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企業における総務部の仕事(1)
総務部の業務範囲および人事・労務管理<採用と教育>

企業規模の拡大に比例して総務の業務範囲も拡大

日本の企業に必ずある総務部門(総務担当者)。企業規模が拡大すれば事業も多様化し、業務範囲は広がります。総務の業務範囲や多岐にわたった仕事の内容について解説します。

[2018年 2月22日公開]

昨今の特徴は業務範囲の広さ

最初は一部署で事足りた総務業務も、事業が多様化し企業が大きくなれば、やがて単体では手に負えなくなります。従業員は増え、人が増えた分だけ管理リスクも高まり、総務部での一括管理が難しくなります。新事業を立ち上げて海外拠点を増やす、あるいは社内の情報システムを充実させなければならない、事業部が増えてイベントが増えるなど、それぞれの業務の目的も異なるため、総務部の中で人事部門、情報システム部門、広報部門など、業務は分離・独立していきました。
このような状況を把握したうえで、総務部の主な業務を挙げました。

総務の主な業務

  • 人事・労務管理
  • 文書管理
  • 社内広報
  • 用度品管理
  • 固定資産管理
  • オフィス管理
  • システム管理
  • 会議管理
  • リスクマネジメント
  • 内部監査
  • 株式管理
  • 社内規定管理
  • 福利厚生施策
  • 法務業務
  • 行事・イベントの運営
  • 秘書業務
  • 受け付け業務
  • 環境対策
  • 冠婚葬祭 など

人事・労務管理「募集と採用」

事業の発展に必要な人材の確保は、企業にとって経営戦略の一翼をなす重要な課題です。そのため社員の募集と採用は、中期・短期の人事計画に基づいて実施されます。新卒の定期採用を行っている企業では、各部門の退職予定者数や要求人員数について、ヒアリングやアンケートを行い、人事計画と照らし合わせながら採用人数を試算します。しかし、各部門の要求を全て受け入れるのではなく、全社的に見て適正な人員配置を人事担当部署で見極めたうえで決定します。

採用職種と募集人数がある程度決まったら、募集活動に入ります。新卒の募集は、大学向けの求人PR、インターネットでの採用情報提供、就職情報誌などへの掲載などで展開します。ただし、就職協定の廃止で新卒採用の活動は年々早まっているため、自社が後れを取らないように他社の動向を把握し、早めに採用計画を立て、入社案内など募集・採用に関する資料は余裕を持って用意しておいた方がよいでしょう。

また、最近増えている通年採用は、現在の景気やビジネス環境に合わせて人員の調節ができ、事業拡大やグローバル化などの戦略に合わせて必要な人材を確保できるというメリットがありますが、契約社員として採用するというケースが多いため、のちのちトラブルに発展しないよう、契約の際には細かい部分まで明確に取り決めておくことが必要です。

人事・労務管理「社員教育」

社員教育というと、「OJT」「Off・JT」「自己啓発」の三つが挙げられます。OJTは先輩や上司が直接教えるなど職場内で行う研修、Off・JTは会社主導で進める社員教育、自己啓発は個人が自主的に行うという特徴があります。

例えばOff・JTは、階層別(中堅社員、幹部社員、役員、等)、職種別(総務、経理、営業、販売、等)、テーマ別(OA、問題解決、創造性開発、等)に研修テーマを設け、集合研修や合宿研修、外部機関を利用するなどして全社的に行います。この全社的な人材育成計画を基に体系的・継続的に教育を実施しますが、職場でしか得られない知識や技術を得るにはOJTが欠かせません。つまり、社員の能力や知識、技術の向上のためにOJTとOff・JTを連動させることが重要で、そこからさらに社員の自己啓発へとつなげていくことが理想的な流れといえます。

教育研修の目的を明確にしたうえで、教育プログラム、対象者および教育方法や講師を決定し、終了後にはフォローアップ研修を実施しましょう。また、受講者のアンケートは今後の人材育成計画を立てるうえで最も参考にすべき意見です。反省点を改善しつつ、より自社に合った教育方法を確立するためにもアンケートは取るようにしましょう。

人事・労務管理「労働時間の管理」

労働者の労働時間を適正に把握し、適切に管理するために、総務部は自社で働く社員の勤務時間や働き方を管理しなくてはなりません。労働基準法第32条で定められている労働時間は、休憩時間を除き1週間に40時間、1日8時間が原則です。近年は、産業構造の変化によりビジネススタイルも多様化し、変形労働時間制が導入されています。

変形労働時間制

 1カ月単位の
変形労働時間制
1年単位の
変形労働時間制
1週間単位の
非定型的変形労働時間制
フレックスタイム制
対象期間1カ月以内の
一定期間
1カ月を超えて1年以内1週間清算期間は1カ月以内
規定労使協定または就業規則その他これに準ずるもの労使協定労使協定労使協定
労使協定の
有効期間
定める定める定める定める
届け出必要必要必要必要
事業者側の
メリット
特定された週に、法定労働時間を超えて労働させることができる。特定された週に、法定労働時間を超えて労働させることができる。繁閑の差が出ることが多く、各日の労働時間の特定が困難な事業所は、事前の労働日、労働時間の特定を免除される。就業規則その他準ずるものにより、その労働者に関わる始業時刻および終業時刻を、その労働者の決定に委ねることとした労働者には、法定労働時間を超えて労働させることができる。
休日原則週1日以上、例外4週4日以上。ポイントは休日数ではなく、労働時間が1週40時間で収まっているかどうかにある。例えば、週2日であっても、6日勤務の週の労働時間が40時間を超えていたら違法となる。なお、休日を特定できない事業の場合、就業規則には年間休日数の記載のみで構わない。

変形労働時間制には、1カ月単位の制度、1年単位の制度があり、ほかにフレックスタイム制、裁量労働制などがあります。1カ月単位の場合は、労使協定または就業規則などに一定事項(始業・終業時刻や休憩時間、休日等)について定めることが必要です。1年単位の場合は、労使協定で対象期間や1日の労働時間、1週間の労働時間、休日の扱いなどの事項を定め、労働基準局に届け出なければなりません。

また、フレックスタイム制は出退勤の時刻を社員に委ねる制度で、就業規則などにフレックスタイム制の対象となる労働者の範囲や清算期間、1日の標準労働時間等を定めます。労使協定を締結する必要はありますが、届け出は不要です。裁量労働制は、仕事の進め方や時間配分を労働者の裁量に委ね、労使協定によってみなし労働時間を定めます。例えば、みなし労働時間を8時間とした場合、その日に10時間働いた、逆に5時間しか働かなかったとしても、8時間働いたものとみなして労働時間を計算する制度です。

社員を時間外、休日に労働させるときには、労働者の過半数で組織する労働組合、または過半数を代表する人と書面で協定を結び、所轄労働基準監督署に届け出なければなりません。これを「36協定」(正式名称「時間外労働・休日労働に関する協定書」)と呼びます。

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著者紹介

マネジメントリーダーWEB編集部

企業を活性化する総合マネジメント情報サイト「マネジメントリーダーWEB(http://www.mng-ldr.com/)」を企画・運用。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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