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会社の点検「当たり前を見直す」

業務改善の第一歩は、当たり前に続けてきた習慣を見直すことです

テレワークなど、仕事をする環境が変わって気付いたことはありませんか。当たり前だと思っていた業務のムダに気付き、それらを改善したり廃止したりすることが大きな効果を発揮するのです。

[2020年 7月 6日公開]

全ての業務を可視化してみる

「しきたり」のように、業務の中で形骸化した手続きを疑いもなく継承していませんか。昔は意味があったことでも、時代が変わると不要な習慣になっていることがあります。業務効率の向上は企業活動の普遍的なテーマです。

ムダな時間や手間を取り除き、効率よく仕事をこなしたいですね。一度視点を変えて、新鮮な気持ちで業務を見直してみましょう。普段何気なく行っていることでも、業務のムダや製品・サービスの欠陥などを感じませんか。第三者的な視点で見てみると「何で?」と気付くことがあるかもしれません。

作業を可視化してみる

まずは作業を可視化してみましょう。これは、客観的な判断を下すための第一歩として必要なことです。大変、つらい、ムダなどの感覚的な評価に基づくと、人によって基準となる指標がバラバラになります。同じ作業でも慣れた人であれば簡単だと感じ、初心者は難しいと感じることがあるからです。

そのまま双方が納得する改善策を見つけようとすると、ハードルが上がってしまう可能性があります。どちらかが妥協せざるを得ないことになるかもしれず、それでは改善の効果も薄れてしまいます。

これを避けるためには、作業の目的と達成度を数値化することをおすすめします。

方法1

作業効率の可視化作業に要したマンパワーと作業時間を計測します。作業をやめた場合の作業時間の差が直接的な効果となります。
*やめた場合のリスクについては、想定されることを列挙

例えば、稟議(りんぎ)書を通すのに上長、課長、部長、役員の承認が必要だとして、それぞれが承認するためにかかる時間を計算します。上長20分、課長10分、部長6分、役員8分で合計44分要したとしましょう。この4名の平均時給額×44分が、作業にかかるコストとなります。

改善策として承認者を部長1人にした場合、38分の節約になります。ただし、承認者が誤った判断をした場合、誰もチェックできないというリスクも生じます。

もう一つの改善案は、全てをオンライン承認にすることです。承認作業に要する時間が1人につき5分減るとすると、全体で20分の節約になります。オンライン承認の場合、承認までの待ち時間短縮とチェック漏れの防止という付加価値ももたらします。

稟議書を回覧形式の承認にした場合、次の承認者の手に渡るまでに時間がかかり承認まで1~2日かかる可能性があります。それに比べると、圧倒的な速さで承認を得ることが可能です。また複数の視点でチェックできるので、チェック漏れも軽減されるでしょう。

リスクは、システム構築の費用がかかることです。次のステップでは、システム構築のための費用がどのくらいの期間で回収できるかを算出します。

方法2

システムの簡略化コスト削減の結果、どのくらい収益が向上するかを計算する。

この方法は、製造現場でよく行われています。製品の製造工程を減らす(合理化する)ことでどれくらい増収になるかを計算します。企業活動の目的は収益の向上ですので、全ての作業を金額として算出して比較することは、経営診断としても有効です。

方法3

アンケートの実施作業時間や収益の算出に直接結びつかない、福利厚生などについては、利用者アンケートの実施や利用率を算出することで客観的な判断材料を得ることができます。
例えば、利用した際の満足度を5段階で回答してもらい、満足度を計測します。満足度が高ければ継続を検討し、低ければ廃止、もしくは満足度を高める方法を検討します。

そのほかに、稼働率を確認して費用対効果を明らかにする場合もあります。感覚的に行っている作業でも、時給換算するなどして数値化できます。どこにムダがあるのかを知るうえでも、一度自己診断として徹底的に可視化し、作業の棚卸しをすることをおすすめします。

思い切ってやめる決断を

慣習となっていることをやめると、新しい方法に慣れるまでストレスがかかる場合もあります。また周囲へのアナウンス不足が原因で、思わぬところからクレームが入る場合もあります。
その作業がどのような目的で行われていて、誰(どの部署)が関与しているのかをきちんと確認しましょう。

ムダと分かっていても、やめる・変えるのが面倒で放置していることも多いのではないでしょうか。当たり前を見直すことは、このような理由から蓄積されたムダを思い切って取り除くことにつながります。

さらに日々行っているルーティンワークも検証してみましょう。最近はRPAを導入し、大幅な業務効率向上を達成している企業も多くなっています。データ転記などはロボットの方がミスもなく正確です。また作業時間も圧倒的に短く、24時間稼働させることができるので夜間や休日でも処理が可能です。単にやめるのではなく、新しい技術やアプリを導入して効率アップを図るのも一手です。

社会の変化と「当たり前の見直し」

2019年後半から世界に拡大した新型コロナウイルス感染症の影響で、世界的にライフスタイルや働き方に大きな変化が生じています。今回のパンデミックでテレワークは一気に普及しました。当分、以前のように机を並べ密集したオフィスで、話しながら仕事をするということはできないかもしれません。このような社会的な変化はオフィスの在り方も変えようとしています。

外出自粛で全社員の8割がテレワークになった場合、単純にオフィスの作業スペースも8割減で間に合わせることができます。作業スペースでの個人用デスクを廃止し、フリーアドレスに対応したデスクを配置することで、賃貸スペースを削減する企業も増えてくるかもしれません。そこで削減した賃料でテレワーク手当を支給したり、社員に貸与するPCやタブレット・スマホ、Wi-Fiルーターなどの機器を充実させたりすることを考える企業もあるのではないでしょうか。

これまで当たり前だったことが大きく見直され、新しい時代に向けて変わっていきます。この流れを踏まえて、自社に最適な改善策を見いだし実践していきましょう。

参考資料

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著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。