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最新テレワークの運用・管理方法

急速に運用が拡大したテレワークの運用・管理方法を解説します

社会要請の急激な変化により、テレワークが急速に広まりました。突然の運用に戸惑う企業も多いのではないでしょうか。テレワークの運用・管理の課題と解決策について解説します。

[2020年 5月 7日公開]

テレワークの急速な拡大について

テレワークはPC/ネットワークを利用できる自宅やサテライトオフィスなど、オフィス以外の場所で仕事をする方法として活用されていました。Wi-Fiをはじめ家庭でのネットワークやモバイル環境の充実にあわせて、働き方改革における多様な働き方の代表例として推奨され、取り組みを始める企業も徐々に増えてきました。それが、2020年1月に国内でも感染者が確認された新型コロナウイルス感染症の対策として急速に拡大しました。しかし、準備期間を取らずに急きょテレワークの運用を開始した企業では、まだ十分な効果を得られていないケースも多いようです。

ここでは、テレワークの運用について総務の視点から課題を検証していきます。

テレワークの運用課題とは

テレワークを効果的に活用するためには、ハード・ソフトの両面で、作業しやすく適切な管理を行うことができる環境を構築する必要があります。オフィスの設備は同じ環境を構築することが前提ですが、自宅の場合は住んでいる地域や居住形態(戸建て・集合住宅など)が異なり、基本となる作業環境も従業員ごとに異なります。また、自宅作業に関してはルールが定まっていないケースが多く、早急にテレワークでの就業規定や効率のよい作業指示・管理・評価方法を策定して周知する必要があります。

就業課題

テレワーク就業規定⇒作業内容の明確化と共通のコアタイムの設定

目的、申請方法(会社命令・自己申請の場合)、就業場所、利用するネットワーク、連絡方法を管理します。就業規定は、テレワーク利用者の割合によって、既存の就業規則にテレワークの附則を追加する場合と、テレワーク専用の就業規則を作成する場合を検討します。

テレワーク就業規定作成のポイント⇒拘束時間は必要最小限に

自宅での作業において強制的な時間拘束はあまり意味を持ちません。成果を出すことを評価軸にし、期限に間に合うよう仕事を行えばよいのです。空いた時間で育児や介護、個人的な地域活動、ボランティア、副業なども可能となります。

コアタイムの設定

「終日PCの前で作業すること」などといった規定は必要最小限として、フレックス勤務のようなコアタイムを設定します。
例えば、

  • コアタイム(1)10時~11時
  • コアタイム(2)14時~15時

いずれかの時間帯はPCの前での作業を必須(外出の場合は事前に連絡)として、部署・プロジェクトのWebミーティング、会社TV会議への参加、上司との面談、スタッフ間の連絡、総務からの連絡を行う時間とします。

成果を評価軸とすると、納品物のクオリティを上げるために、通常より実際の勤務時間が多くなるとの声もあります。オフィスであれば強制的に残業を規制することも可能ですが、テレワークの場合は残業を抑えることが難しくなります。PCの稼働時間をログで管理するといったことが必要になるかもしれません。

作業内容の明確化

作業内容の設定は、担当業務によって異なります。一般的に欧米の企業ではテレワーク実施の割合が高いとされていますが、その要因は各担当の作業内容が明確に定められているからのようです。例えば、商品のパンフレットを作成する際に、社外のデザイナーや編集者といったフリーランスのスタッフに業務を依頼することに限りなく近い形態です。この場合、作業時間よりも納品物のクオリティが重視されます。テレワークが会社で仕事をしたふりをしている人をあぶり出すとか、無意味な残業代を削減する副次効果があるなどといわれるのは、成果が評価軸となるためでしょう。

テレワークで生産効率をアップさせるためには、この効果をさらに追求して、就業ルールに反映していくことをおすすめします。

テレワークの運用・管理方法

テレワークを効率よく運用・管理するためには、ハード・ソフトの両面で環境整備を図ることが欠かせません。

ハード面の課題

自宅作業用のPC貸与

セキュリティ(会社のサーバーへの接続、情報流出を監視するためのログ管理、ウイルスソフトの稼働、添付書類の暗号化など)を厳重に設定し、稼働状況を常時監視できるようにする。
Web会議のための動画カメラ・マイクは必須。会社指定のソフトウェア以外はインストールできないように設定する。プライベートでのPC利用はNG。

ネットワークの管理

自宅の回線を使用、あるいは無線Wi-Fiルーターの貸与を検討
自宅設備を使用する場合は使用料を設定する。
会社側回線のトラフィック管理
テレワークで全社員が参加するようなWeb会議を多用しても余裕のある、回線容量と速度の維持・管理を行う。VPNなど会社のネットワークがオーバーフローしてしまうと業務に支障を来すケースもあるので、余裕のある回線容量を持つように整備しましょう。
データセンターの複数拠点化
自然災害(地震や洪水など)や火災、戦争・テロなどの不測の事態を想定して、データセンターは1カ所に集中させるのではなく、バックアップを含め複数拠点化しておきましょう。

ソフト面の課題

TV会議・Web会議の設定
必要なソフトウェアのインストールと、会議への参加ルールを定めます。
コミュニケーション機能
簡単な確認や質問はチャットで行います。またコミュニケーション用の社内SNSの利用も検討しましょう。

テレワークの課題:コミュニケーションと一体感の醸成

テレワークを行ううえで一番不安を感じるのはコミュニケーションではないでしょうか。会社に居れば表情や電話のやりとりなどで仕事をしている様子が分かるし、何かトラブルが発生しても周囲が気付きやすいものです。また、昼食や休憩時にプライベートな会話をすることもできます。
テレワークではそうしたコミュニケーションは難しいと思われますが、前述したようにテレワークでもWeb会議やチャット、SNS、メール、電話でコミュニケーションを取ることは可能です。オフィスで就業するのと同じようなコミュニケーション環境を醸成しましょう。

方法(1)

自宅作業中はWeb会議のシステムをつないだままにする。画面は小さくても構いませんが表情が見える程度の画面にして、マイクもオンにしておきます。そうすることで「●●について知っている人はいますか?」と発言すると誰かが答えるというように、オフィスにいるときと同じような環境をつくることが可能です。

方法(2)

就業時間外でも積極的な活用を推奨しましょう。例えば、夜19時~21時はPCの前にアルコールやおつまみを持参してWeb飲み会をしたり、社内のクラブ活動のミーティングに利用したりしてみましょう。ネットワークをコミュニケーションツールとして活用することで、社員相互の理解が深まり業務での利用効率が向上する可能性があります。

テレワークの利用推進を図るために行うべきこと

1.PCリテラシーの教育

テレワークの作業ルールの周知徹底を図ります。例えば、PCやネットワーク、ソフトウェアの設定などで不明点や不具合が発生した場合、会社であればすぐにシステム管理者や部署内のPCに精通した人に聞いて解決を図ることができますが、自宅の場合は作業ができなくなる可能性も出てきます。そのため、個人で最低限のスキルを身に付けることが必要です。PCスキルに応じた教育を検討してください。

2.コミュニケーションマナーの徹底

新人研修でも行っていると思いますが、メールでの言葉遣いなどで相手に失礼や誤った印象を与えない、不適切なコメントをしない、不用意な情報発信はしないなど、情報リテラシー教育をあらためて行います。
テレワークではチャットなどのやりとりが多くなります。会話では強弱をつけて、柔らかく冗談めかして伝えることができますが、同じ発言をテキストで表現するとぶしつけな印象を与える場合があります。これが原因でけんか(炎上)になることも多いようです。このようなことが起きると損害を被る場合もありますので、くれぐれもネット上のマナーについての周知は徹底してください。

3.情報格差をなくす⇒Webサイネージの活性化

総務部門(社内広報)は、社員への情報伝達が重要な任務となります。テレワークで勤務している社員を念頭に置いて、必要な情報は社内サイネージコンテンツとしてまとめ、いつでも視聴可能な状態にしておきましょう。

Webサイネージのコンテンツ例

  • 業務連絡
  • 経営者メッセージ
  • 社内トピックス(新製品や新店舗、新事業、主催イベントの紹介など)
  • 社員メッセージ
  • 社員紹介(本人による自己紹介や結婚・出産のお知らせも含む)
  • 福利厚生情報(保養施設、レジャー、クラブ活動の案内)
  • 特集企画(「社員お宅訪問」「売り上げNo.1社員の紹介」)など……

簡易な画像編集ソフトを利用して、テンプレートを作成します。最近はTV局でもスマホで撮影した動画を利用していますが、数分程度の動画も交えて作成すると面白く見てもらえるかもしれません。ポイントは、クオリティを追求するよりも簡単にサクサク作って更新頻度を高めることです。
このようにして、必要な情報を知らなかったという人が出ないようにしましょう。慣れてくると企業風土の形成にも大いに役立つ可能性があります。

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著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。