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週休3日制の隠れたメリット・デメリットとは?

今年注目の働き方「週休3日制」とは?

出勤日そのものを減らすことで感染症予防対策の一環にもなると注目を集めている「週休3日制」。以前から注目度が高かったにもかかわらず、導入実績のある企業はまだまだ少ないのが現状でした。しかし今年は一気に導入が進みそうな予感です。

[2020年 8月17日公開]

週休3日制の隠れたメリット

筆者の職場では約2年前から週休3日制を導入しています。主観ではありますが、週休3日制を実際に導入してみて分かったこと、感じたことをご説明していきたいと思います。

1.残業を減らすことができる

筆者の職場ではフレックスタイム制を導入し、1日の標準的な労働時間を8.5時間としています。そのうえで、1日当たりの労働時間が延びた分、休みを1日増やすという形で週休3日制を運用しています。1日当たりの労働時間は8.5時間と長めですが、勤務日が1日減ることによりこの2年で総労働時間は大幅に減りました。

特に残業時間の減少は目を見張るものがあります。週休2日制のときは1カ月当たり60時間近くあった残業時間が、現在は繁忙期でも30時間前後と半減しました。週休3日制にすることで1日当たりの労働時間が長くなり、勤務日は1日減るため、そもそも残業できる時間帯が減ったことが要因ではないかと考えています。

2.生活に時間的な余裕ができる

週休3日制の下では、限られた時間の中で成果を出す必要があるため、今まで以上に業務に集中し無駄を削減しなくてはなりません。なかなかハードではありますが、休みが1日増えることにより大きな余裕も生まれます。今では何物にも代え難い大切な時間となっています。

この休みの日は普段会えない方に会いに行ったり、ヨガに通ったり、料理をしたりと自分の中で「大切だけど、普段後回しにしていること」をやる日に充てています。

3.フレックスタイム制とセットにすれば、勤務時間の自由化も可能に

「週休3日制になってから会社に行くのが嫌ではなくなった」と、従業員の方から言われたことがあります。週の真ん中の水曜に休みを取る、毎週木曜日は習い事に行くなど仕事以外の予定を入れることで、平日の5日間にメリハリが出ます。

それに加えて、業務上支障がなければ、1日ではなく2日に分けて半日ずつ休みを取得できるようにしても良いでしょう。これにより勤務時間の自由度が増し、従業員満足にもつながっていきます。

週休3日制の隠れたデメリットとは

1.勤怠管理が複雑化する

現在の労働基準法では、法定労働時間は1日当たり8時間、1週間当たり40時間を原則とした週休2日制を想定したものとなっています。従って一部の従業員にのみ週休3日制を取り入れた場合、勤怠管理は一気に複雑化します。そのためフレックスタイム制の導入なども併せて検討したり、勤怠管理システムの見直しを行ったりして、管理部門に負荷のかからないような形で、柔軟に勤怠管理できるようにすると良いでしょう。

2.ストレスが増大する場合もある

業務量や作業手順が変わらないまま週休3日制に移行した場合、従来の業務量を4日間でこなさなくてはなりません。その結果、他社の事例ですが、毎日深夜まで残業したり、むちゃな業務効率アップを追求するあまり精神的に追い詰められてしまったりすることがあります。人によって仕事の仕方はさまざまです。あくまで、働き手のための週休3日制であることを忘れないようにしましょう。

3.給与が減る場合がある

週休3日制を導入する際に、労働時間と連動して基本給を減らしたり、労働時間や基本給は変わらないまでも残業代の大幅な減少が見込まれたりする場合などは、実質的に給与が下がってしまうため、従業員からの反発が予想されます。

「週休3日制に踏み切ることについて、従業員への説明は十分に行ったか」「給与が下がってしまう場合は、副業などを解禁するのか」など、慎重に検討を進めていく必要があります。

週休3日制とセットで行いたい、密なコミュニケーション

週休3日制には業務効率の向上が不可欠ですが、加えて上司・部下が顔を合わせる機会が減るため、定期的な1on1ミーティングなど今まで以上に密なコミュニケーションも必要になります。上司が部下からの業務に関する報告や相談を受ける時間を定期的に設けることで、部下の待ち時間や一人で悩む時間を減らせるといったメリットがあります。また定期的に話し合うタイミングをつくることで、上司も部下の状況を把握でき、その頑張りを見逃すことなく、褒めたり感謝を伝えたりできるのではないでしょうか。

著者紹介

岩野 麻子(いわの あさこ)

特定社会保険労務士・健康経営アドバイザー。社会保険労務士 岩野麻子事務所代表。青山学院大学法学部を卒業し、大手化粧品メーカーに勤務。2007年5月に東京都中央区にて開業し、現在はスタッフ数名と共に中堅・中小企業の労務管理や給与計算サポートなどを行っている。

座右の銘は「働く全ての人々にQOL(生活の質)の向上を」。最近では、健康経営の推進にも力を注いでいる。(2018年2月22日時点の情報です)

社会保険労務士 岩野麻子事務所 (https://www.iwano-sr.com)

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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