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テレワーク支援だけじゃない、働き方改革推進支援助成金とは?

「成果目標」を達成したら、かかった経費の最大80%の助成金が支給される

テレワークに関する助成金や雇用調整助成金が多く取り沙汰されていますが、本年度は働き方改革に関するそのほかの助成金も充実しています。「働きやすい職場」を目指し、助成金を活用して「生産性向上」に取り組んでみてはいかがですか?

[2020年 6月15日公開]

働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)とは?

働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)は、2020年4月から中小企業に、時間外労働の上限規制が適用されたことを受けて創設されました。

この助成金は、時間外労働の削減や年次有給休暇の取得促進に向けた環境整備を行うことを目的としています。業務改善のためのコンサルティングや労働能率の増進につながる機器の導入などにより、一定の成果を上げた中小企業事業主に対して、その経費の一部を助成するものです。

なお、2020年度分の申請期限は2020年11月30日です。

まずは「成果目標」を設定しましょう

この助成金を受給するためには、まず以下の「成果目標」1から4のうち一つ以上を選択し、全ての対象事業場において、その達成を目指すことが必要です。

1.時間外労働を減らし、36協定を届け出すること

時間外労働時間数を縮減し、月60時間以下、または月60時間を超え月80時間以下に上限を設定し、36協定を届け出すること。

2.ひと月当たりの休日を1日以上増やすこと

週休2日制の導入に向けて、所定休日を1日~4日以上増加させ、規定後ひと月間においてその実績があること。

3.特別休暇を規定し、導入すること

特別休暇(病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇)の規定をいずれか一つ以上、新たに導入すること。

4.年次有給休暇の時間単位付与を新規導入すること

時間単位の年次有給休暇の規定を新たに導入すること。

上記の成果目標に加えて、対象事業場で指定する労働者の時間当たりの賃金額の引き上げを3%以上行うことを成果目標に加えることができます。(賃金加算額)

助成対象となる取り組み

以下の支給対象となる取り組みの実施に要した経費の一部(最大80%)が支給されます。

外部専門家によるコンサルティングの実施(上限10万円)

現状の生産性などについて、専門家が問題点やその原因を分析し、対策の検討・実施などを行います。

(具体例)

  • 現状の業務体制などを把握するため、専門家が調査やヒアリングを行う。
  • 調査結果に基づき、問題点や非効率となっている原因の分析を行う。
  • 作業方法を改善するため、必要に応じて専門家からIT化推進の提案などを受ける。 など

労働能率の増進に資する設備・機器などの導入・更新(成果目標の取組額が上限)

(具体例)

  • 機器やソフトウェアを購入し、現在手作業で行っている在庫管理の作業を軽減する。
  • 待ち時間の多い建設現場においてダンプカーを追加購入し、待ち時間を削減する。
  • 美容業において多機能マシンを購入し、作業効率を大幅アップする。 など

そのほかにも、「テレワーク用通信機器の導入・更新(パソコン、タブレット、スマートフォンは対象外)」や「労務管理用ソフトウェアの導入・更新」なども助成の対象となります。

従業員に対する研修(業務研修を含む)、周知・啓発(上限10万円)

(具体例)

  • ノー残業デー、年次有給休暇取得率アップの必要性を周知する。
  • どうすれば長期夏季休暇が取得しやすくなるか検討するための研修を行う。
  • 作業方法の改善やIT化推進などを通じて、労働時間を減らすための研修を行う。 など

就業規則・労使協定などの作成・変更(36協定:上限1万円、就業規則:上限10万円)

業務効率を改善できる見通しとなった場合、以下の変更・改定などを行う。

(具体例)

  • 時間外労働時間を削減した36協定の作成・届け出を行う。
  • 特別休暇に関するルールを導入する。
  • 時間単位年次有給休暇の付与ルール創設のため、就業規則の変更を社会保険労務士に依頼する。 など

助成金の支給額

「成果目標」の達成状況に応じて、支給対象となる取り組みの実施に要した経費の一部が助成されます。ただし、(1)または(2)いずれか低い方の額となります。

(1)「成果目標」1~4の上限額、および「賃金加算額」の合計額

成果目標成果目標の上限額(注)
1.残業を減らして、36協定を届け出る50万円~100万円
2.所定休日を増やす25万円~50万円
3.特別休暇を規定し、導入する50万円
4.時間単位有給休暇を導入する50万円
(賃金加算額)3%以上の賃金アップを行う15万円~240万円
  • (注)この金額を上限として、経費に係る補助を受けられます。成果目標を達成しただけでは、助成金は受給できません。

(2)対象経費の合計額×補助率3/4(労働者数が30名以下で、30万円を超える機器・ソフトウェアの購入などの取り組みを実施する場合の補助率は4/5)

助成金を追い風に、業務効率向上とQOL(人生の質)の向上を進めましょう

今、仕事に求められるものが変わってきています。
給与アップや働きがいももちろんですが、「短い時間で効率よく仕事をすること」や「仕事や家庭、自分の時間とのバランスがとれたライフスタイル」に魅力を感じる層も増えつつあります。
業務効率向上によって会社の業績がアップし、余暇も増えるとなお良いですね。

著者紹介

岩野 麻子(いわの あさこ)

特定社会保険労務士・健康経営アドバイザー。社会保険労務士 岩野麻子事務所代表。青山学院大学法学部を卒業し、大手化粧品メーカーに勤務。2007年5月に東京都中央区にて開業し、現在はスタッフ数名と共に中堅・中小企業の労務管理や給与計算サポートなどを行っている。

座右の銘は「働く全ての人々にQOL(生活の質)の向上を」。最近では、健康経営の推進にも力を注いでいる。(2018年2月22日時点の情報です)

社会保険労務士 岩野麻子事務所 (https://www.iwano-sr.com)

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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