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副業を通じた、パラレルキャリアの築き方

副業を通じた柔軟な働き方は、変化の多い時代のリスクヘッジにも!

これまで当たり前のように思われてきた「副業の禁止」。しかしながら、公務員を除く労働者については副業を明確に禁止する法律はありません。もしあなたが働く会社で副業が解禁されたら、副業をしてみたいと思いますか?

[2018年11月19日公開]

副業者と副業を容認している企業の実態

現在、既に副業をしている人は「自分がやりたい仕事がある」「スキルアップ」「資格の活用」「十分な収入の確保」などを理由に副業を行っている方が多いようです。副業等の形態も「正社員」「パート・アルバイト」「会社役員」「起業による自営業主」とさまざまです。その一方で、「副業等を推進していないが容認している」企業は全体の14.7%、残りの85.3%は副業等を認めていないことが分かりました。副業を認めている企業はまだまだ少ないようですね。

実際に本業を持ちながら副業している人の割合は4.0%、副業を希望する「追加就業希望者」も6.4%となっており、全体に占める副業者の割合はまだまだ少ないものの、微増傾向にあるようです。働き方改革の影響もあり、今後も副業者は増加傾向にあるものと思われます。

  • * 参考文献:副業・兼業の促進に関するガイドライン(厚生労働省)。兼業・副業に係る取り組み実態調査事業(中小企業庁委託事業・平成26年度)。「就業構造基本調査(総務省統計局・平成29年度)」

引用元:総務省統計局 平成29年就業構造基本調査 結果の概要(https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2017/pdf/kgaiyou.pdf)

副業のメリットおよび留意点

 メリット留意点
企業側
  • 優秀な人材を確保しやすい。
  • 副業で得た経験・学びが本業に生きる場合がある。
  • 自身の職業人人生において主体的な考え方ができる。
  • 業務の都合などでやむなく職種変更、他部署への異動が必要となった場合に、柔軟な異動が可能となる場合もある。
  • 深夜、早朝の副業を許可する場合は特に、健康面への配慮が必要。
  • 職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務等を順守させるための対応が必須。
  • 1日の労働時間が他社を含めて8時間以上となる場合、いずれかの企業で時間外割増賃金の支払いが必要となる。(注)
従業員側
  • 収入を増やすことができる。
  • 本業を抱えながら別の仕事を持つことができるため、本業と副業を通じて自己実現ができる。
  • 労働者自身による主体的なキャリア形成や、パラレルキャリアを持つことが可能。また、職業人人生のシフトチェンジもしやすくなる。
  • 本業に支障を来さないよう、労働時間や業務のボリュームをうまくコントロールする必要がある。
  • 長時間労働につながる恐れがあるため、健康面において一定レベルの自己管理が必要。
  • 就業規則の順守や職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務を意識することが重要。
  • (注)副業者の労働時間を2社で通算した場合に、おのおのの企業で働いた労働時間が法定労働時間を超えていなくとも、その労働者の1日の法定労働時間を超えたところから一方の会社(原則として、時間的に後で働く会社)には割増賃金を支払う義務が発生します。この点には注意が必要です。

副業等を認める場合の就業規則例

副業を許可する場合は業務に支障のないよう、服務規律等を含め就業規則全体の見直しを行うようにしましょう。少しずつ副業を解禁していってうまくいかなければ小まめに見直しを。副業で得た学びや経験が会社の業務に還元されていくとよいですね。

第●条(副業・兼業の許可)

  1. 労働者は勤務時間外において、事前に会社の承認を得たうえで他の会社等の業務に従事することができる。
  2. 前項の業務は事前に会社に所定の様式にて申請し、本業に支障がないと認められた場合に限り承認するものとする。
  3. 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当すると判断した場合、会社は直ちにこれを禁止することができる。
    (1)労務提供上の支障がある場合
    (2)企業秘密が漏えいする場合
    (3)会社の名誉や信用を損なう行為、信頼関係を破壊する行為がある場合
    (4)競業により企業の利益を害する場合
    (5)その他この就業規則に反する恐れがある場合

第●条(服務)

労働者は職務上の責任を自覚し、職務に専念すると共に会社の指示命令に従い、安全および衛生に関する諸事項を順守し常に誠実に勤務しなければならない。

第●条(秘密保持義務・個人情報の管理)

  1. 労働者は業務上または在職中に知り得た秘密情報について、会社の許可なく開示、漏えい、もしくは使用してはならない。
  2. 労働者は顧客・取引先・従業員・役員その他会社関係者の個人情報をほかに漏らしてはならない。
  3. 本条第1項および第2項の義務は、退職後においても同様である。
  4. 本条に違反した場合、会社は労働者に対し会社が被った一切の損害その他損害賠償に関連して出費した諸費用を賠償させることがある。

第●条(競業避止義務)

労働者は会社の承認を得ず、在職中は元より退職後においても前条の秘密情報および個人情報を利用して競業的行為をしてはならない。

著者紹介

岩野 麻子(いわの あさこ)

特定社会保険労務士・健康経営アドバイザー。社会保険労務士 岩野麻子事務所代表。青山学院大学法学部を卒業し、大手化粧品メーカーに勤務。2007年5月に東京都中央区にて開業し、現在はスタッフ数名と共に中堅・中小企業の労務管理や給与計算サポートなどを行っている。

座右の銘は「働く全ての人々にQOL(生活の質)の向上を」。最近では、健康経営の推進にも力を注いでいる。(2018年2月22日時点の情報です)

社会保険労務士 岩野麻子事務所 (https://www.iwano-sr.com)

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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