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人事制度を作るなら今! 後回しにできない組織風土づくりとは?

人事制度がないと生じる、大きなデメリット

「社長や管理職がとにかく忙しい」「昇進したけど、部下の育て方が分からない」「入社して何年もたつけど、どうしたら自分の給与が上がるのか分からない」「職場の雰囲気が悪い」……。それはもしかすると、自社の人事制度がうまく機能していないからかもしれません。

[2020年 3月16日公開]

中堅・中小企業にありがちな停滞

組織には、個人の成果を求められるプレイヤーと、プレイヤーを指導するリーダーや、組織全体の成果への責任が求められるマネージャー、経営者というポジションがあります。よくあるのは、リーダーやマネージャー、経営者が、プレイヤー業務の一部や営業を手伝うことにより、とにかく時間が足りない状態となってしまうこと。リーダーがやるべきプレイヤーの指導・育成や、マネージャーや経営者が行うべき2~5年後の経営計画など、そのポジションの仕事はまさにそのポジションの人がしかるべきときにやらなければ、組織の成長は期待できません。

良い組織風土づくりに欠かせないもの

それぞれのポジションの人が、自分の役割を理解して、どのように行動すれば組織の成長に貢献できるのか考えるためには、まず、どのような目的を持って、どのように組織を成長させていきたいのかを明確にする必要があります。それらの経営理念や組織の価値観の共有度合いが高まれば、良い組織風土づくりの土台が出来上がってきます。ここで重要な役割を果たす仕組みの一つが、人事制度です。

良い人事制度がもたらす五つの効果

(1)共通の目標を持つことができる

経営理念や組織・チームの目標などを明確にし、みんながそれを目指して同じ方向を向き、前へ進むことができます。例えば「私の仕事は、この書類を作成すること」から、「私の仕事は、この書類作成を通じて、職場で働くさまざまな人々とその家族の健康をサポートすること」と捉えることができれば、組織全体に対して自身の仕事が持つ意味が一気に広がります。

(2)モチベーションが高まる、良い組織風土が醸成される

経営理念を理解し、頑張る人、成長する人を見逃さず、その行動や姿勢をまず褒めるなど、承認し、評価することで仕事への動機付けにつながります。
また、そのような人々が集まることにより、良い組織風土も醸成されていきます。

(3)納得感のある給与、待遇を決めることができる

人事評価の基準を事前に作り、定期的な面談等を行うことで、社員の発揮能力や成果に応じた適切な給与、待遇を決めることできます。その際、経営理念や組織目標に加えて、組織の求める人物像も明確にしておくと、個人の目標なども立てやすくなります。

(4)全員が自己成長できる

組織の求める人物像(姿勢、態度や能力等)と、部下の現状にギャップがある場合、上司、部下ともにこれを共通認識し課題としてチャレンジすると、部下の成長につながります。
また、部下は意外と上司のことを見ているものです。上司の方も、自身の発言や行動に一貫性を持たせる、部下の話は誠意を持ってしっかりと聞くなどの努力を怠らないようにしてください。そうすることで、部下からはもちろんのこと、部下の育成を通じて、自身の上司からの信頼も得られるようになっていきます。

(5)組織の目標が達成できる

これら四つが実現し、効果を発揮していくことで、業務の効率アップや、生産性の向上、業績目標の達成や、組織全体の目標達成に近付くことができます。

人事制度の導入を成功させるためには、主要メンバーへ個別に説明を行い、事前に理解を得ておくとスムーズです。そして設けた人事制度を毎期しっかりと運用していきましょう。理解しやすい言葉で語られた経営理念や、複雑すぎない人事制度は、きっとしっかりと組織に浸透していくでしょう。

同一労働同一賃金の観点からも重要な人事制度

2020年4月1日から、正社員と非正規社員の間の不合理な格差を解消することを目的とした、同一労働同一賃金のルールがスタートします(中小企業は2021年4月1日)。人材活用の仕組みや、責任の程度などを理由に給与や待遇に違いを設ける場合は、その理由が合理的であることを説明するためにも、人事制度を一度見直し、ご活用ください。

著者紹介

岩野 麻子(いわの あさこ)

特定社会保険労務士・健康経営アドバイザー。社会保険労務士 岩野麻子事務所代表。青山学院大学法学部を卒業し、大手化粧品メーカーに勤務。2007年5月に東京都中央区にて開業し、現在はスタッフ数名と共に中堅・中小企業の労務管理や給与計算サポートなどを行っている。

座右の銘は「働く全ての人々にQOL(生活の質)の向上を」。最近では、健康経営の推進にも力を注いでいる。(2018年2月22日時点の情報です)

社会保険労務士 岩野麻子事務所 (https://www.iwano-sr.com)

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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