役立つ! 総務マガジン

その危機感を忘れずに! 今こそ始めよう災害対策とBCP

近年高まる自然災害への備え

年間を通して変化のある気候は日本の魅力でもありますが、台風の次は雪の季節、地震に津波の対策も……と、自然災害への対策は1年中気を抜けません。近年高まる自然災害への危機感をそのままにせず、防災への取り組みを少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。

[2019年12月16日公開]

台風の影響でどんどん雨足が強くなる……判断が難しい帰宅指示

だんだんと雨足が強くなり、家についたときにはもうびしょ濡れ・・・。このような経験は誰にでもあるのではないでしょうか。台風などの影響で公共交通機関の運転が取りやめになり、帰宅できなくなるほどの暴風雨のときは、従業員を早めに帰宅させるなど、計画的な指示が重要になってきます。

とはいえ、「公共交通機関の運行中止が決定してから」「警報が出てから」「従業員各自の判断に任せよう」「定時まで勤務させる」など、その判断は企業によってまちまちです。

台風が近づいている場合などは特に、社内の担当者が的確かつ早めの判断ができるよう、天気予報をこまめにチェックし、社内に一定の判断のためのルールを設けておくことが重要です。また、帰宅指示が早めに出れば、従業員自身も急ぎの仕事は早めに片づけるなど、優先順位をつけやすくなります。そして、何より無事に、トラブルを最小限に帰宅できるため、従業員本人はもちろんのこと、ご家族の方も安心することでしょう。

備蓄品の購入・買い増しリスト

帰宅できない程の大災害が発生したときに職場や出先で困らないよう、今のうちからできる防災対策の一つが備蓄品の準備です。

会社が用意しておくもの

災害発生時に必要となるもの
消火器、ロープ、担架、ハンマー、ナイフ、バール、スコップ、はしごなど
災害発生後の片づけ、復旧時にあると役立つもの
手袋、新聞紙(割れ物を捨てるときに役立つ)、ごみ袋、ほうき、ちりとり、ブルーシート、ガムテープ、段ボール、カセットコンロとボンベ、鍋、ライター、油性ペン、ラップやアルミホイル、水用ポリタンクなど
従業員のための備蓄品など
ヘルメット、食料品や飲料水(3~5日分程度)、懐中電灯やLEDランタン、マスク、ばんそうこう、ティッシュ、災害用トイレ、防犯ブザー・笛、非常用ブランケット、手回し充電式のラジオ、乾電池など

各従業員が個別に用意しておくと良いもの

全員
身分証明書や健康保険証、小銭、モバイルバッテリー、携帯電話の充電器、ウェットティッシュ、除菌アルコール、大判のハンカチ、ビニール袋、手軽に食べられるもの、雨具(カッパ、折り畳み傘など)、歯ブラシなど
女性のみ
生理用品、髪留め(ピンやゴム)、動きやすい服、歩きやすい靴、持ちやすいバッグ(リュックやウエストバッグ)など
必要に応じて
目薬、使い捨てカイロ、熱を冷ますシート、服用中の薬、アイマスク、耳栓、眼鏡、コンタクトレンズや洗浄液、アロマオイルなどストレスを軽減させてくれるものなど

BCP(Business Continuity Plan)とは

BCPとは事業継続計画と呼ばれるもので、企業が自然災害やテロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。

BCPは従来型の従業員の安全対策や、避難訓練にとどまらないことが特徴です。危機に直面したときの企業自身の被害の局限化だけでなく、コンプライアンスの確保や社会的責任という観点から対策を講じる必要があります。

BCPは、以下のようなポイントを押さえて策定します。

  1. 優先して継続・復旧すべき中核事業を特定する
  2. 緊急時における中核事業の目標復旧時間(RTO:Required Time Objective)を定めておく
  3. 緊急時に提供できるサービスのレベルについて顧客とあらかじめ協議しておく
  4. 事業拠点や生産設備、仕入れ品調達等の代替策を用意しておく
  5. 全ての従業員と事業継続について共通の認識を作っておく

災害対策のために、今からできること

もしも災害が起こったら、あなたはどんな風に行動しますか? 避難経路の確認や整理整頓、防災備品や備蓄品のチェックなどは事前に行っておきましょう。そのほか、メールアドレスやSNS、携帯電話の番号など、いざというときに他の従業員と連絡が取れるようにしておくことも重要です。

実際に避難するときは、多少の余裕があれば、戸締まりをしてから職場を離れるなど、災害時にもセキュリティ対策を怠らないようにしましょう。いざというときに慌てないためにも、平常時からの準備が大切です。

著者紹介

岩野 麻子(いわの あさこ)

特定社会保険労務士・健康経営アドバイザー。社会保険労務士 岩野麻子事務所代表。青山学院大学法学部を卒業し、大手化粧品メーカーに勤務。2007年5月に東京都中央区にて開業し、現在はスタッフ数名と共に中堅・中小企業の労務管理や給与計算サポートなどを行っている。

座右の銘は「働く全ての人々にQOL(生活の質)の向上を」。最近では、健康経営の推進にも力を注いでいる。(2018年2月22日時点の情報です)

社会保険労務士 岩野麻子事務所 (https://www.iwano-sr.com)

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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