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業務効率向上につながるオフィス移転とは

オフィス移転で働きやすい環境を構築し、企業の成長につなげよう!

オフィスの移転は総務の仕事の中でも最大級のプロジェクトとなります。移転は多くの出費と手間がかかり、検討事項も膨大ですが、環境を働きやすく再構築する数少ないチャンスと捉えて取り組みましょう。

[2019年11月 5日公開]

オフィス移転プロジェクトとは

多くの企業では、経営環境の変化や事業の拡大・縮小・統廃合、入居している建物の改築など、さまざまな理由によってオフィスの移転を経験します。いずれにしても多額の出費と労力がかかるため、企業にとっては大きなプロジェクトとなります。
基本的には社内の労務環境を管理・整備する総務部門が中心となって「移転プロジェクト」を立ち上げ、強い権限・大きな決定権を持った(通常は代表取締役など経営層から選出)責任者をリーダーとして配置します。
このリーダーを中心に、資産管理や労務管理、営業など移転に大きな関わりを持つ部署の管理職をコアスタッフとして任命します。さらに実務スタッフとして全部署から1~2名ずつ担当スタッフを選出し、コアスタッフのサポートを依頼します。プロジェクトの立ち上げとメンバーの任命は、全社に公表して社内の公式プロジェクトとして機能させます。また役割と責任(権限)を明確にするために、人事的な評価対象(手当など)として担当者のモチベーションの活性化を促すことも重要です。片手間にやるものではなく、社の重要業務であるという意識を全社で共有するようにしましょう。

移転プロジェクトの機能

機能1:移転目的とコンセプトの立案

移転に際しては、移転課題を明確にしてその解決策を検討します。移転の目的と移転後のコンセプトがはっきりしない引っ越しは、担当者の認識やイメージがそれぞれ異なる要因となるため、リスクや無駄が生じる可能性が高くなります。

機能2:従業員の希望をヒアリングし、まとめる

移転構想は中長期の経営計画に沿って立案します。移転プロジェクトでは移転の目的とコンセプトを打ち出し、移転計画について全従業員の周知と理解を得ます。設備の更新は利用者の意見や要望をヒアリングし、具体的な提案を行います。

機能3:移転後のイメージを具体化する

例えば、「業務効率を3年後に○○%向上」を目的とし、「在宅勤務制度を導入」をコンセプトとした場合、「在宅勤務制度の導入によるオフィス設備の刷新」が具体的な課題として出てきます。
普段オフィスで作業する人員が少なくなるのであれば、これまでの固定席からフリーアドレス(自由席)の導入が検討課題となり、それに沿った設備の更新で何が必要となるのかを洗い出し、リスト化します。あわせて勤務形態のルールも検討して、実際に勤務する従業員が利便性を享受でき、かつ不便が生じないかを確認しておく必要があります。

機能4:無駄のない発注を実行

移転プロジェクトでは効率の良い導入方法と予算を調査し、取締役会へ提案し承認を得ます。インターネットはA社から導入、電話・FAX設備はB社、PCやTV会議システムはC社、というようにバラバラに発注することは工事期間がかかるだけでなく、互換性や拡張性などで無駄が発生するリスクも高まります。そのような状況は極力避けて、発注先はできるだけまとめてください。
よくある無駄なケースとして、使い勝手をきちんと検証せずにスペックだけで判断して導入し、結局ほとんど使用しないまま廃棄することがあります。
全社移転の場合は買い替えや新規購入の設備も多くなり、予算のチェックも大変です。極力無駄が発生しないように予算を管理していくことも、プロジェクトの重要な機能です。

移転スケジュール

移転プロジェクトが立ち上がり次第「移転日」を決定します。この移転日をゴールとして、全社通達、移転計画の作成、オフィスレイアウトの作成、引っ越し業者や各設備業者の選定を行います。移転時期は移転先の建築状況や賃貸借契約など不動産・建設会社と調整・確認しておおよその時期を把握します。候補地が未定の場合は、実際の移転までに2~3年かかることもあります。(新規建設物件の場合など)

移転準備(移転日の設定と従業員への周知、従業員が使用する家具・設備の確認)

入居まで複数年かかる場合は先々の不確定要因の発生を考慮して、ある程度余裕を持ったスケジュールを設定しておくと入居時期が多少遅れても安心です。また「移転日」は、業務に支障が少ない土日や連休、夏季休暇に設定すると、不慮の事態にも調整が付きやすくなります。企業や経営者によっては縁起を担いで「大安」を気にする場合もあります。移転の準備・引っ越し当日は、全従業員の協力が欠かせません。身の回りの整理、ゴミや廃棄物の処理を早めに行うよう部署の担当者を通して周知し、進行状況を確認します。
あわせてデスクや椅子、ロッカー、棚、会議室などの共用設備やオフィス家具について、移転先に運搬するもの、残すもの、廃棄するものに分類します。これらは従業員個々の判断ではなく、資産・設備管理担当者の立ち合いの下に行います。

移転準備(外注会社の決定)

移転先については、レイアウトが決まると必要な設備工事や内装工事の時期・規模が明確にできます。
工事内容の詳細と見積りを検討し、外注先を決定したらそこから先はそれぞれの会社に任せて、プロジェクトスタッフは工事の進行と予算の管理に注力してください。
引っ越し業者は、従業員など社内で対応する作業と業者に任せる作業を具体的に区分して、引っ越し当日の具体的な手順とスケジュールを確認します。
この結果は、できるだけ早く全従業員に周知します。

移転当日

移転当日は社内対応と業者で連携を取りながら作業を進めます。旧オフィスからの荷物運び出しが終了したら、速やかに原状復帰工事を行います。(賃貸ビルの場合)
その後、ビル所有者と管理会社立ち合いで確認し、退去を完了します。

移転先ではデスク・椅子などのオフィス家具をレイアウトに沿って設置します。その後、従業員個々の業務に必要な書類などを運び入れ、業務開始できるように荷物を整理します。
また、電話・FAX・インターネットの接続を確認して営業開始に支障が起きないようにします。注意したいのは、顧客情報が入った書類や記録メディアなどの紛失です。誤って廃棄することがないようにご注意ください。

移転に伴う事務作業

移転に伴って、さまざまな事務作業が発生します。

  • 官公庁への各種移転手続き
    登記関係、税務関係、社会保険関係、労働関係をはじめ、金融機関、消防署、警察署など。
  • 取引先への移転案内状の作成と発送
    移転案内状は遅くとも移転の2週間前に先方に届くように発送しましょう。
  • 名刺・封筒などの印刷物・スタンプ類の作成
    ホームページの連絡先変更や印刷物の会社案内、パンフレット、請求書・領収書などの帳票類の住所変更は、新たに印刷するのか、もしくは連絡先部分にシールを貼って修正するのかを検討します。

移転後の作業

不足しているもの、不具合のあるものを確認し迅速に対応します。また、新規導入設備がある場合は順調に稼働しているか、利用が進んでいるか、利用されない場合はその理由を確認し対処します。
これらの確認は、移転直後・移転2週間後、1カ月後と複数回行うことをお勧めします。
ここで改善点をまとめて次の対策を検討します。ここから先は総務部門・情報システム部門が通常の業務として処理します。
また移転プロジェクトの立ち上がりから終了までを、次の移転にノウハウとして情報共有できるようにまとめて移転プロジェクトは終了となります。

オフィス移転に伴う設備更新のポイント

オフィス移転は設備を根本から刷新するチャンスです。特にIT機器は最新の設備に、ネットワークやサーバーなど、連携する設備も含めて総合的にリニューアルすることを検討しましょう。
例えばパソコンを処理速度の速い最新の機種に入れ替えても、社内ネットワークの設備が古くて処理スピードが遅ければメリットは部分的にしか享受できません。リニューアルの検討に当たっては、関連する設備の状況も検証して総合的な視点で検討する必要があります。

検討ポイント

  1. 省エネ設備
  2. IT・ネットワーク・サーバー設備
  3. セキュリティ設備

1.省エネ設備

自社ビルの場合はビル全体の省エネを管理する「BEMS」(Building Energy Management System)の導入を検討し、空調・照明・換気・OA機器の電力使用を監視し省エネの制御を行いましょう。
賃貸の場合は契約前にビル管理会社と照明・空調について、どこまで省エネ工事が可能なのかを確認してください。

照明
LED化と同時に、時間で自動的に点灯/消灯したり、センサーで人がいるところだけ部分的に調光したりする仕組みがあると、残業の抑制も含めて省エネに効果があります。また照明の管理はPCで自動的に行うようにして省力化も推進するとよいでしょう。
PC/その他
PCはデスクトップ型に比べてノート型の方が省エネ性に優れています。移転を機会に書類・帳票の電子化をするなどして、ペーパーレス化を推進しましょう。

2.IT・ネットワーク・サーバー設備

サーバー
自社内にサーバーを設置している場合は、移転先でもサーバーを社内に置くのか、社外のデータセンターを利用するのかを検討します。災害対策や社外からのアクセスを考えて、移転を機会にデータセンターにサーバーを移行するケースもあります。
ネットワーク
画像データをはじめ、やりとりするデータは大容量化しており、今後モバイルの5G化が進めばさらに加速すると予想されています。そのため、ネットワークは高速・大容量でセキュリティの高い回線を検討しましょう。社内のLAN回線は無線(Wi-Fi)にしておくと、レイアウト変更の際に回線工事の必要がなくなります。同様に電話や複合機(FAX・出力・コピー・スキャン)も無線化(モバイル対応含む)を検討してください。
PC
自分のデスク利用だけでなく、会議室やフリースペースでの作業や在宅勤務でも使えるようにノートPCやタブレットの導入を推進しましょう。PCを入れ替える場合は、PC本体だけでなく利用するソフトウェアも検証してください。
ソフトウェアはアップデートの管理が大変ですが、サブスクリプションタイプのソフトは自動的に最新版にアップデートしますので、セキュリティ上も安心して利用できます。

3. セキュリティ設備

セキュリティ
移転先のネットワークはセキュリティ対策を厳重に施してください。また、情報漏えいや不正利用を予防し、トラブルが発生した場合には、すぐに追跡可能な「ログ管理」ができるようにしておきましょう。日々監視するのではなく、不審な接続があったときにすぐ気が付けるようにしておくことがポイントです。また、物理的なセキュリティとして入退出(出退勤)システムや受け付け・オフィス内の監視カメラ設置も検討します。特に重要書類を保管しているスペースは厳重にセキュリティを施してください。

オフィス移転とは新しい環境づくり

オフィス移転は大変な労力がかかりますが、理想の環境を作る夢のある仕事です。働き方改革で業務効率を上げることが、今後企業が生き延びるポイントとなってきます。
IT設備は機器本体だけでなく、接続するネットワークや接続先の機器と連動するため、スムーズに高速化処理をする場合は全体を見直さなければなりません。移転は全体を一気に新しいシステムに変更できる大きなチャンスとなります。
オフィス移転を「会社が成長するためのターニングポイント」と捉えて、将来に向けた新しい環境を総合的に構築しましょう。

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著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。