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アフターコロナ時代の最新健康管理

コロナ禍を経て企業の健康管理方法は大きく変化

新型コロナウイルスの影響でソーシャルディスタンスなどの感染防止対策や外出自粛などの新しい生活習慣が浸透してきました。そして、企業の健康管理も働き方改革と合わせて変化しています。

[2021年 9月13日公開]

ますます重要視される健康管理

定期健康診断など、企業が行う健康管理は労働安全衛生法に基づいて義務化されています。企業は労働者の健康と安全を守り、快適な職場環境づくりを行わなければならないからです。労働安全衛生法は毎年適宜に改正が行われており、特に2019年4月の改正では以下2点が強化されています。

  1. 過重労働を防止するために労働者との面接指導の強化
  2. 産業医・産業保健機能の強化

健康管理を適切に行い、労働者が安心して安全に働ける環境を実現することは従業員満足度アップに直結します。その結果、帰属意識の向上や離職者の減少など業務効率向上につながる大きなメリットを得ることができるでしょう。

参考

経営課題としての健康管理

経営視点から見た健康管理

コロナ禍で変化する企業の健康管理

2019年後半から全世界に感染が広まった新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により、テレワークなどの働き方の多様化が急速に進みました。感染防止対策が必要になったのはもちろんのこと、働き方の変化により企業の健康管理方法も変化しています。

最新の健康管理課題

コロナ禍による健康管理の課題は、感染防止対策とその対策によって変化した労働環境の整備です。

感染防止対策

ワクチン接種の効果と変異株ウイルスの発生状況により、新型コロナウイルス感染症の終息時期は変わってくるでしょう。マスク着用、検温、手指の消毒、うがいをはじめ、ソーシャルディスタンスの確保、飛沫(ひまつ)防止パーティションの設置、換気・空調管理、作業スペースの定期的な消毒などの基本的な感染防止対策をいつまで、またどのような規模で実施すればよいのかを検討しましょう。

労働環境の整備

コロナ禍での大きな変化は、テレワークをはじめとする働き方の多様化が急速に進んだことです。これまではオフィスで一元的に管理できたことが、自宅やサテライトオフィスなど、広域なエリアを含む遠隔管理にも対応する必要が出てきました。自宅での労働環境の把握と整備が必要になり、テレワークを継続していく場合は健康管理の対象を同居家族まで拡大することも検討します。また、在宅勤務で過重労働にならないような勤務管理や、業績評価方法の検討、運動不足から生じる生活習慣病対策、コミュニケーション不足によるメンタルヘルスのサポートなども大きな課題となっています。

企業の健康管理は、単に労働者の安全・健康を守り職場環境の適正化を推進するだけでなく、広く社会に向けた会社の基本姿勢としての総合的・複合的な課題へと変化しています。例えば、テレワークの推進は健康管理や感染防止対策としてとても重要ですが、実施に当たっては就業規則の改定や人事評価、業務マネジメント、ネットワーク・パソコンなどの設備管理、基幹システムの改修、セキュリティ順守など、会社を離れて業務を遂行するために必要な関連事項の整備も同時に検討する必要があります。

最新の健康管理方法とは

健康管理は健康診断の実施やその結果を踏まえて、産業医による保健指導アドバイスや残業の削減、ストレスの少ない快適な職場環境づくりを推進するのが基本です。コロナ禍のような不測の事態が発生した際は、できるだけ迅速に対応して労働者の健康被害を最小限に抑えることです。

有事の際に迅速に対処するためには、日常的な情報収集・蓄積によって変化をいち早く察知することが大切です。例えば、社員の健康管理の基本となる健康診断の受診状況やストレスチェックにプラスして、同居家族の健康状況や感染症に対するワクチンの接種状況を健康管理システムで管理できるようにします。これを健康管理の基本情報として、業務スケジュールとの連動を図ります。これを実施することで、例えば社内で新型コロナウイルスの感染者が見つかったときに、迅速に濃厚接触者を特定し検査の実施誘導や待機指示を行い、クラスター感染などの被害拡大を抑えることができます。また、周囲が気付きにくいメンタル系の疾患についても、ストレスチェックを定期的に実施し、面談も併せて傾向を見ていくことで早期に対応することが可能となります。

これらの管理は、テレワークなどで業務をマネジメントする際に必要なスケジュール情報をベースにすると、入力する社員の手間が軽減されます。また、行動管理についてはプライバシーに十分配慮しつつGPSによる位置情報を利用するなど、簡易に運用できるように工夫することも大切です。

新しい健康管理を成功させるポイントは、ITの利用によるリアルタイムな一元管理です。例えば、毎日体重や体温・血圧を測定してエクセルなどの表に入力するのは手間と感じる人も多いのではないでしょうか。測定結果がスマホなどに送られ直接データを記録できる機器を貸与するなど、なるべく社員に手間や負担をかけない工夫をすることが、健康管理を根付かせる第一歩となります。また、結果(正常・要注意・検診指示など)を日々社員にフィードバックすることで、守られているという意識が高まり、健康維持が習慣化します。適切な健康管理を行うことで、もしも病にかかっても周囲が体調を気遣いながら復帰を促すことが可能となります。ただし、運用に当たっては守秘義務の高い個人情報を扱うこととなりますので、運用ルールの徹底と情報セキュリティに十分に注意してください。特に罹患(りかん)状況や病状に関するフィードバックは、産業医・専門医を通して行うことをおすすめします。

健康管理の習慣化「ストレッチ」の実践で健康意識を高める

健康管理の大前提は「予防」です。疾病を回避する、あるいは症状を軽減し早期回復を図るには、日常生活の過ごし方が重要です。特に運動と食事、喫煙・飲酒、ストレスについては日ごろから気を付けていないと、長年の不摂生が蓄積して生活習慣病(がん、脳卒中、心臓病など)を罹患(りかん)するリスクが高まります。

このリスクを減らすには、全社全体で健康意識を高めて社員それぞれが自身の健康管理を行っていくことです。そこでおすすめするのが「ストレッチ(ストレッチング)」です。

一日複数回、短時間(3分程度~)楽しく実践することで健康への関心も高まってくるのではないでしょうか。オフィスの自席や自宅のワークスペースで行えるストレッチを紹介した動画も簡単に見つけられますので、全社員で、決まった時間に気分転換として実践してみませんか。なお、このような習慣は根付くまでが一苦労です。できるだけ多くのメンバーを集め、在宅勤務者向けに紹介動画を作成するなど、気軽に参加できる雰囲気をつくることが重要です。

アフターコロナ時代に向けて

新型コロナウイルスの感染拡大で、世界中で多くの方が亡くなりました。あらためて犠牲になられた方々のご冥福をお祈りいたします。また、感染の影響による経済不況で経営に大きな打撃を受けた企業も多くあると思われます。今後も起こり得るこのような事態に備える、あるいは被害を最小限にとどめるために、社員の健康=会社の健康として健康管理を実践されることをおすすめします。社員が健康に活躍できることは、あらゆる困難を乗り越える力を持っている証しではないでしょうか。

新しい習慣が根付くまでには多くの困難と労力・時間がかかります。コロナ禍での教訓を自社の健康管理/リスクマネジメントの課題としてとらえ、社員と会社を守る取り組みを開始しましょう。

参考

従業員の健康を守り、生産性向上を実現

勤次郎Enterprise ヘルス×ライフ

「勤次郎Enterprise ヘルス×ライフ」は、心身・働き方・生活データを一元化・分析し、的確な健康増進施策が可能になります。また、「統合データ分析機能」で生産性低下による損失コストを可視化し、健康経営の取り組み方針を明確化できるため、損失コストの削減から「生産性向上・業績向上」へと導きます。

著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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