役立つ! 総務マガジン

テレワーク時代のマネジメント体制

テレワーク成功の鍵は「マネージャー」の育成力

ITをフル活用して業務効率を向上させる秘訣(ひけつ)は、高度なマネジメント力といわれています。従来の働き方とどのように違うのでしょうか。テレワークに必要なマネジメント方法をご紹介します。

[2020年 9月 7日公開]

業務の可視化とマネジメント

本格的にテレワークを導入するためには、自社の業務スタイルを大きく変更する必要があります。自社の業務をテレワークに移行した場合にどのような課題が発生し、どのような効果が得られるかを具体的に検証することがポイントです。

例えば、
<課題>販売担当者はテレワークができない。

<検討>ネット販売や無人販売システムの導入など、出社しなくても業務ができる仕組みを考察する。

ネットワークやICTがますます進化していく社会の中で、自社が持続・発展するためにどうすればよいかという長期的な視点で社員が知恵を出しあい、テレワークでできることを検証します。

テレワークで結果を出せない大きな原因として挙げられるのが「業務指示と成果の評価」です。
「何をどう依頼(指示)すればよいか分からない」、「指示されている成果物のクオリティのレベルが分からない」という課題をよく耳にします。これらを解決するには、業務内容を詳細に分析して適切なマネジメントを行うことです。

業務の可視化とマネジメント

業務内容については誰が、どんな業務を、どのように処理しているか(内容・時間・コストなど)を具体的に可視化する必要があります。

例えば、手書きの交通費精算(申請書作成)に、経路の確認などを含めて30分費やしていたとします。これをオンライン処理で5分に短縮するという目標を設定します。上司はこの目標と報告書提出のスケジュールを担当者に伝えます。途中、進捗(しんちょく)状況をヒアリングして助言し、場合によっては社内外の専門家の紹介を行います。結果として5分への短縮が実現すれば100点、10分であれば80点など客観的な評価を行います。これがマネジメントの手法です。

業務効率の向上を図るには、どこに無駄があるのかを客観的に知る必要があります。そのうえで無駄をなくすためにはどうしたらよいか、どれだけの無駄が削減できるのかを具体的に考え、行動するのです。目標は「実現困難に思えるが、工夫すれば達成できるレベル」を設定します。

スポーツに例えると、100m12秒10で走る選手に対して、コーチが11秒00を目標設定にするようなイメージです。これが10秒台の設定では最初から無理だと思われてしまいますし、12秒00ではそれほど努力をしなくても達成できる可能性が大きくなります。頑張って努力することで技術を身に付けて自信をつかみ、成長するよう促すのです。社員に対しても同様です。

優秀なマネージャーほど業務内容を理解し、適切な目標設定とサポートを行います。これがうまく行けば社員はモチベーションを高く保つことができます。また成長を促進し、サポートしてくれる会社に対してのロイヤルティが向上します。その結果、より一層仕事に集中することができ、業務効率の向上と収益力のアップが図れるのです。

上司がそばにいなくても仕事に集中し結果を出すためには、それをコントロールするためのマネジメントが必要です。テレワークの時代には、従来の組織を維持するための管理職という概念から、人や組織の成長を促進させるマネージャーというポジションが重要になります。テレワーク導入を通して、優秀なマネージャーの育成を図ることが企業の将来を左右するといっても過言ではないかもしれません。

参考書式

テレワーク時代のマネジメント体制チェックリストを、編集可能なデータでご用意しました。ぜひ参考にしてみてください。

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コミュニケーションロスをなくすために

テレワークの導入で一番心配されるのがコミュニケーションロスです。長期間在宅勤務が続くと引きこもり状態になるのではと危機感を持たれる方も多いと思います。また感染症予防における「3密」状態を避けるため飲み会などの機会が減少し、雑談レベルのコミュニケーションも取りにくくなります。

チームで業務を遂行する場合は、業務に関することはもとより人間関係が円滑であることが重要となる場合も多々あります。
テレワークでは直接的なコミュニケーションを取る機会が少なくなります。そのため定期的にビデオ会議と対面による1on1ミーティングを実施しましょう。ビデオ会議とリアルの面談を組み合わせて行うことをおすすめします。

ビデオ会議の開催

社員の多くがテレワークを行っていると、皆が在宅のため会議スケジュールを設定しやすくなるようです。その結果、ビデオ会議だけで1日を消化してしまったという人も珍しくありません。

ビデオ会議の基本

  • ビデオ会議の招集は必要最小限にとどめる
  • 会議は短時間で、効率よい運営を行う
  • 議事録を必ず記録(録画)し、社内閲覧できるようにする(*機密情報が含まれる場合を除く)

一方でコミュニケーションロスを生じさせないように、テレビ電話でお互いの表情を確認しながら1on1ミーティングを行いましょう。業務の進捗状況や課題となっている問題を把握することは、プロジェクトを推進するうえで欠かせない要素です。オフィスで一緒に働いているときは業務の合間の雑談などで自然に知ることもできますが、テレワークではそのようなコミュニケーションが不足する恐れがあるので注意が必要です。

多様な働き方とテレワークの今後

欧米では、新型コロナウイルス感染症が発生する以前からテレワークが普及していました。一方で日本での普及はあまり進んでいませんでした。その理由として、組織を重視する日本型の働き方が、個人で仕事を遂行するテレワークに向いていないためといわれています。しかしパンデミックの影響から出社したくてもできなくなり、テレワークが必須の状況になりました。そのため準備が不十分なままテレワークに踏み切った企業も多かったようです。

今後、日本でテレワークは定着しないのでしょうか。パンデミックが終息しても、生活様式を含め完全には以前の状態に戻らないと予測されています。そのためテレワークは試行錯誤を繰り返しながら徐々に定着し、同時に雇用形態も、終身雇用からフリーランスのような業務委託、副業が増えていく可能性があります。

ITの進化によって、場所と時間にとらわれることなく業務を遂行することが可能になり、必ずしも同じ場所に集まって作業をする必要がなくなります。このような社会の進化を見据えた経営方針を策定し準備することは、事業継続計画(BCP)の観点からも必要なことです。
テレワーク導入をその第一段階と捉えて、具体的な計画を見直し、策定することをおすすめします。

参考

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著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。