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「週休3日制」をいち早く導入しよう!

従業員からの人気が高い「週休3日制」

東京都産業労働局の「労働時間管理に関する実態調査」(平成28年度)によると、従業員が今後適用を希望する労働時間制度は「週休3日制度」がトップでした。いわゆる「週休3日制」とはどのような制度なのでしょうか。

[2018年 5月21日公開]

まだまだ導入実績の少ない「週休3日制」

一方で、先の調査によると、企業が既に導入もしくは今後導入する考えがある制度は、「フレックスタイム制」(28.6%)が最も多く、次いで「短時間正社員制度」(28.1%)であり、「週休3日制」は4.8%と低い結果となりました。残念ながら「週休3日制」は、今後導入を検討している企業もまだまだかなり少ないようです。

「週休3日制」の具体例

とはいえ、近年では週休3日制を取り入れる企業も少しずつ増えてきました。週休3日制は、法律で明確に定義づけされた制度ではないため、制度設計も企業によってさまざまです。一例を見てみましょう。

勤務日限定正社員制度を創設

1日の勤務時間は正社員と変わらず8時間、出勤日のみ週4日とする。この制度のメリットは、育児や介護を担う正社員のワークライフ・バランスや、フルタイム×週5日は無理でも責任を持って働きたいという従業員にうまく適用できる可能性がある。

正社員の勤務スタイルをAまたはBの選択制とする

A:1日の勤務時間を8時間とし、週5日勤務とする週休2日制。B:1日の勤務時間を10時間とし、週4日勤務とする週休3日制。AまたはBを選択制とするこの制度のメリットは、Bの勤務を魅力に感じ、応募者の増加や働きやすさがアップする可能性がある。

なお、1日または週の労働時間が法定労働時間を超える場合には、「1カ月単位の変形労働時間制」などの導入もあわせて必要となる場合がある

1カ月単位の変形労働時間制の詳しい内容を確認する

週休3日制・制度導入のポイント

週休3日制の導入を検討する場合のポイントは大きく分けて次の5つです。

1:目的
導入目的を明確にする。(例:業務効率化、ワークライフ・バランス等)
2:対象者
対象者を決める。(対象者の業務を皆でカバーできる仕組みが必要)
3:休日
所定休日を決める。(ノー残業デーの多い水曜日が導入しやすい?)
4:給与・待遇
変更がある場合は、納得のいく説明が必要。
5:副業
給与減額を伴う場合は解禁もあり。ただし、同業他社への就業は慎重に判断すべき。

週休3日制の導入で、総労働時間を変えずに1日当たりの労働時間を増加させる場合には、給与は減額せずに休日を1日増やすことができます。従業員にとっては、メリットの大きい制度だといえます。

週休3日制のメリット

休日が増え、QOL(生活の質)が向上

  • 育児、介護との両立がしやすくなる。
  • 平日にゆっくり美術館へ行ったり、役所や銀行などの雑用を済ませたりすることができる。
  • 資格試験の勉強などに集中できる。

生産性向上につながる可能性も

  • 週4日の出勤日の集中力が増し、結果として残業が減った。
  • 休みの日でもほかの社員が対応できるように、自分が抱えている仕事の進捗を見える化したところ、週4勤務でも問題なく仕事が回るようになった。

週休3日制のデメリット

給与が減るパターンもある

  • 週4日勤務になり、総労働時間が減ったため給与が減少した。
  • 週5日毎日残業していたが、週4日になり残業代が減った。

労務管理の複雑化もありうる

  • 競合他社での副業により、情報漏えいが発生してしまった。
  • 本業と副業のダブルワークで過労状態となっている社員をどうするか。

ワークライフ・バランスを見直して、魅力的な職場環境に

AIやIoTの普及により、私たちの働き方そのものが変わろうとしています。従来どおりの働き方が必要とされる職種もありますが、時間に縛られない働き方を選べる職種であれば、通勤時間の短縮などにもつながるため、週休3日制はワークにもライフにも有用な働き方かもしれません。

また、企業にとっても週休3日制を魅力的な制度設計にすることで、今後働き手が不足する中であっても、コストをかけずに良い人材を採用するきっかけづくりになるのではないでしょうか。

著者紹介

岩野 麻子(いわの あさこ)

特定社会保険労務士・健康経営アドバイザー。社会保険労務士 岩野麻子事務所代表。青山学院大学法学部を卒業し、大手化粧品メーカーに勤務。2007年5月に東京都中央区にて開業し、現在はスタッフ数名とともに中堅・中小企業の労務管理や給与計算サポートなどを行っている。

座右の銘は「働く全ての人々にQOL(生活の質)の向上を」。最近では、健康経営の推進にも力を注いでいる。(2018年2月22日時点の情報です)

社会保険労務士 岩野麻子事務所 (https://www.iwano-sr.com)

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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