどのように導入し活用していけばよいのかを、実際にRPAのエキスパートとして導入に携わっている、経験豊富な大塚商会の担当者に聞いてみました。

RPA販売の経緯について<自らが経験とノウハウを獲得した商品としてRPAを販売>

Q: なぜ大塚商会でRPAを販売することになったのでしょうか。

A: 大塚商会が本格的にRPAの販売を始めたのは、2018年の2月からです。実践ソリューションフェアという当社最大の展示会がありまして、そこで2018年2月に東京会場で「大塚商会はRPAを販売しています!」という形で出展したのがスタートです。
お客様にRPAをご提供したのはそこからですが、なぜRPAを当社で販売しようかと思ったのかといいますと、販売に至る1年前から、大塚商会ではRPAを利用して成功したという社内導入の事例があったのです。

会社としては、導入効果や導入についての問題点もある程度整理できていたのですが、お客様とは「RPAって何?」という話からスタートしました。おかげさまで実践ソリューションフェア東京会場に出展したところ、お客様にもご興味を持っていただくことができ、大変盛況でした。東名阪(とうめいはん)および広域支店でも実践ソリューションフェアで全国を回りましたが、どこでも人気でした。その結果、2018年は1年間でRPAを200件近くのお客様にご導入いただきました。

Q: 大塚商会では実際にどのようにしてRPAを利用されているのでしょうか。

A: RPAの導入は2017年からスタートしていますが、コールセンターの業務を中心に、100~150くらいの業務を対象にしています。これにより年間で8,000万円ほどのコスト削減になりました。2019年7月現在では、300もの業務をロボットが担うまでになりました。最初は1部署で導入しましたが、今では全国展開という形で利用しています。

販売形態について<お客様の導入フェーズに沿ったサポートを充実>

Q: 実際にはRPAをどのように販売されていますか。

A: 先ほど、200件近くのお客様にご導入いただいたという話をしましたが、RPAがどのようなところに使いやすく、どのようなところに導入上の問題点が発生するのかということを自分たち自身が経験から分かっていたので、RPAの商品をライセンス販売するだけでなく、スタート時点からある程度の種類のサービスをRPAのバックボーンとしてご提供する形態を取りました。

RPAは新しいジャンルのソフトウェアなので、お客様は以下のようなステップで導入されています。

  1. 情報収集する
  2. 導入計画を立案、ロボットを作ってみる
  3. それを実際に会社の中で適用してみる
  4. 定着させる

そこで、それぞれのフェーズに分けて「どの段階に対しても大塚商会はお力添えできます」という形で最初から一緒になってRPAをご提供する形を取りました。

RPAの種類について<適材適所で組み合わせて利用するハイブリッド型活用>

Q: 大塚商会では、WinActorやBizRobo!、 NEC Software Robot Solutionなど、さまざまなRPAを取り扱っていますね。それぞれ得手不得手があると思いますが、違いについて教えてください。

A: おっしゃるとおり、世の中にはさまざまなRPAのプロダクトがあります。
大塚商会では大きく分けると三つの商材を扱っています。複数扱っているのには理由があるのです。

  • サーバーモデルのBizRobo!
  • PC単体でも動くし、サーバーマネジメントもできるWinActor
  • PC単体で動くNEC Software Robot Solution

RPAは値段が高ければ機能が豊富でいろいろなことができるかというと、そうではありません。
業務適応能力といいますか、応用力、お客様が実際に行っている作業をそのままRPA化する部分に対してはWinActorが一番優れています。そのため、国内では一番売れていて、お客様の導入のハードルも低いという形になっているのです。

また中堅以上の一定規模のお客様で、情報システム部門がしっかりしていて、ロボットが正しく稼働しているのかを管理しなければいけないといった場合には、サーバーで稼働中のRPAを一元管理することができるBizRobo!をお薦めします。

WinActorは簡単に導入できてマネジメント機能もありますが、もともとパソコン単体で動きますので、どこでどのロボットが動いているのかを管理し、そのロボットが正しい作業を行っているかを監査するのは不得意です。
大塚商会でもWinActorだけでなく、用途によってはBizRobo!も利用しています。特にきめ細かく管理が必要な基幹系に近いところの作業を行うロボットは、原則そういった考え方のロボットを入れています。

当社では、適材適所でRPAの複数のアプリケーションを使い分けることを「ハイブリッド利用」と呼んでいます。

導入費用の目安<ライセンス費用を年間ではなく月ごとに分割し導入のハードルを下げる>

Q: RPAを導入する場合、どのぐらいの費用がかかりますか。

A: トライアル支援や導入支援、後は定着化など、お客様に対しての支援を厚くしようということで、大塚商会のブランドの「たよれーる」にRPAを組み入れました。主力で販売しているのはWinActorですが、こちらは年間で90万円です。サーバーモデルのRPAで本格的なものになると、一声1,000万円からという話になります。すると導入するお客様は、それなりに覚悟を決めて導入することになります。これは、比較的初期に導入されたお客様が多いと思います。これから導入を開始する企業向けには「年額90万円を一括して払ってください」ではなく、月額に分割して「毎月12万8千円を頂ければサポートも含めてご提供します」というものを「たよれーるWinActor」という製品名で販売しています。

導入サポートについて<電話・訪問サポートを月額費用にインクルード>

Q: RPA導入の際の「たよれーるWinActor」の具体的なサポート方法とはどういったものでしょうか。

A: 「たよれーるWinActor」の特長は、電話でのサポートを行っていることです。そんなことが特長かと思われるかもしれませんが、実はRPAを電話サポートしている会社は日本でもほとんどありません。RPAをある程度の規模で販売している代理店さんで、その保守メニューに「電話」が入っているのはおそらく当社ぐらいではないかと思います。RPAのお問い合わせはメールで受け付けるのが普通なのですが、メールにそもそも何を書いてよいのか分からない。つまり、今目の前で起きている事象をどのようにメール(文章)で表現したらよいのかを判断すること自体にスキルが必要なのです。ですから不具合や不明点があれば、大塚商会ではフリーダイヤルでお問い合わせを受け付けます。これが安心して導入できる特長の一つであると思っています。

電話サポートでは、「ロボットを作ろうと思ったのだけれど、思ったように動かない」「思ったように動かすにはどうすればよいのか」という質問が、初期導入の場合は大多数を占めます。
その際に「電話で問い合わせをして、メールでもやりとりをしたけれど、らちが明かない」となったとき、お客様は不安になりますので、「たよれーるWinActor」の場合にはオンサイト訪問というサポートも行います。月額12万8千円の中で、追加費用なしでお客様のところに伺ってサポートをします。
「電話で聞きました」「メールでやりとりをしました」。これで解決する場合はよいのですが、そうでない場合の「もう分からん」「とにかく1回来てくれないか」という話になったときに、通常ですと訪問費用がかかるのですが、「たよれーるWinActor」では最初から訪問費用が含まれていますので、追加費用を気にしないで訪問サポートを受けることができます。導入される現場まで積極的に寄り添っていくのが大塚商会の特長だといえるでしょう。

導入効果<労働力の削減より効率的な労働力の確保を重視>

Q: RPAの導入で注意すべきポイントとはどのようなことでしょうか。

A: RPAの導入により業務効率アップが促進されます。これを省力化=人員削減と捉えることも多いです。
確かに労力を少なくする要素もありますが、それよりも「労働力の確保」を図るためのツールだと思っています。
例えば、大塚商会では商品やサービスを紹介するWebサイトが非常に数多くあります。これまでは1日2回、2名の担当者がWebサイトに記載しているURLのリンクが切れていないか、画面が正しく表示されるかを手動でチェックしていましたが、RPAの導入によって60分に一度行えるようになりました。そのためリンク切れなどの不具合修正は、これまで半日~1日かかっていたところ、不具合発見から10分程度で修正できるようになりました。これにより、コンテンツ制作の担当者が本来の業務に集中でき、かつ不具合の修正にも迅速に対応できるという顧客サービスの向上が実現しました。これは省力化というよりは、労働力の効率的な確保によってできた結果ではないかと思います。
どれだけ社員を減らせるかではなく、余分な負荷をかけずにレスポンスやクオリティを向上し、顧客サービスを充実させることがRPAの導入効果です。

導入課題について<自社の業務でRPA可能な業務を可視化する>

Q: 最後に、導入を検討する場合、何がRPA化できるのかを知るためにはどうしたらよいのでしょうか。

A: お客様用に導入製品のハンズオントレーニング(入門研修)をご用意しています。
また、自社の業務で何がRPAに任せられるのかを診断する「簡易導入事前サービス」もあります。こちらは、お客様に定型業務をヒアリングシートに記入していただき、実際にPCの動作を調査してRPA自動化判定を行います。新規に導入をお考えの企業だけでなく、既にRPAを導入してさらにロボット化を拡大したいと考えている場合にもご好評を頂いています。さまざまな業務の中で、RPA化の優先順位や導入効果を検討するのに便利なサービスです。

RPAは、早めの導入と試行錯誤によるノウハウの獲得がキーポイント

RPAは、業務効率アップを推進する切り札として活用できるツールです。社員一人一人にタフで優秀なアシスタントを追加採用するようなイメージではないでしょうか。将来会社が安定して発展するためには、RPAの利用ノウハウをいち早く取得し、蓄積・活用することが大きなポイントとなるでしょう。

RPAを業務で活用するには

Autoジョブ名人

毎日繰り返される手作業によるパソコン操作を自動化するRPAソリューションです。ブラウザー操作やWindowsアプリケーションの操作を安定して自動化でき、貴重な人材の有効活用、業務品質の向上を実現します。

Autoブラウザ名人

「Autoブラウザ名人」は、ブラウザー上で行う定型的なルーティンワークを自動化することで、人間による操作が不要になり、手作業によるミスやロスの発生を未然に防げます。業務の生産性が飛躍的に向上します。

Autoメール名人

「Autoメール名人」はメールの送受信だけでなく、日常的に使われるメールに関連する煩雑な操作を自動化するRPAソリューションです。

デジピタ!

「デジピタ!」はExcel加工業務の効率を劇的にアップさせるクラウド型RPAツールです。とても簡単で専門スキルが不要なため、「既にマクロや関数などを使って自動化はできているが、担当者に依存してしまっているためメンテナンスにリスクを感じている」といったお客様も必見です。

著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。