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快適な職場環境とは? 働きたくなるオフィスについて

職場環境も「モノ」から「コト」へ

働きたくなるオフィスと聞いて、あなたはどんな職場を思い浮かべますか? 職場環境も「モノ」から「コト」へ。働きがい、幸せを感じられる職場が今、求められています。

[2019年10月21日公開]

労働安全衛生法と産業の変遷

1950年ごろの日本は、第一次産業(農林水産業)が産業の約半数を占めていました。その後、高度経済成長期を迎え1970年には第一次産業が半減する一方で、第二次産業(製造業・建設業等)が増加し、続いて第三次産業(サービス業等)が急増します。そのような中、第二次産業の増加に伴い、大規模工事などが原因で、毎年6,000人を超える労働者が業務中に命を落としたり、工業化が原因で水俣病などの公害訴訟が提訴されたりしました。

そこで、労働災害の防止や快適な職場環境の形成などを事業者(企業)に義務付ける目的で1972年に制定されたのが、労働安全衛生法でした。今日では、ストレスチェックの義務化(2015年)など、産業構造の変化に伴い、「労働災害の防止」や「快適な職場環境」に求められる意義も少しずつ変わってきています。

働きたくなる職場とは?

時代の変遷と共に安全で清潔になった職場ですが、IT技術の進歩や仕事のスピード感が高まることにより、過度の緊張やストレスに悩まされる労働者が増えてきています。そこで、今の時代に必要な「快適な職場環境」について考えてみました。

1.職場のメンバー全員が心身ともに健康であること

労働安全衛生法の制定当時から、目的の一つとして掲げられているのが「労働者の健康と安全を確保する」ことです。職場のメンバーが心身ともに健康であるだけで、職場の雰囲気は良くなり、仕事の効率は上がります。また、自分自身に余裕があれば、ほかのメンバーに優しく接することもできるでしょう。

【目的を達成するためにできること】

  • 健康保険協会等が行う「健康企業宣言」にチャレンジしてみる
  • 定期健康診断は毎年受診する。また、必要があれば早期に医療機関を受診する
  • 長時間労働や過度なストレスのないよう、労使ともに協力して改善する

2.メンバーの強みを知り、生かすこと

かつての日本企業では、画一的な人材育成や個性を重要視しない風潮もありました。しかしながら、自分の強みを知って組織に生かすことや、他者との違いを知ることで、自分に不足している能力をチームで補い合うなど、多様性でチームを強化することもできます。また、自分と他者をより深く理解することで、人間関係から来るストレスを軽減したり、自分が活躍できる居場所を発見したりすることにも役立ちます。

【目的を達成するためにできること】

  • 採用試験時に、適性・能力検査(CUBICなど)を実施する
  • チームビルディングや心理学などの研修を受講する

3.ビジョンが共有されていること

会社の経営理念や経営目標が明確に定められており、その目標を達成するための情報が必要なメンバーにきちんと共有されていることは重要です。
また、風通しの良い人間関係や、メンバーが一丸となって協力し合える企業風土があれば、より目標達成に近づくことができるでしょう。

【目的を達成するためにできること】

  • 今期の財務状況や経営計画など、必要な情報が適切にメンバーに伝えられていること
  • 人事評価制度などを通じて、個々人がどのように行動すればよいか、明確に示されていること

4.ルールがあること

就業規則や賃金制度、社内マニュアル、雇用契約書など、自身の待遇や社内のルールなどが明確に定められていることで安心して働くことができます。

【目的を達成するためにできること】

  • 給与や賞与、労働時間や休日など、労働条件に関する重要事項は、書面で明確に定めておくなど、不安や不満のないような状態にしておくこと
  • 好ましい社内風土を醸成するために、大切なルールはマニュアル化しておくこと

5.人の役に立つこと

人の役に立つことが、自分も幸せになれる方法だともいわれます。自身の仕事を通じて、誰かが幸せになれるという経験ができれば、それは素晴らしい仕事だといえるでしょう。

【目的を達成するためにできること】

  • 自分の仕事の意義や、使命を考える
  • 職場の仲間や家族、取引先などを大切にすることで感謝され、認められる仕事をする

快適な職場環境に必要なこと

仕事がより高度化・複雑化する中で、人々が仕事に求めるものも変わってきているように思います。その中にありつつも普遍的な価値を感じるものは、心地良い人間関係やチームワーク、仕事を通じて誰かを幸せにするという達成感なのかもしれません。

著者紹介

岩野 麻子(いわの あさこ)

特定社会保険労務士・健康経営アドバイザー。社会保険労務士 岩野麻子事務所代表。青山学院大学法学部を卒業し、大手化粧品メーカーに勤務。2007年5月に東京都中央区にて開業し、現在はスタッフ数名と共に中堅・中小企業の労務管理や給与計算サポートなどを行っている。

座右の銘は「働く全ての人々にQOL(生活の質)の向上を」。最近では、健康経営の推進にも力を注いでいる。(2018年2月22日時点の情報です)

社会保険労務士 岩野麻子事務所 (https://www.iwano-sr.com)

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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